政策ではなく謀略で国政が動かされている・・・アルルの男・ヒロシ氏ブログより

今日、検察審査会が07年度分で「不起訴不当」の議決をしたというニュースが
ありました。


え、何? と、ハト豆状態でしたが、アルルの男・ヒロシこと副島隆彦氏の一番弟子
中田安彦氏によると、用意周到にぶつけてきたもののようです。


検察の小沢一郎に対する容疑は、ようするにイチャモン付け以上のものではなく、
国策捜査であり、政治家としての生命を絶とうとするものであることは
明らかです。昨春以来、それが行われてきた。
大久保秘書逮捕事件のあった直前、かんぽの問題に火がつきはじめていたことを
わたしははっきりと覚えています。そんな小沢の金のことより、かんぽの問題の
ほうをわたしは知りたいのだと、小沢報道一色になった新聞社に抗議のファックス
や電話をしたことを思い出します。


検察+マスコミの総動員によって、国民の意志を操り、ねじまげてきました。
それは、ひとえにアメリカが、郵貯の300兆だかの国民が貯めたお金を吸い取り
たいがためであった、それをうまくやった小泉と竹中は長期政権をとり、抗う
亀井と小沢は徹底的につぶす、ということのようなのです。


アメリカは、日本を「置屋の娼婦化」しようとしている。今までだってどれくらい
吸い取られたか知れませんし、売れもしない米国債を700兆? だか買わされている
ということです。


以下のアルルの男・ヒロシ氏は、国際関係を詳しく研究されている方です。
読んでて、この先日本はどうなるのかと暗澹としてしまいました。


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検察審議会「不起訴不当」:日本は“有事”(デフコン2)状態にあるようだ



 このニュースを見て、「ああ、やられた!」と私は思った。アメリカと日本の凶暴
化した官僚組織は本気で小沢だけではなく一族郎党を覆滅すつもりだ。


 それを、アメリカと官僚組織、7奉行、マスコミは完膚無きまでに潰す作戦を参院選
の最中から練っていた。菅首相参院選の敗北で執行部の責任ムードが高まりかねない
まさにこのタイミングを狙って検察審査会の議決報道をぶつけてきた。この本日の
“議決”とやらについてマスコミは次のように報じている。「読売新聞」の報道から。



(引用開始)

小沢氏「不起訴不当」…07年分で検察審査会
2010年7月15日「読売新聞」

 小沢一郎・前民主党幹事長(68)の資金管理団体陸山会」の政治資金規正法違反
事件で、東京第1検察審査会は、同会の2007年分の政治資金収支報告書の虚偽記入
を巡り、東京地検特捜部が不起訴(嫌疑不十分)とした小沢氏について「不起訴不当」
とする議決をした。


 議決は8日付。


 同会の04、05年分の同法違反容疑を巡っては、東京第5検察審査会が小沢氏を
「起訴相当」と議決したが、特捜部が再び不起訴としたため、第2段階の審査に入って
いる。


 特捜部は07年分の容疑について再捜査を行うが、再度不起訴とすれば、小沢氏の
不起訴が確定する。

(2010年7月15日14時42分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100715-OYT1T00684.htm
(引用終わり)



 この報道によれば今回の議決は「起訴相当」ではなかったので、再度検察が捜査して
も不起訴にすれば不起訴確定という甘いことを書いているが、ここに騙されてはいけな
い。「不起訴相当」ではない以上、これは小沢サイドに対する圧力としては十分である。
おそらく、この「東京第一検察審査会」は実際には議論すらしていないだろう。
タイミングを見計らってあらかじめ用意しておいた議決文の予定稿を壁に貼りだした。
当事者が会見しない議決はそもそも官僚の作文に違いあるまい。


 実は、この07年の案件については、今朝(15日)の朝日の記事が以下のような
記事で伝えていた。07年の案件が最後に申し訳のように付け加わっていたのが強く
印象に残っていた。


(貼り付け開始)

小沢氏強制起訴の是非、7月中の結論見送り 検察審査会
2010年7月15日3時4分

 小沢一郎・前民主党幹事長の資金管理団体陸山会」の土地取引事件で、東京第五
検察審査会は14日までに、小沢氏を強制的に起訴するかどうか、7月中には結論を
出さない方針を固めた。強制起訴の可否を決める2回目の議決をするのは、1回目に
「起訴相当」の議決をした11人のメンバーが全員入れ替わる8月以降になる模様だ。


 審査会はくじで選ばれた市民11人で構成される。任期は半年で、3カ月ごとに
半数の5〜6人ずつ入れ替わる仕組み。現在の顔ぶれで審査するのは7月末までで、
8月1日に5人が入れ替わる。次に6人の任期が切れるのは10月末で、8月1日
からの3カ月の間に証拠を読み込んで審査する可能性が高い。このため、9月中に
予定される民主党代表選の日程によっては、2回目の議決は代表選の後になる。


 審査の対象は、陸山会の2004、05年分の政治資金収支報告書をめぐる政治
資金規正法違反(虚偽記載)容疑。


 審査会は、東京地検特捜部の不起訴処分(嫌疑不十分)を不服とした市民団体の
申し立てを受け、4月末の1回目の議決で、小沢氏と元秘書らとの共謀を認定して
「起訴相当」とした。しかし、5月に特捜部が再び小沢氏を不起訴としたため、
2回目の審査をすることになった。


 2回目も起訴すべきだとする「起訴議決」をすれば、裁判所が指定した弁護士
によって小沢氏は強制的に起訴される。起訴すべきだとした1回目の議決にかか
わった審査員5人が残る顔ぶれのまま、今月中に議決が出るかどうかが注目され
ていた。


 検察審査会法で、2回目の審査で起訴議決をするには、担当検事から必ず意見を
聴くことになっているが、審査関係者によると7月中の呼び出しはないという。


 一方、07年分の容疑については、別の市民で構成される東京第一検察審査会が、
1回目の審査中。すでに担当検事から意見を聴いており、7月中に議決を出すとみ
られる。


 告発されたのは、陸山会が04年に約3億5千万円の宅地を購入した際に原資と
なった小沢氏からの借入金4億円を07年に返済した事実を記載せず、登記も05
年にずらすなどした一連の容疑。


朝日新聞」(2010年7月15日)
(貼り付け終わり)



 これが今朝の朝日の記事である。たまたま朝日を買っていたので気が付いた。
このような報道は参院選の前後からいろんなメディアが報じていた。今週号の
「AERA」にも出ていたし、15日夕方発売の16日日刊ゲンダイにも出ていた。
それ以外にもかなりの全国紙がカバーした内容だ。


 ところが、07年の案件についてはあまり報道されてこなかった。マスコミは意図
的に2回目の議決を待つ04年、05年の案件に絞って報道していたかのようである。
(実際には朝日が8日にこのような記事を報じている。
リンク:http://www.asyura2.com/10/senkyo90/msg/206.html


 わざと04年、05年の方に関心を集中させ、07年の方を報道するにしてもごっ
ちゃに報じてよほど眼を皿にしないとわからないようにしている。


 今回議決が出たのは07年の案件で、上に引用した記事では議決が出された日が
きわめて重要だ。それは「8日」となっている点だ。つまり、菅首相は選挙中の遅く
とも8日じゅうにはこの事実を知り得たのだ。その後、菅首相は選挙の敗北の後の
反省の意を示すと言うことで「小沢に会いたい。小沢に会いたい」とうわごとのように
マスコミに言うようになった。これも今から見ると菅首相の演技である。菅らは執行部
の責任については先送りし、なぜか敗因について各県連の聞き取りを始めた。
総括が必要なのは増税を打ち出して選挙を戦った執行部であるのになぜそんなことを
するのか。


 案の定、各県連から、「小沢を外したからこんなことになったんだ」という怒りの
声が飛び出した。そして、小沢系の中核である松木謙公(まつきけんこう)衆議院
員が「9月の代表選には小沢に出て欲しい」と公然と言うようになった。ところが
一新会の会長の鈴木克昌は言葉を濁している。小沢本人は雲隠れ。八丈島で釣りを
しているとも報じられたり、自民の古賀誠と話したなどの未確認報道が出たが
これは事実じゃないと思う。小沢が話したのは連合の古賀伸明会長ではないかと思う。






 ここで小沢系議員の皆さんに忠告しておく。今はあなた方も釣りに行きなさい。





 ゴルフでもいい。とにかく、今は動いては行けない。おっちょこちょいで人の良
すぎる筆頭格の松木をあぶり出して、小沢期待感が高まったところで菅首相らはバーン
と07年分の議決を発表させた。おそらく千葉景子法務大臣はその決済が必要だった
のだろう。だから落選したにもかかわらず留任したのだ。


 これで世間の眼はともかく党内世論をかくらんすることに成功する。菅執行部は
詰め腹を枝野か安住あたりに切らせて、他は一切責任を取らないだろう。小沢待望
論が高まったところで叩く。穴ぐらの親熊をおびき出せないのなら、小熊をおびき
出して痛めつけるという謀略だ。


 小沢の復権はこの情勢では難しい。いや、その可能性はもう無いだろうと私は思
い始めている。


 それだけアメリカ様は「不機嫌」なのだ。それは鳩山・小沢政権時代に小沢が国民
新党の亀井静香と組んで郵政民営化の徹底的な見直しに着手したことが原因だ。


 小沢・亀井は世間の批判を当然浴びるのを覚悟で郵政の新社長にゴールドマンと
繋がっていた西川善文の後任として、斉藤次郎元大蔵事務次官を起用した。
これは国債運用に郵貯・かんぽの資金を回すことで、アメリカの金融資本に郵貯
かんぽ資金の“運用権”をアメリカのウォール街から引きはがすのが狙いだった。
このことを国民新党森田高(もりたこう)議員は証言している。
斉藤時代になって、西川時代に送り込まれたゴールドマンの運用担当者は追放した、
と言っているのである。また、年次改革要望書が08年12月から出ていないのは
作成されていないからではなく、亀井のところでストップさせているという事実も
あった。

 これにアメリカは怒り心頭になった。亀井は今年の1月にも訪米。
この後でアメリカ国債郵貯は買い増したが、亀井はいつかは分からないが米国
側に「米国債を買って欲しいなら直接言ってこい」と強気の発言をしたという。


 また別のフリー記者との会見でも「わたしは五月にアメリカへ行ってセイモア
とかベーダーとかに言ったんだけれども、この亀井静香をCIAが暗殺でもしない
限りは、アメリカの言う通りにはならないよと。分かりやすいでしょう」
金融庁亀井第2会見)と述べている。
その亀井も郵政法案が通らないと見るや、連立は維持しつつも、金融大臣を辞任
してしまった。これ以上突っ張れば自分も刺されるという危機感もあったのでは
ないかと思う。


 そして、今日の夕刊を読むと、「IMFが来年度にも消費税増税。15%まで
増税し、法人税を下げよ」という要求を正式に突きつけてきた。
IMF世界銀行は実体は米ウォール街の別組織である。
二つの組織はワシント
ンDCの同じ場所に通りを挟んで並んでいる。アメリカは消費税の形で資金を日本
国民から巻き上げつつ、一方で法人税を下げることで外資の進出を容易にさせる
ねらいだ。法人税減税の恩恵を得る日本の大企業もIMFとの共謀者に含まれる
だろう。

 
 そして亀井を攻撃する「みんなの党」(ユア・パーティ。アメリカ=YOUと
いうことか?)。最近、米ウォールストリートジャーナルは、矢継ぎ早に「みんな
の党」の渡辺喜美のインタビューや同党の進めるデフレ脱却法案、インフレターゲ
ット政策、日銀の中小企業再建買い取り法案について報道している。量的緩和
インタゲ、日銀の債権買い取りで景気は回復しない。金融業の負担が減るだけで
ある。金融資本を喜ばせるという思惑が「みんなの党」を通じて露骨に出てきて
いる。(同時に「みんなの党」を温存するために失政責任をとらせる連立要件は
達成させなかった。ひょっとすると投票用紙読み取り機械の誤作動などが仕組まれ
ているかもしれない。) 


 ゲバラを信奉する亀井静香は戦っている。竹中平蔵の側近だった木村剛(きむら
たけし)・日本振興銀行元会長の金融庁への検査忌避で逮捕したのは金融大臣時代
の「置きみやげ」だろう。金融検査マニュアルを作った木村剛を同じ金融検査の容
疑で逮捕させる。広島出身で菅原文太と親しい亀井氏らしい「仁義なき戦い」である。





 立派な戦いぶりだ。しかし今はゲリラ戦のために一旦退却というところか。時期を
みて必殺の一撃を狙って社民との統一会派構想を出しているが、社民がこれに尻込み
している。


 これは収奪でもあるが、同時に日本の政治・経済を混乱させる一種の「サボター
ジュ(破壊活動)工作」である。
自民党民主党の違いを「コカコーラとペプシコ
ーラ」ほどにすることで国民に失望感をあたえ、やけくそで次の衆院選に臨ませる
のだろう。菅、仙谷、玄葉らはそれを知っているので責任を取らない。もうアメリ
カや軍需産業のやりたい放題で、北澤俊美防衛大臣経団連と組んで「武器輸出三
原則」の見直しまでどさくさに紛れて言い始めた。
まるでどこかの国で戦争が起き
るかのようなあせりっぷりである。これは非常に恐ろしいことだ。


 保守愛国派の皆さんは外国人参政権に対して反対をする。しかし、今の日本は外
国人参政権が無いというのにすでにウォール街や米国の軍事サークルにここまで
内政干渉している。その問題をどう考えるのですか、と伺いたい。10年前はもっと
皆さん達は米国問題、中国問題を双方問題にした真の愛国派だったのではないですか、
と元保守愛国派として問いたい。
 それに、参政権問題に懸念があるのは分かるが、参政権の制度設計で歯止めを
かけたり、国籍取得要件の緩和を訴えればすむことではないか、とも思うのだ。
もっと他にすべきことがある。喫緊の課題ではないことを彼らはこだわっている。
彼らの中にもエージェントがいるはずだ。保守愛国派は反中国・反北朝鮮という
一方の問題だけに囚われすぎている。


 うがった見方になるが、口蹄疫の問題もそうかもしれない。なぜわざわざ種牛を
処分するように山田正彦農水大臣が言うのはこの口蹄疫が「疑似バイオテロ問題」
だからだ。中国かどこかで発祥した口蹄疫を何者かが国内に持ち込んでいるだろう
し、種牛が残る限りまた、いつでもばらまくつもりだろう。
牛がかわいそうとか
そう言う問題ではない。この問題では山田農相が苦渋の顔で東国原知事を説得した
ようだ。


 今の日本政治はデフコンレベルで言えば最高度より2番目に高い「デフコン2」
だ。政策ではなく謀略で国政が動かされている。この危機意識をもっているのは、
小沢一郎亀井静香ら数人の政治家だけだろう。他は鳩が豆鉄砲を食らったように
なっているが、忠実にアメリカと官僚の手先の役割を果たしている。


 たぶん、菅首相は野党に国会運営で追いつめられて衆議院を解散するだろう。
それは年末よりも早いのではないか。自分が役割を演じさせられていることを分
かっていながらも、悪魔になってそれを演じる。それが今の民主党の宰相の役回
りだ。総理になることは悪魔の契約を結ぶことであるかもしれない。


 小沢に対して出された「ワン・ストライク」が、今日の07年検察審査会の議
決だ。菅直人は近いうちに小沢に会うと言っている。その際に彼は小沢に引退勧
告を突きつけるのだろうか、それとも再びおびき出すための「猫なで声」を発する
のだろうか。小沢はおびき出されないだろう。しかし、表舞台にも出ることは出来
ないだろう。小沢の弟子達がどのように次の世代を作っていくのか。それだけの
知謀をもった部下はいるのか。7奉行や菅派・鳩山派にはそういった人物は当然
ながら存在しない。

 
 いずれにせよ世界は米欧の財政危機と相まって2012年の混乱の終幕に向け
てフィナーレへの序曲を奏で始めている。


 ・・・・私も「釣り」に行くことにするか。沖縄で地震が起きたりしなければいいが。

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