金子勝経済学教授のツィート集・・・DVD「光州5.18」の感想も

先日は、「光州5.18」というDVDを借りて見ました。80円なり。安い。
1980年に起きた光州事件は、何かデモが暴徒化したくらいに思って
いました。あまりよく知らなかった。


すぐ隣の国で、あのとき、こんな事が起きていたなんて。ショックでした。
新聞を読んだくらいでは、何が起きているのかよくわからなかった。
最初は大学生のデモだったようですが、軍隊が無慈悲に誰でもとっつかまえて
ぶちのめし、追い掛け回して、死者を出す。市民に抗議がひろがります。
軍隊は十二時で撤退するから解散せよと、ヘリコプターから知事のメッセージ。
かっきり十二時、歓喜の国歌をうたう大群衆に向けて、軍隊が無差別に発砲する。
血みどろの市街戦に発展します。


国家(という人工的構造体)は、パトリ(愛郷)を銃をもって攻撃するのだと
まざまざと思い知らされました。


市民たちは分断され、道庁に最後までたてこもった人々は圧倒的武力で殺され
ます。見殺しにした、生き残った人々は、いまだに苦悩している。
光州事件」で検索してみてください。この映画の感想を書き記したブログ
にゆきあたります。




慶應義塾大学経済学部金子勝教授のツィートです。
適当にわたしが興味を感じたツィートのみ、抜きます。
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100年に1度なので既存エリートたちが大変化を直視したくないのは自然かも。
普通の不況だったら、確かにマクロ経済学の「常識」を繰り返していれば十分ですが…。
問題は既存「常識」
側は新しいモノを「非常識」として排除し始め、本来は被害者なのに加害者の側になりたがることです。哀しい時代…


海保の流出者問題でIT時代の情報管理がどうのって解説ばかり。でも日本の場合それ以前的な状況です。問題が混乱
しています。たとえば欧米諸国のように外交文書や政府文書を30年たったら公開するなどの一般ルールがありません。
だから密約が行われたり、後生に説明できる外交や政策が行われません。


情報公開法で驚くべき事に、各省庁は重要文書をかなり処分してしまいました。
情報公開法の重要な欠陥は文書保存義務が曖昧なのです。これでは後世に恥じない外交や政治は無理。
おまけ
に内部犯罪や不正の内部告発者への保護措置もしっかりしていません。処分は仕方ないとしても、基準が曖昧なもの
です。


情報公開法が決まる直前に、大量の文書がシュレッダーにかけられたと聞きます。あのビデオは存在そのものは国民
誰もが知っているのに、いつ公開されるか保証のないまま実は宙ぶらりんだったのです。後世に検証される保証もな
い所で漏洩が起きました。守秘義務違反か知る権利かという答えない争点に。


中国の戦略を理解しないと駄目です。中国は資源を買いあさる一方で、再生可能
エネルギーへの投資額も世界一です。中国を遅れた国だと思いたい人は当面安心させられるが、常に裏切られ続けま
す。
中国は国家資本主義の成功モデルとなることで途上国の利害を代弁し、先進国に対抗して自己利害を貫き
ます。


国際エネルギー機関や何と米軍ペンタゴンでさえ化石燃料依存の危険性を表明しています。ちなみにペンタゴン
原発を重視してません。今は世界金融危機というバブル崩壊石油ショック
重なった史上初めての状態。
常識が壊れていく時代なので、下克上を恐れる人たちは常識はこうだと必死に
説教します。


中間選挙で米国政治が麻痺して以降、何とグリーン政策の推進者はペンタゴン
です。米海軍気候変動対策部隊(TFCC)が作成した『Navy's Arctic Roadmap(米海軍の北極ロードマップ)』は興味深い
。経済学者は説明できないが、エネルギー転換を促すのは常に軍隊と戦争
なのです。


そう「未来には予想を超えたイノベーション」が起こりうるんです。再生可能エネルギーや電気自動車の分野でも。
問題は誰が推進するかです。英軍艦が燃料を石炭から重油に変えたのと同じよう
に、米軍が特定国の化石燃料に依存することの怖さやコスト高から再生可能エネルギーへの転換を進めています。


すでにソーラーで飛ぶ飛行機にソーラーで動く船が開発されています。でも環境
に優しい殺戮兵器って何だろうか。CO2を出さない爆撃機、地球環境に優しい戦車、何かとてもオゾマシイ気もします。
原因の究明なしに病気は治らないはずですが、なぜ世界金融危機が起きたかを論じなくていい経済学も…。


郵政法案も労働者派遣法改正も会期切れで飛びそう。菅政権は官僚との「和解」
内閣でしたが、予想通り、官僚主導でマニフェストは葬り去られます。あと予算編成で戸別所得補償と子供手当を潰
せば、マニフェス潰しは完成です。民主党の歴史的敗北が来て、自民党の破綻路線に逆戻りし、日本は死です…。


この間の東アジア共同体から日米基軸への逆ネジもそうだが、地域主権も、年金の一元化後期高齢者医療制度廃止も、
郵政法案も労働者派遣法改正も、ほとんど実現していません。ビデオ流出問題でついに官僚離反が末端まで及んだ…。民主党政権はもたないかもしれませんが、その先にも未来はありません。


G20でも通貨安競争に決着つかず。1985年プラザ合意のように世界中がドル安を容認しないのは、イラク戦争、世界
金融危機を引き起こした米国の責任があるからです。大不況的状況を脱する世界構想が不可欠です。21世紀の経済は、地球環境から食とエネルギーを基盤にした地域分散型になります。


しばらく、ひどい混乱と不安定の時代になるかも。若い人はもっと悲惨になり
ます…。
オバカなナショナリズムはもちろん、既存のマクロ経済学で何とかなるという人々は脳天気にやって
いただくとして、この厳しい現実に真剣に向き合う人々は5〜10年はもつ新しいパラダイムを体系化していかないと


NHKで米国覇権の衰退を無視した間抜けなTPP促進の解説をやってました。
G20が為替切り下げ競争阻止の具体策も、韓国と米国のFTA合意もできず、多くの国が米FRBの量的金融緩和が新興国
バブルをもたらすと非難を集中しているのに…。APECで日本政府が中国の元安を批判せよだって?


米国の覇権は衰退過程に入っています。,例によってメディアはG20での中国と
米国の激しい応酬も詳しく伝えていませんね。
米国内の新聞でも、オバマは海外でも影響力を落としつつある
という評価も出てきています。大きな時代転換期に日本はどのような外交スタンス
をとるべきかが本質的問題なのです。


原発は隠れたコストが高いです。ウラン資源の限界、廃炉のコストなど。
今や表のコストでも風力発電の方が下回りましたね。スマートグリッドからスーパーグリッドになる再生可能エネの
大型プロジェクトも増えてます。それらが立ちあがってから、初めて日本が取り
残されたことに気づく?いつも同じです。


今、日本の電機メーカーがリストラした技術者を、中国メーカー(ハイアアール)
がどんどん雇っている現象を追いかけるNHKの番組をやっていますね。
実際、サムソンがソニーを希望退職した
技術者を大量(500人ほど?)雇われたと聞いたことがあります。サムソン製品はどこかソニーテイストです…。


TPPを、国を開くか開かないかが論点だとするインチキが横行しています。
今は世界金融危機の中で、WTO=国際自由貿易が進まず、各国が自由貿易の論理で市場の囲い込み合戦をしています。TPPは東アジア共同体構想を捨てて米国と一緒に沈没するという選択なのです。
守旧派が農業改革を語る滑稽。


米国が不良債権処理の失敗によって「日本化」が進んでいるという認識がありません。1930年代と同じように自国利益
優先主義が蔓延し、世界金融危機の続く中で、通貨安競争、EPAFTAなどによる市場囲い込み、移民排斥とナショナリ
ズムが起きているのが分からないTPP推進者こそ内向きです。


世界は多極化の不安定な時代が長く続きます。米国経済は日本と同じ長期停滞に
入る可能性が高いと思います。主体性なき外交はもう通用しません。
混乱の中で常識が通用しなくなり、根本的
な転換が起きるには、残念ですが、もっとひどい方向に社会は進むのかも。
若い人がゴールできるように頑張るしか…。


マニフェストは裏切られ、本当に何とかしたいんですが…。メディア調べずに平気
で嘘を煽ります。
例えば米の関税は高いですが、日本の農産物の平均関税率も戸別所得保障も先進諸国中では
非常に低いのに保護されすぎているとか。米国は平均180ha、豪州は3200haなのに規模拡大で競争できるとか


小泉「構造改革」の最中に1990年代に世界一のシェアを誇っていた製品がどんどん
地位低下しているのに、まだ「構造改革」路線で成長できるとか、TPPに乗り遅れると、世界の自由貿易の動きに乗り
遅れるとか、もう嘘だらけで、その嘘を指摘するだけで疲れます。メディアが壊れた国はもう駄目です。


産業政策、農業、環境エネルギー革命、社会保障改革…と積極的提案をしてきて、マニフェストにも一部反映されて
います。が、間違ったステレオタイプな情報を出して何でも単純化したがるメデ
ィアは、私に批判だけをしているとレッテルを貼ってくれ,マニフェストの理念転換を理解しようとしませんね。


私の語学の能力の限界もありますが、イギリスやカナダのメディアは日米よりは
ずっとマシな気がします
。相対的にですが…。それから、calculated riskやnaked capitarismなどのアメリ
のブログも面白いです。ネットが批判的メディアの機能を果たしている例でしょうか。


今日のNHKスペシャルもそうでしたが、中国、韓国の動きものすごいです。
このツイッターで何度か書いてきたように、全世界で資源を買いあさる一方で、
再生可能エネルギーへの投資額も世界一という中国の国家資本主義を甘く見てはいけません。市場任せで戦略なき小泉
構造改革」じゃ勝てないのは当然。

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なんでこんな国に生まれてきたのだか・・・・クラクラします。
善きもの、知恵あるものが、抑え込まれ、力を発揮できないでいます。