希望は組織された市民団体・・・by ノーマ・チョムスキー

NHK経営委員の百田の発言が、また物議をかもしています。


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http://blogs.yahoo.co.jp/yuuta24mikiko/34738937.html


百田尚樹氏「護憲植え付けたのは朝日」 憲法フォーラムで批判
 作家でNHK経営委員の百田尚樹氏が5月3日、憲法改正を目指す「『21世紀の日本と憲法有識者懇談会」が都内で開いたフォーラムに出席し、改憲に慎重な朝日新聞を批判した。MSN産経ニュースが伝えた。

憲法は神聖にして侵してはいけない』という考えを植え付けたのは朝日新聞だ。憲法とは世界の状況や生活様式の変化によって変えていくものだ」と述べた。

(MSN産経ニュース憲法フォーラム出席の百田尚樹氏 「護憲植え付けたのは朝日」「NHKにややこしいのがいる」』より 2014/05/03 20:52)
百田氏はまた、歴史認識をめぐる発言を理由にケネディ駐日米大使がNHKの取材を拒否したと共同通信が報じたことに対し「大嘘だ。NHKの中にややこしいのがいる。そういうのが共同の記者に語ったらしい」と語ったという。

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何言ってるんでしょうかね。
誰かがツィートしていたけど、「不磨の大典」「天皇神聖にして侵すべからず」という言葉は、戦前流布した言葉として
よく聞くけど、「憲法は神聖にして侵してはいけない」なんてw



こういう馬鹿げた発言ばかりが横行してうんざりする日常ですが、今日は、少し力が出るノーマ・チョムスキーのインタビューを
聞きました。
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http://ourplanet-tv.org/?q=node/1739

ノーム・チョムスキー〜ふくしまの声を聴く



さらに、「残念ながら、似たようなことが世界で起きている。国家というものは、必ず市民にウソをつき、自分たちを守ろうとする。これを克服できるのは市民の力しかない。よい規模の大きな組織化をはかり、世界の大規模な組織とつながることだ」と勇気づけた。


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十五分間ほどの動画がついています。
この動画がとても説得力がありました。
政府、国家、企業、そういうものは、結託して嘘を言うものだ、それらにとっては市民が敵であると、世界中の例を引き合いに出して
語ります。
まず、その現実を当然のこととして認知しなければならないことを、チョムスキーの発言のたたずまいは教えてくれる。
そして、一人では何もできない。
組織された市民団体が動き、政府、企業を動かしていかなければならないと。


当然のことですけど、動画で見ると、覚悟のすわり方が違うということがよくわかる。説得力があるのです。
嘆いたり、怒ったり、ではなく、静かにせまる力というものが感じられます。


東京新聞こちら特報部が、この会見を記事にしています。
これは三月二十四日の記事だったんですね。
すでに、ご覧になったかたも多いのでしょう。
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http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/7575490.html

◆政府は常にウソで言い含める


「無防備な子どもたちが、放射線の危険にさらされている。恐ろしいことだ」。4日に東京都内のホテルで福島の親子らと面会したチョムスキー氏は嘆いた。

チョムスキー氏と会ったのは、福島市に住む武藤恵さん(40)と小学3年生の長女玲未(りみ)ちゃん(9つ)の母子、福島県郡山市から静岡県富士宮市自主避難した長谷川克己さん(47)の3人。長谷川さんは妻、小学2年生の長男(8つ)、長女(2つ)の4人暮らしだ。



チョムスキー氏は、両手をテーブルの上で組んだり、沈思するように右手をあごに当てたりしながら、静かに親子らの会話に耳を傾けた。話の合間に「ほかの親はどんな対応をしているのでしょうか」 「放射線の被害に理解のある医師からケアを受ける機会はあるのでしょうか」問い掛けた。

「子どもらがどんなに不安でも、政府というのは心配するなとウソで言い含めようとするものなのです」。米国とソ連の緊張が核戦争の寸前まで高まった1962年のキューバ危機のころのことをとつとつと語った。「私の娘の友達の中には、戦争になれば生き残れないと不安そうな子もいた。米政府は『米ソの緊張関係は危なくない』と宣伝した。私の娘は学校の先生から『核戦争が起きても机の下に隠れれば大丈夫』と言われたんですよ」



◆最も弱い子どもらがどう扱われるかで 社会の健全さ問われる


緊張した面持ちでチョムスキー氏の顔を黙って見つめていた玲未ちゃんは、周囲に促されて「武藤玲未です」と自己紹介。チョムスキー氏も、この時ばかりは柔和な表情を見せ、「日本に50年ぐらい前にも来たことがある。私の娘がちょうどお嬢ちゃんと同じくらいだった」と懐かしがった。


チョムスキー氏は、ベトナム反戦運動に関わって以来、外交や大企業優遇の政策で米政府がろうするウソや秘密のやり口を徹底的に批判してきた。

米中枢同時テロの後、米国のアフガニスタン侵攻やイラク戦争について強い反対意見を表明。最近では、米国内の貧困問題でも積極的に発言している。

福島第一原発事故の後、2011年9月に東京都内で開かれた脱原発集会の際、支持を表明する連帯メッセージを寄せた。福島の親子らと面会したのは、福島の子どもたちの「集団疎開裁判」を支援してきた縁からだ。

12年1月、「最も弱い立場の子どもらがどう扱われるかで社会の健全さが測られる。私たち世界の人々にとって裁判は失敗が許されない試練だ」と集団疎開裁判を支持するメッセージを寄せている。上智大での講演を機に来日したチョムスキー氏が、「ぜひ、親子と会いたい」と会談を要望し、実現した。



集団疎開裁判では、郡山市に住む児童と生徒14人が、空間線量が年間1ミリシーベルト未満の地域に疎開して教育を受ける措置を市に求め、仮処分を申し立てた。

司法の判断はつれなかった。福島地裁郡山支部は11年12月、申し立てを却下。仙台高裁は13年4月「福島原発周辺の児童・生徒の健康に由々しい事態の進行が懸念される」としながらも抗告を却下した。

福島の親子らは4月にも、約10人の子どもを原告として、地元の自治体を相手に集団疎開を求める行政訴訟を起こす予定だ。



チョムスキー氏は、親子らに「政府に対する外圧を上手に使うことだ」とアドバイスした。「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)などの権威のある国際的な団体と健康被害の調査について連携し放射線の被害を広く訴えることもできる。日本政府に被害を隠すことは恥ずかしいと思い知らせられればよい」

「日本は広島、長崎の原爆を経験し、放射線の怖さを知っているはず。それなのに、政府が被災者の不安に寄り添わないとは。言葉にならない」と日本政府の対応を厳しく批判した。

チョムスキー氏は、「こちら特報部」のインタビューに、安倍政権についての懸念も表明した。「日本の超国家主義者は平和憲法を無くそうとしている。安倍晋三首相らが靖国神社に参拝し、従軍慰安婦を否定しようとするのは、日本を帝国の時代に戻そうという狙いがあるのではないか。ヒトラーが権力を掌握していく過程を思い起こさせる」

集団的自衛権の行使容認についても「集団的自衛権と言えば聞こえは良いが、実態は戦略戦争だ。米政府も戦争を国防と言い換えるが、それに似ている。だまされてはならない」と指摘。自民党石破茂幹事長が特定秘密保護法の抗議活動に対し、「テロ行為と本質は変わらない」と言い放ったことに触れ、「政府は市民の反発を恐れている。テロリストというのは、権力側が反対する市民にレッテルを貼っているだけだ。強制や弾圧を正当化する言い訳にすぎない」と話した。


「政府の過ちをただせるのは市民だけだ。困難だろうが、福島や日本全体で、政府が無視できない運動をつくり出してほしい。地域の市民のつながりを強化してほしい。それこそが状況を改善していく道だ



<デスクメモ>
青いセーターにジーンズ姿。「現代最高の知性」は、ラフな格好で被災者の前に現れた。好々爺(や)のような表情で話を聞いていたが、いったん口を開くと、舌鋒(ぜっぽう)鋭い。人間の尊厳を守るための闘いで、市民と言論の力が重要だという固い信念を感じたという。声を上げ続けなければならない。(国)


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日本人の特徴か、新聞記事の特徴か、すぐに「嘆いた」などと情緒的表現をするけれども、動画を見るとそういうものでは
ないことがわかります。動画に出てくる最後の詩の朗読も、情緒べたべたでした。気持ちはわかるけれども。
そういうものによりかかっていては、こういう抵抗は長続きしないだろうということを、チョムスキーのたたずまいは教えて
くれる。
いわく言いがたいものを蓄えた人間の力というものを伝えるのは、さすがに映像ですね。



もう一つ、「政府は必ず嘘をつく」という著書を出した堤未香さんのインタビュー記事を紹介したい。
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http://george743.blog39.fc2.com/blog-entry-1919.html

貧困大国アメリカのようにならないために政治をあきらめてはならない
『政府は必ず嘘をつく─アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること』堤未果インタビュー
2012-04-18 web DICE
http://www.webdice.jp/dice/detail/3485/



ジャーナリスト・堤未果氏が2月に上梓した『政府は必ず嘘をつく─アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること』は、彼女がこれまでに発表してきた『ルポ 貧困大国アメリカ II』などでも評価を受けた非凡な洞察力により、一見バラバラに位置すると思われる911、311、TPPを貫く問題を明らかにしている。その基盤にあるのは『アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること』というサブタイトルにもあるように、アメリカの貧困化を目の当たりしてきたことがあるという。示唆に富んだ言葉には、日本が変わるためには、これからどのように社会と政治を見ていくべきなのかというヒントが隠されている。


日本の国民は日常の中で政治を意識しているか


── 『政府は必ず嘘をつく』というタイトルですが、誰のために嘘をつく、というタイトルですか。例えば犯罪を犯した犯人が嘘をつく、ということは自己弁護ですが、堤さんはどのような意味を込めているのですか。


これは敬愛する歴史学者ハワード・ジン教授の言葉です。「政府は嘘をつくものです。ですから歴史は、偽りを理解し、政府が言うことを鵜呑みにせず判断する為にあるのです」という言葉は、911後のアメリカと311後の日本両国にとって、とても多くの示唆を含んでいると思います。

「政府」というものは一度選挙で選んだら、あとは公約通り国民の利害のためにぜんぶやってくれるから、おまかせでOKです、ということは絶対ありえませんよね。本当は政府は「期待」するものではなく「監視」する存在。そこを誤解して有権者が政治から目を離したすきに政府があっという間におかしな方向に暴走したのが911後のアメリカでした。そして311後の日本も、今それと同じ方向に行き始めている。




── アメリカが10年間やってきたことはこの副題にあるように、私たちがその10年間を見て、学ばなければということですね?


出来るだけ早く、出来るだけ多くの人に見てもらいたいと思いますね。手遅れになる前に。
特にこの10年間アメリカが貧困になっている最大の理由は、911で「ショック・ドクトリン」が使われたからです。
ショックドクトリンとは、この本にも書きましたが、ショックな事件があって国民の目が政治からそれた時に急激な規制緩和を行う手法の事です。

アメリカは80年代から進めていた規制緩和政策を911で一気に加速させました。


── それは先ほどからの話の流れでいうと、アメリカの大企業の有利なように規制緩和を一気に推し進めていって、アメリカはまず国内でこの10年、彼らが大手を振ってなんでもできるようにしたということと理解していいんですね。


そういうことです。特に政府が今までぜったいに市場として手を付けなかったエリア、例えば教育、底辺の為の医療保障、福祉、軍、自治体……次々に公を解体し市場化していった。

その結果中流が消滅しました。貧困率が1959年以来最悪になる一方、1%の層は収入が増えている。第三国並みの二極化です。



以下略


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野田が首相のころの古い記事なんですが、内容がいよいよ真実みを帯びて、真にせまる。



さらにもう一つ、こんな元気の出る記事もありました。
この城南信金の方針は、以前から報じられていましたが、いよいよ、お金を預けに行きたいとさえ
思われました。どこか近いところに店舗はないかしらん。
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA3H06620140418?pageNumber=3&virtualBrandChannel=0

インタビュー:原発は国家ぐるみの粉飾決算=吉原・城南信金理事長
2014年 04月 18日 18:30 JST


[東京 18日 ロイター] -脱原発路線を強力に主張する異色の地域金融機関トップとして知られる城南信用金庫(本店・品川)の吉原毅理事長が、ロイターのインタビューに応じ、原発コストが安いというのは将来負担を無視した国家ぐるみの粉飾決算に近いとの見解を示した。

また、新エネルギーの開発が新しい経済の活力を生み出すとの持論を展開した。


東京・神奈川を地盤に信金業界2番手の総資産3兆6000億円を持つ同信金は、地銀中位行に匹敵する規模を誇る。そのトップとして、金融業とエネルギーの政策のかかわりあいに関し、どのような本音を持っているのか聞いた。

―金融機関のトップが、政治的発言をするのが極めてまれだ。


「金融は、政治にかかわるべきではなないという意見がある。それは本来、権力にかかわることで金融が求めるべき理想がねじ曲げられ、利用されてしまう懸念が生じるために生まれた考えだ」

「しかし、金融に限らず企業の目標は、より良い国や社会を構築することだ。すべての企業は、理想の実現のためにある。経営者は、金儲けだけ考えればいいというのはおかしいのではないか」



―国論を二分する1つの側に付くことで、顧客からの不評を買わないか。


消費者のニーズに応えることが企業、つまり消費者主権という考えは間違えていないか。例えば当社は、投機のためのゴルフ会員権購入のための融資はお断りする。そういう資金使途には貸せない。健全性とは何かを考え、顧客にも説明していく。それが金融マンの役割だ」
「福島第1原子力発電所の事故で分かったことは、将来の世代に責任を持てないエネルギーということだ。もはや原発は反社会的存在だ。原発を造る金を貸せと言われたら、お断りする」



―電力債は、金融機関の運用手段としても重要だ。


「東電の株式と社債は、事故後に売却した。金融機関は公共的な存在だ。東電の株式や社債に投資をするわけにはいかない」



―経済界の中には、コストの安い原発を稼働しないと、日本経済が立ち行かないという意見が多い。


原発のコストの方が低いという人で、いやしくもビジネスマンや経済に携わる者ならば、会計の原則ぐらい勉強していただきたい。コスト計算には、直接原価と間接原価があり、そこで総合原価計算が行われる。原発は、今あるウランを使うだけならば直接原価は低い」
「では、その結果の間接原価はどうなのか。将来の廃炉費用や、使用済み核燃料の保管料や処理費用、工事費や人件費、地代がカウントされているのか。カウントされていない。われわれは今、時価会計で、将来に発生するキャッシュフローをすべて現在価値化し、負債計上している。原発にはそれが入っていない」


「1回事故が発生したら、天文学的なコストがかかる。貸し倒れ引当金の積み立ての考え方を入れれば、とんでもない引き当てを積まなければならない。これは、不採算というのではないか。国家ぐるみの壮大な粉飾決算だ」



――原発の再稼働ができなければ、値上げしなければならない。顧客の中小企業にとっても、それは経営上の困難になるのではないか。


「まず、原発の将来に発生する未計上のコストをちゃんと計上しなければならない。その上で、原発を再稼働させたら、もっと値上げをしなければならない」

「新しい電力産業が勃興してくれば、新産業としてモノづくりの復活にもつながる。例えば、石炭ガス化コンバインド発電やソーラーパネル、さまざまサービスも増える。工事やモノづくりに携わるわれわれの顧客たちにも恩恵がある。原発の再稼働では、新産業は生まれない」



――経常赤字を懸念する指摘もある。


「燃料の輸入によって、貿易収支が悪化し、経常収支が赤字に陥るのは日本経済にとってマイナスだという指摘は、本当に正しいのか。経常収支が赤字でも成長している国はたくさんある。日本は、黒字を溜め込み、結果的に円高になり、デフレから抜け出せなかった。輸出入のインバランスは、為替で調整される」



――大手銀行は、福島第1原発の事故後に、東電に対して巨額融資を行った。どのように評価する。


第2の住専問題だという気がする。当時も、政府が保証するからとみんなが貸して、最後は損失となった。1980年代のバブル時も金融機関は公共性という考えを放棄し、その後、大きなツケを払わさられることになった。金融機関は、引き返す勇気を持つ必要があると思う」




――大手行は公共性を考えて貸しているのではないか。

それは、公共性を勘違いしている。東京電力を生かすことが公共性ではない。安全でコストの安い電力サービスを継続的に安定的に保証することが公共性なのではないか。もっと見識を持たなければならない」

(インタビュアー:布施太郎 浦中大我)

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いやあ、筋が通ってますねー。
ほんとにお金を預けに行きたくなりました。