シュピーゲル」誌は、ヨーロッパ最高発行部数のドイツ著名雑誌なのだそうです。筆者は、コルドゥラ・マイヤー氏。
日本の外へ伝える、日本の姿。
ひどいもんです。。。


よくまとまった記事で、正確、そして批評精神がきちっとある。
いい記事です。


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http://uesugitakashi.com/?p=917
シュピーゲル」誌(2011年5月23日号) 「原子力国家」日本語訳


原子力国家」

                        コルドゥラ・マイヤー


オイルショック後、日本は無条件に原子力に全力を注いできた。それ以来原子力業界は、福島原発をもつ東電を筆頭に国全体を腐敗させてきた。政治、科学、マスコミは彼らの共犯者だ。民主主義は原子力に完全に浸透されてしまったのである。


あの金曜の朝、山口幸夫氏は自宅でグレーのカーディガンを脱いで、上等のこげ茶色のスーツを着込んだ。それから新幹線に乗って、柏崎・刈羽に向かった。日本の西海岸にあるこの土地には、世界で最大の原発が建っている。


太縁メガネをかけ、グレーの顎鬚を伸ばしたこのシャイな物理学者は、原子力資料情報室(CNIC)の反原発運動家だ。彼はこの朝、原発の耐震性を審議する委員会に向かっていた。今回は柏崎原発を運転する東電と会って津波に対する安全性に関しても話し合うことになっていたのである。3月11日のことだ。


午後一時ちょっと前、山口氏は新潟県庁の木目の板張りの会議室の最前列、左から2番目の席に着いた。恐ろしい津波の可能性を警告したところで、それがいったい何になるというのだろう。「いつものとおりに進行するだけです」と山口氏は語る。「東電の社員十数人にたった一人で立ち向かうんですから。そして彼らはすべて安全です、と言うだけです。」


14時46分までは。この万全はここで崩れたのである。いきなり会議場がゆれ始めた。地震だ。皆、建物の外に出たので会議は15分間中断し、それからまた再開した。東電の代表者が、原発地震津波に耐える安全設計であることをもう一度、繰り返した。


その瞬間に200キロ東で14メートルの高さに及ぶ巨大な波が、東電で2番目に大きい原発コンプレックスの6メートルの防波堤をのみこんでいるとは、この会議に参加している者の誰一人、予想していなかった。


午後4時ごろに新潟での会議は終わった。地震のために新幹線が止まっていたため、山口氏は地元のホテルにチェックインしたが、その時東電はちょうど政府にこう報告していた。「福島第一原発が制御不能になった」と。


(以下略)


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ぜひ、リンク先に行って、全文お読みください。
唖然、呆然、の、原子力保安院の現実も。




【追加】

このテレビ番組、見ました?
原発作業員募集に闇社会が食い込んでいること、以前から言われていました。

福島以後、一人送り込むと月150万もうかるって・・・

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http://www.dailymotion.com/video/xkioun_20110812-yyyyyy-yyyyyy_news

NHK 「追跡!A to Z」より。 3月から5月までの間に事故処理にあたった作業員のうち、下請け企業にいたはずの143人の所在がわからなくなった。連絡がつかず、内部被ばくの検査ができないというのだ。背景には何が? 放射線量が高い現場では、使い捨てにされる作業員が集められているという。「使い捨ての構造でないと今のところ成り立たない」と話す作業責任者。作業員の手配には闇社会の関与がちらつく。

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四月のこんな記事があります。
この欠陥原子力発電マークⅠもびっくりだけど、最後のところ、東電は作業員を日給五万、十万で募集している
と書いてます。
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原発元設計者が米メディアで告白「原子炉構造に欠陥あり」
危機続く福島第一原発
週刊朝日2011年04月01日号配信
http://www.wa-dan.com/article/2011/03/post-83.php



(略)


 その後、友人経由で東電の下請け会社からメールが来ました。

〈現在の報道は非常にセンセーショナルで、当社が確認したところでは、そこまで深刻ではないとの回答を東電サイドから得ています。今後、多数の方々のお力を必要といたします。これまでのベースから日給3倍をめどにご賛同をいただける方々を募集しております〉

 3倍なら日給5万円です。より危険な区域を担当したり、経験が豊富だったりすれば10万円という話も聞きました。「もしものときに人手がいるから登録だけでもどうかな」という誘いもあります。

 しかし、応募した人はいないとか。下請け会社の話だと、原子炉への海水注入を迫られた際に東電側は、
「この原発にどれだけカネを使っているのか、知っているのか。原発がなくなれば、お前らの仕事もなくなるぞ。海水を入れて廃炉にするなんて、とんでもない」
 と言い放ったというぐらいの会社ですから。

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