村木事件無罪判決に関するNHK「追跡A toZ」に関わる郷原氏のtweet

今朝がたこんなツィートが流れました。



nobuogohara 明日火曜日の深夜(正確には15日水曜)1:05から、
村木事件無罪判決に関するNHK「追跡A toZ」の再放送があります。
土曜日に見逃した方、私の連続ツイート(まとめブログ http://htn.to/oyzJ1G
を見た上で見てください。見過ごせない問題があると思います。


連続ツィートも、ここに貼り付けておきます。
NHK「追跡A to Z」を見た方、いかがでしたでしょうか。

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@nobuogohara郷原信郎つぶやき編集


NHKの「A to Z」見ました。唖然!というか、

本当に残念です。

昨夜のツイートでNHKの担当者が取材に来たので詳しく

「話してやったのに」と書きました。

決して「上から目線」ではなく、

「良い番組になるよう私なりに精一杯協力したのに」

という意味です

(続く)


日経BOなどにも書いた、

村木事件での検察の捜査手法、取調べ、

調書作成の手法が

大阪地検だけの問題ではなく、

特捜検察に共通する問題だということは

NHKの担当者に詳しく話しました。

彼らは良く理解してくれたようで、(続く)



(続き)

「特捜検察の問題をこの際徹底的に明らかにしたいので、

これからも協力をお願いします」と言って帰っていったので、

私も、その後、可能な限り情報を提供したりしました。

ところが、それ以降、

NHK側からは

何の連絡も来なくなりました(続く)



大阪の民放3局の事前のインタビュー収録をしたのに、

NHKは何も言ってこないので、

どうしたのだろうと思っていました。

昨日の番組を見て

すべてがわかりました。

要するに、

「特捜検察の構造問題」という

捉え方ではなく、

「大阪特捜ずさん捜査」という

捉え方をした上



その問題を、特捜固有の問題ではなく

一般事件の問題と同列に扱い、

「最近の現場の検事が

捜査の基本を身につけていない」

という 問題に矮小化しているのです。


警察送致事件と特捜事件とは

捜査手法全く違うという点を無視しています。

番組の中身にも問題が多々あります(続く)



続き)番組の中身の問題です。

まず、「ストーリーの固定化」について、

番組では「大阪地検は、当初凛の会側が

証明書を単独で作成したとみていたが、

倉澤氏の供述で村木氏の関与が浮かび上がった」

としていますが、

厚労省の公印が押された証明書を

凛の会側だけで作成可能とは思わないでしょう(続く)



(続き)

村木氏の上司塩田氏の供述にはまったく触れていません。

(塩田氏については以下記事を参照http://bit.ly/dgTj16

さらに以下記事もhttp://bit.ly/b9y35Y

検察が最初から、「政治案件」で

厚労省の幹部が関与しているという

見立てで

捜査を進めようとしたことを、

殊更に打ち消そうとしているように

思えます。

3年前の「捜査の基本」の話は

一般刑事事件の問題で特捜の問題ではありません(続く)



(続き)

東京地検の幹部の会議で指摘された

「殺人事件で凶器を確認していない」などという問題は、

事件決裁で指摘する問題として古くからあったもので、

別に驚くようなことではありません。

そういう話が、

検察独自捜査という特捜検察で起きた

村木事件の問題に関してなぜ出てくるのか不思議です(続く)



(続き)

高井弁護士の指摘も、全体として

「昔の特捜は的確な捜査をやっていたが、

今の特捜の現場がずさん」という話ですが、

ではどうすれば良かったのか、という点に関して、

「国会議員を先に調べるべきだった」はないでしょう。

村木氏の自白すら得られておらず

証拠が固まっていないのに(続く)



(続き)総選挙前に

「・・代議士聴取」などと報じられたりしたら

大変なことになるのではないですか。

「取調べメモを破棄したりしてはならない」

と指摘していますが、

破棄したのは証言した6人の検察官全員です。

取調べメモに対する特捜検察としての方針が

どうであったかの問題です(続く)



(続き)

医療事故に関わった医師全員がカルテを破棄した、

と言った場合に、

「今後破棄しないようににしよう」で済むでしょうか。

そもそも過去の特捜事件で

公判に取調べメモが提出された例があったでしょうか。

問題を現場レベルの問題に矮小化して

本質から

目を背けようとしているように

思えます(続く)



(続き)こういう見方をするのは、

大阪特捜の現場に対してあまりに非情です。

特捜検察の構造的問題を指摘するはずだったのに、

なぜこういう番組になってしまったのか、

そちらの方の検証が必要だと思います。