尖閣流出ビデオの犯人探しをするメディアの不健全・・・by 上杉隆pod cast

記者クラブ問題に切り込んだフリージャーナリスト上杉隆氏のpod castです。


http://podcast.tbsradio.jp/kirakira/files/20101109_pate_uesugi.mp3


今度のビデオ流出に対して、政府側のものが流出元を探すのは当然だが、
メディア側はそもそも政府の隠そうとする情報を公開するのが仕事である、
これは世界どこでも共通の基準、日本だけは政府の側の立場にメディア側
もいっしょに立って犯人探しをしている。記者クラブ制で、政府の流す
情報に頼る日本メディアの体質がここに出ている。本来、ジャーナリストなら、
これは日本の国益にかなう内容であるのに、どうして公開しなかったのかと
政府を追及すべきところだと、だいたいこんなふうな意見。


まったく、そのとおりですね。
この流出ビデオは編集されたものであり、まだ船長拿捕部分は隠されている。
また、従来の慣行がどうだったのかとか、ネットでさまざまに議論されている
ようなことが、本当はマスメディアにきちんと現れないといけないところ。
上杉さんの言うように、日本だけだそうですが、記者クラブ制がそもそも
大本営発表になる原因だということがよくわかります。また、それもそのはず
この記者クラブ制は、戦中時にできたものだということを、どこかで読んだ
記憶があります。


それにしても、この尖閣諸島周辺の緊張をあえて引き起こさせた原因は、
どうやらアメリカ側の示唆があると言われている。経済成長に専念したい
中国と日本が争って、得をするのは、アメリカです。



こういう記事があります。
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http://amesei.exblog.jp/d2010-11-05
海上保安庁重視論を焚きつけた、MITのサミュエルズ論文


米国が海保を使って日中関係を緊迫化させるという風にも読める政策提案をしていたことは
意外にしられていない。米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)の日本政治・安全保障問題
研究者のリチャード・サミュエルズは、以下の刺激的なタイトルの論文を国際関係の理論に
ついての専門誌に寄稿していた。これは実に2年前の論文である。

(略)


 サミュエルズ教授は、「海上自衛隊の4分の1にあたる1万3千人の人員」と、「16億ドルの
予算」に示されるように、海上保安庁が「事実上、自衛隊の第四の柱となりつつある」と指
摘する。そしてこの海上自衛隊は、自衛隊とは異なって警察活動が主眼となっていることか
らも、周辺国から警戒されることもなく、また連立政権の公明党から防衛費拡大への批判を
受けることもなく、着実にその勢力を拡大しつつある。
(略)


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さらに、ブログ「世に倦む日日」氏。
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http://critic6.blog63.fc2.com/
ビデオ流出に米諜報機関の介在はないか - APEC後の波乱と悪夢


昨夜(11/7)、NHKが赤字国債の特集番組を放送していたが、それを見ながら、金子勝
10年ほど前に繰り返していた発言が頭に浮かんだ。「このままだと戦争か革命でしか問題を解
決できない」。当時は、その主張をあまり積極的には聞けなかった。

(略)

金子勝のカタストロフィの予言が次第に現実味を帯び、説得力が深まっている現在の社会的心
理状況を正直に認めざるを得ない。少子高齢化や国際競争力の低下の中で、多くの日本人が、
借金は働いて合理的に返済できるのではなく、破滅によって暴力的に帳消しになるのではない
かと考え始めている。もっと踏み込んで言えば、カタストロフィを通じたカタルシスへの病的
誘惑と言うか、諦念的待望の心理が堆積していて、すぐにも「希望は戦争」的な可燃性に気化
しそうな気配があり、それが現在の異常な反中ファナティシズムの政治現象の底流にあるよう
に窺われる。


(以下は有料)


仙谷由人の失脚 - 投稿犯を英雄視するNHK報道とGoogleの不審


ビデオ流出事件を転機として、仙谷由人が失脚したという観測を一昨日の記事に書いたが、
その情勢を裏づける象徴的な政界記事が本日(11/9)の朝日紙面(3面)に載っている。長妻
昭と厚労官僚の確執についての特集だが、意味するところは、現政権の最高権力者である仙谷
由人の失脚を告知する内容だ。

(略)


今年に入り、小沢一郎の失脚で仙谷由人が台頭して以降は、特に長妻昭に対するバッシングと
ハラスメントが酷くなり、仙谷由人とくっついた官僚たちが、長妻昭を徹底的に蔑み貶める記
事を朝日に書かせていた。仙谷由人の権力は官僚がサポートしていて、政権交代による政治主
導で危うくなった官僚の実権を、仙谷由人がせっせと自民党時代の元に戻していたのだ。
「官僚を使いこなすのが政治主導」という欺瞞の言説を吐き散らしながら。官僚が言う「官僚
を使いこなす」とは、官僚の言うとおりにするという意味で、大臣は飾りになるという意味に
他ならない。その朝日が、長妻昭を擁護して仙谷由人を批判する記事を上げた。仙谷由人
官僚から切られたのであり、朝日までも仙谷由人を見限った。

(以下は有料)

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こうして、着々と準備されているのが、アメリカのポチ小泉政権にもっとも体質の近い
前原政権である、とは、もっぱらの噂。今回の尖閣諸島周辺の緊張については、これは
国土交通相・現外務相の前原が関わっていることは、明らかです。