人の胸に響く立ち姿・・・小沢一郎・堀潤・小出裕章

もうすでに見た方も多いと思いますが、見てない方のために。
政治家の演説なんて、これまで聞く気にはなれなかった。いまも、なれない。
だって、都合のよいことばかり、美辞麗句の建前ばかり、面白くもなんとも
ない。


それが、小沢一郎のだけは、ずっと聞いてるんですよねー。
聞かせる。


この日の応援演説も、こころを惹きつけます。
それに、雨のなか、傘もささずに、濡れそぼって。亀井さんも。
そうすることが立ち止まって聞いてくれている人々への礼儀だという、その心構えがつたわってくる。
政治家というもののあり方を、立ち姿で見せてくれている。
いいなあ、と思います。






次は、NHKアナウンサー堀潤さんのフライデー記事です。
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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35189?page=3


 2月28日、アメリカ・UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の視聴覚室で、ある自主制作ドキュメンタリー映画の上映会が開催された。集まった数十名の観客は監督・堀潤氏(35)の説明に聞き入っていた。


「テレビではやれないことをやりたかった」


 上映会でそう語った堀氏は、端正な顔立ちで〝NHKきってのイケメンアナ〟として知られた存在。'77年に兵庫県に生まれ、神奈川県立横浜平沼高校立教大学文学部ドイツ文学科を卒業後、'01年にNHKに入局した。『ニュースウオッチ9』のリポーター時代には、報道局が特ダネに対して贈る賞を4年連続で5回も受賞。'10年には32歳の若さで『Bizスポ』の総合司会に抜擢された。女性人気だけでなくアナウンス技術も高く評価され、NHK次代のエースと目されていた。そのままいけば、間違いなく『ニュース7』キャスターなど、NHKアナウンサーとしての〝王道〟を歩んだだろう。転機となったのは、'11年の東日本大震災だった。原発事故後、反原発発言や、NHKの〝誤報道〟への謝罪や批判をtwitterで発信し続けたのだ。


福島県で除染作業に携わっていた60代の男性が亡くなった。男性の死亡原因について国は「除染作業と関係はない」としているが何故関係がないと判断したのか、その根拠も示さなくてはいけない。チェルノブイリ事故でさえ人体への影響について研究が続けられている最中だというのに。情報公開の徹底を!〉('11年12月12日)


〈国や組織に期待してはだめだ。もうだめだ。僕らで動こう。僕らで考えよう。僕らでこの国を変えよう。だって、僕らの国なんだからさ〉('11年12月12日)堀氏の踏み込んだ発言は局内で問題視され、徐々に立場を失っていく。出世街道を捨ててまで、彼を突き動かしたものはなんだったのか。原発の取材をする中、交友するようになった堀氏が、ある時、こう話してくれた。


「ちょうど震災の2週間前、福島の農家の人たちを取材したんです。地銀と協力してブランド力のあるアスパラガスや養殖のマスを売り出そうという取り組みをされていたのですが、事故が起き、農家の方々の生活は完全に破壊されてしまった。それだけ影響力の大きい原発の安全対策があまりに杜撰なことに憤りを覚えたのがきっかけです。局内で僕は〝テロリスト〟のような扱いで、上層部の部屋に何度も呼び出されました。ですが、その度に、耳を塞ぐように聞いていましたね(笑)」


 局内で行き場を失ってしまった堀氏は、『Bizスポ』の終了に伴い、昨年3月から、UCLAに留学した。客員研究員としてデジタルメディアの研究をする傍らで、日米各地で原発の取材をし、ドキュメンタリー映画『変身』の制作に打ち込んできた。その作品の上映会が開催されたのだ。


『変身』は、福島、ペンシルベニア州のスリーマイル、ロサンゼルス郊外のサンタスザーナのメルトダウン事故を追った作品。被災者や原発作業員の内部告発などから構成され、徹底した反原発の視点から語られている。堀氏は上映会でこう力説した。「事故が起きた、忘れた、の繰り返しではなく、将来、世界のどこかで起きるかもしれない事故に備え、過去の事故の経験や知識を共有しなくてはならないという思いから、この映画を作りました」


【以下略】


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農家の人たちの絶望、それを見ても自己保身のために口を閉ざす。
最初は無鉄砲に声をあげたとしても、「テロリスト」みたいに名指され、
左遷冷遇されはじめたら、ふつうの人間は、黙ってしまうものですよ。
それに抗っていくのがどれくらいたいへんなものか。


でも、この優秀なアナウンサーは、さらにみずからを信じて、冷遇されても
新たな仕事をしつづけている。いいなあ。
こういう若い人がいるのは、希望だ。



小出さんについては、もう説明の必要がありません。
今回の仮設仮設の事故現場がなぜそうなっているのか、説明してくれています。報道するラジオ から。




以下は文字起こし。
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http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2851.html





水野:本当ですね。
先ずは作業員の方の証言がいくつもありました。
この、今回配電盤が問題だと言われていますけれども、
他にも「仮設のものだらけ」だという話、
そんな状況でしか、2年も経っているのに無理なんですか?

小出:もちろんです。

水野:それはどうしてですか?

小出:こんな事故が起きるとはだれも思っていなかったのです。
そして、4つの原子炉が同時に溶け落ちてしまうなどというような、
人類が今まで一度も経験したことが無いような、過酷な事態が今進行しています。
それをともかく、何とか収束させなければいけないわけで、
東京電力というか、現場では、いわゆる下請け孫請けの労働者たちが被曝をしながら苦闘をしているのです。
でも、大半な被ばく環境ですので、
すぐに完ぺきな装置を作れるなんて事はないわけで、
思ってもいなかった現場で、思ってもいなかったような事態に、
仮設、仮設で、対処するしかないという、本当に過酷な現場なのです。


水野:ただ、あの、リスナーの方々からもね、
「バックアップの電源を用意するのは難しかったんですか?」
あるいはほかの方も、
「3.11の教訓は“原発は絶対に停電させてはならない”という事だったんじゃないんですか」
とおっしゃる。
実際、バックアップの電源を用意する事さえ出来ないんですか?
2年も経って。


小出:いまの仮設の配電盤があったと、私も東電の発表で聞いた訳ですが、
その仮説の配電盤もトラックの荷台に載せてようやく現場に運び込んだものなのです。
その現場というのは、1時間当たり300マイクロシーベルトという、


水野:
300マイクロシーベルト、1時間当たり。
それって、どういう値なんですか?


小出:えー、今私がいるこの家、私の自宅ですけれども、
1時間当たり0.05マイクロシーベルトぐらいです。
それが0.6マイクロシーベルト、つまり約一桁上がってしまうと、
もう放射線の管理区域にしなければいけません。


水野:普通の人は入っちゃいけません。


小出:はい。普通の方は入れないような場所になってしまう訳です。
そして私が働いている京都大学原子炉実験所には、もちろん放射線管理区域がありますが、その中でも特に被ばくが激しいという場所ももちろんあるのですが、1時間当たり20マイクロシーベルトという、空間ガンマ線量率を超えてしまうような場所は、「高線量区域」として、特別に規制されるというのが私の職場です。
いま、20と私は数字を聞いていただいた訳ですけれども、
それが300なのです。


水野:300!


小出:はい。
もう到底、労働者ですら「普通ならば行かれない」という現場に配電盤があるわけですし、
そこでトラブルが起きたからといって、簡単に見に行くこともできませんし、
修理することもできないし、
ましてや「もっともっとバックアップを作っておけよ」というような事をもちろん私も思いますけれど、
できないのです、そんなことは。


平野:今回たこ足配線ですぐに、なかなか原因が分からなかったですよね。
これはこういうやり方しか出来ないんですかね?


小出:本当はもちろん出来るわけだし、ちゃんとやらなければいけない事なのです。
ただ、あまりにも過酷な事故が今現在も進行しているのです。
みなさんなんかもう2年経って事故が収束して、
ゆっくり落ち着いて様々な機器が設置できると思われているのだとすれば、
全く違います。


水野:全く違うんですね、はぁーっ!
仮設以外のものを備えようなんていうことすらが出来ないぐらいの高い放射線量。
今回ね、結局大気への放射性物質の放出というのが無かったので、
その意味では、なんか通り過ぎてしまった一つの出来事のように捉えている人もいるのかも知れませんけれども
これ、もしも最悪の事態に繋がっていたとしたならば、
どんな事が起こり得る出来事だったんですか?


小出:使用済み燃料プールの冷却が出来なくなったのですね。
その事自身は私は大変深刻な事だと思っていますが、
ただし事故からすでに2年以上経っている現在、
使用済み燃料プールの底に眠っている使用済み燃料が出している熱、
私たちが崩壊熱と呼んでいる熱は、かなり減ってくれています、ありがたい事に。
そのため、仮に冷却が停止しても使用済み燃料プールの水が干上がってしまうとか、そういう状況になるまでにはかなりの余裕があるという事は、私は本当だと思っていますし、


水野:4号機場合で4日少しと言われていますね。


小出:それも、ま、65度を超すというところで


水野:65度を超すという事ですよね。


小出:もちろんそれも、そんなことはいけないことですよね、
65度なんて、人が入ったら火傷して死んでしまうという位の熱湯ですよ。
そんな温度にプール全体がなってしまうという事ですから大変な事なのですけれども、でもその水が100度になって、沸騰していってプールの水がどんどん失われていく。
2011年3月11日には、まさにそういう状況で危機的で自衛隊がヘリコプターから水を撒いたり、
東京消防庁が水を放水車で入れたり、とにかく水を入れようとしたという、
あの時から比べれば、随分崩壊熱自身は減ってくれていますので、
今現在で言えばかなり、今回の事故に関しても私はまだ余裕があったと思いますので、皆さん大変ご心配になったとは思いますけれども、
今回の事だけで言えば、…まだ良かったと思います。
ただ、いついかなる時でもこのように乗り切れるという事にはなりませんので、バックアップも含めて、きちっとやはりやらなければいけないと思います。ただし、それは全て被ばくを伴う作業の上にしか成り立ちません。


水野:それはロボットで代わりをするなんていう事は、

小出:先ずは出来ないと思って下さい。
ロボットというのは、教えた事、決まった事をやる事は出来ますけれども、
わからない事に一つ一つ対処するという事は、いまのロボット技術にはありませんので、基本的には人間がやると思わなければいけません。


水野:
そうしますとね、今回冷却装置が停止したところの部分だけでも
8800本以上の核燃料が保管されていると


小出:そうです


水野:聞きました。
それがですね、あれもこれも仮設の、仮の、そんな中に8800本眠っている訳ですよね。


小出:はい


水野:
で、今回、ほんまにネズミやったとしてですよ、
「ネズミ一匹でこれがエライ事になるやもしれぬ」という不安を抱きますが、いかがですか?


小出:仕方がないのです。
それほど厳しい状況が今もあるし、
2011年の12月には野田さんが「事故収束宣言」などというものを出しましたけど、事故はもう全く収束していないのです。
ただただ、水をかけて冷やすしかないということで2年も続いている訳ですし、いつ崩れ落ちるかもしれない4号機の使用済み燃料プールもいまだに手を付ける事が出来ない。
今年の末になって、ようやく何とか「プールの底から使用済みの燃料を吊り出せるかな」という作業が、
“今”続いているのです。
きちっと情報を出すことすらできない


平野:先生、今回東電のですね、情報の隠ぺいぶりというか、
告知の遅れというものが全く体質が変わってないなという印象を受けたんですけれども、今回のこの事故直後に、規制委員会にはすぐ報告をしておきながら、メディアとかですね、
県の方にも1時間遅れということで、こういうものはやっぱりすぐに言うべき話で、規制委員会も「発表しなさい」と言って指導するべき話じゃないんですか?


小出:はい、おっしゃる通りです。
マスコミ、いわゆるジャーナリズムの現場にいられる方々にしっかりと認識してほしいし、「東京電力の発表を待っている」というような事ではなくて、
積極的になにか情報を得るような仕組みというものをつくらなければいけないと思います。


水野:先ほどの上田アナウンサーのリポートの中でね、地元の方々が、
「4日間まだ余裕があるとはいえ、避難しなきゃならんとなったら時間がかかるじゃないか」と、おっしゃっておりました。
小出さん、今回国はですね、菅官房長官は「ある意味で全く心配ない」と、
19日午前の記者会見で述べていたんですけれども、国の、その、やるべきことというのはこのような事態ではどうであったと思っておられますか?


小出:間抜けた人達ですね。
ま、事故当時も、2011年3月11日当時もそうでした。
確かに今回の停電に限って言えば、「まだ余裕があった」という事は本当だと私も思います。
しかし、思わない事がやはり今回も起きているわけですし、
危機感というものを持って対応しなければいけないし、
情報を少しでも早く住民に知らせなければいけないわけですけれども、
2011年3月11日もそれに失敗しました。
きちっと情報を出すこともできない。
なにが起きているかを整理して考える力すらがないという日本の政府だったのです。
いまだにそれが続いている訳ですし、自分たちのやった事、いまのあり方というものを、もっともっと、本当反省しなければいけないと思います。


水野:これ、今回の東京電力の説明を小出さんはどう見てらっしゃるんですか?
本当にこれはネズミのような小動物のせいであり、電気系統だけの問題なんでしょうか?


小出:今回の停電に関しては、私は東京電力の説明に合理性があると思います。ただ、逆に言うなら、ネズミ一匹によって、これほどの事が起こってしまう。それを防ぐ事が出来なかったという、それほど厳しい現場なんだという事を改めて教えてくれたという事だと思います。


水野:こうした同じような事を防ぐ事って、出来るんですか?
何をすれば出来るんですか?


小出:もちろん電源を二重化しておけば今回だって防げた訳ですし、
トラックの上に載せた配電盤、いわゆる仮設の配電盤でずーっとしのいできたわけですけれども、そうではなくて、ちゃんとした配電盤を、
もっとましな場所につくっておくという事をやれば良かったと思います。
でも、出来ないのです。


水野:はぁー…


小出:「それほど厳しい現場が今ある」という事を皆さんに分かって欲しいと思います。


平野:そういう意味でも政府の言う「廃炉に向けた工程に支障はない」というのは、「全くその通りではない」と疑ってみなきゃダメですね。


小出:もちろんです。
廃炉なんか政府が言っているようには到底できません。


平野:30年、40年なんて…もうそんな数字じゃないんでしょ?これも。


小出:もちろんありませんし、30年、40年経って、
本当に万が一上手く、使用済み燃料をどこかに、少しでもましなところに移せた。
溶け落ちた炉心をなんか、少しでも片付ける事が出来たとしても、まだ事故はずーっと続くのです。
何十年も放射能の拡散を防ぐために苦闘をしなければいけないという、
それほど厳しい状況です。


水野:リスナーの方も
「これから何十年、何百年と続く収束作業を考えてみるだけで気が重くなってしまいます」と下さいました。
あの…今回起こったような事は、福島第一原発だけですか?
全国にある他では無いんですか?


小出:もちろんあり得るわけですね。
日本の政府、もちろん自民党がずっとやってきた日本の政府があって、
その政府が「日本の原子力発電所だけは絶対に安全です」
「安全性を確認したから動かしていいです」と言って
日本中に50何基もの原子力発電所をつくってきてしまいました。
しかし、実際には福島第一原子力発電所で事故が起きてしまったのです。
だからどんなに政府が安全のお墨付きを与えたとしても、
事故というのはお墨付きをすり抜けて起こるという事を今回の事故が教えてくれている訳ですから、問題はもちろん福島第一原子力発電所だけではありません。
世界の地震の1割2割が日本で起きるというほどの地震国なのですから、
こんなところに原子力をつくってしまった、抱えているという事を
もっとみなさん深刻に受け止めるべきだと私は思います。


水野:どうもありがとうございました。

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う〜ん。
「あまりにも過酷な事故がいま進行している」・・・・
配電盤もトラックに乗せてようやく設置することができた、、、
ロボットなんて期待できない・・・
これからすっーーーと、この原発事故とつきあっていかなくちゃいけない・・・


絶句するばかりです。