ジャーナリズムが権力の幇間になるとき

聞く耳もたぬ安倍首相
安倍首相vs村尾キャスター ニュースZERO 『アベノミクスは限界か?』の問いかけにイヤホン外しフル無視対応 選挙2014


あっというまに、1,300,000ビューを超えてます。さらにビュー数貢献のために、ここにも貼付け。


安倍「村尾さんのように批判ばかりしていては・・・」
村尾「わたしは批判していません」


村尾キャスターは、いちおうキャスターとして質問しているだけなのに、いやな話題をふられると「批判」という安倍首相。
もちろん、ジャーナリズムは権力の行使者に問題があれば、きちんと批判するのが仕事です。




ところで、幇間芸というものがあります。いまはもう残ってないのかも知れませんが、お座敷でのとりもち役。
これにも芸があって、以前最後の幇間と言われる人の書いた本を読んだことがあります。


そういう身を張った幇間芸ならいいんですが、あまりにも卑屈な、権力の飼い犬のようになってしまった
ことを、全国紙・テレビの編集委員解説委員らが自ら告白しました。


・・・・・・・・・・・・・
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-18/2014121803_01_1.html
「読売」「朝日」「毎日」「日経」・NHK・日テレ・時事

開票2日後 編集委員ら首相と会食



総選挙の開票からわずか2日後の16日夜、黒塀と2本の柳が印象的な東京都港区西新橋のすし店に安倍晋三首相と「読売」「朝日」「毎日」「日経」、NHK、日本テレビ時事通信編集委員・解説委員らが集まって会食しました。

 雨上がりの夜、寒風吹きすさぶなか、SP(要人警護の警察官)が店の周りで午後6時59分から午後9時21分まで目を光らせました。店は、報道関係者が事務所を構えるプレスセンター(千代田区内幸町)からほど近い場所にあります。

 午後9時20分に店を出てきた安倍首相は“満腹”だったのか、上体をやや後ろにそらせながら大手を振って公用車に乗り込みました。首相との会食を終えて、おみやげを持って出てきたマスメディア関係者の多くは足早にタクシーへ。

 テレビ番組のゲストでおなじみの田崎史郎時事通信解説委員が最後に出てきて、店外で待っていた記者8人に簡単なブリーフィング。「あらかじめ座る席が決まっていた」などと説明。「完オフ」(完全なオフレコ)が条件の会食とされ、何が話し合われたかは語りませんでした。

・・・・・・・・・・・・・・


選挙前の、全紙同じ見出し「自民300議席」報道と思い合わせれば、これは慰労会だったんですね。
twitterでは、この面々の顔写真つきでアップされてます。


今度の選挙ほど、露骨にメディア操作がなされたことはなかったと感じます。
安倍首相はどんどん露骨にメディアに手をつっこんできている。そして、それに対する抵抗がない。


・・・・・・・・・・・・・・
http://sun.ap.teacup.com/souun/16132.html
「新聞や放送局が、特権の享受と引き換えに政府の思惑に迎合すれば、権力腐敗の構図が成立する:山崎 雅弘氏」  その他
https://twitter.com/mas__yamazaki



衆院選:選挙放送が4割減 「公平」要望が影響も(毎日)http://bit.ly/1w4vPUw

「ある民放の担当者は『今回の選挙は視聴者の関心が薄いと考えた。しかも政党からの要望を考えると、内容が問題になる恐れもあり、あえて選挙を取り上げる、という判断はできなかった』と明かす」

衆院選投票率が戦後最低」というのは、歴史的に重大な意味を持ち、原因や背景の分析は欠かせないはずだが、大手紙も在京テレビも、全然その問題に取り組む様子がない。

まるで腫れ物のような扱いで「与党の要請文書によってテレビの選挙報道が減った事実」に、申し訳程度の論評を添えて報じるだけ。

公示から投票日までの選挙報道がいかに「無気力だったか」は、関連ツイートのまとめ(http://bit.ly/1yBeF83 )を見ても明白だと思うが、当のメディア側に「投票率の低さと自分たちの報道姿勢が関連しているかも」「自分にも責任の一端があるかも」という当事者意識が全然無い。



与党の要望に従い「寝た子を起こさない」選挙報道を徹底し、思惑通りの結果が出たら各企業の幹部たちは首相と鮨屋で祝杯を上げる。

読売、朝日、毎日、日経、NHK、日本テレビ時事通信の社員は、世界史的な基準で評価するなら、自分の会社が「権力の腐敗に加担している」という自覚があるだろうか。

・・・・・・・・・・・・




そして、選挙が終わったとたん、安倍はさっそく憲法「改正」を言いました。
それから、武器の輸出。記事は、上記の続き。

・・・・・・・・・・・・・
防衛省が、武器を輸出する日本企業向けの資金援助制度の創設を検討している(東京)http://bit.ly/1wOBAd1

「国の資金で設立した特殊法人などを通して、低利で融資できるようにする。また輸出した武器を相手国が使いこなせるよう訓練や修繕・管理を支援する制度なども整える」

衆院選の期間中は武器輸出の「ぶ」の字も言わず、大勝ちした途端に「武器を売れ」と号令するとは、いかにも安倍首相らしい姑息なやり方ではないか(日刊ゲンダイhttp://bit.ly/1sIMK4I

鎌倉孝夫埼玉大名誉教授アベノミクスの成長戦略には兵器の輸出が組み込まれている」

> 古賀茂明 武器輸出を解禁したばかりの安倍政権。今度は、武器輸出に税金投入だ。病院や学校を作る代わりに途上国に経済協力で武器購入資金を供与する議論もある。戦争なしでは生きていけない国へ。本日19日報道ステーションでコメントします。 http://t.co/ytDOhStbAR
・・・・・・・・・・・・・・



さらに、介護報酬の減額。記事は、上記のつづき。
・・・・・・・・・・・・・
> 選挙前に言えよ。 ほんと汚いな。 介護報酬、9年ぶり減額へ 政府方針、費用抑制狙い - Y!ニュース http://t.co/FyRHgYYdfl
・・・・・・・・・・・・・・



とにかく庶民いじめが徹底している。
さらに、小渕議員の政治資金問題、十月時点でわかっていたことを選挙が終わるまでふせていた。記事は上記のつづき。
・・・・・・・・・・・・・
小渕優子経産相の違反事件で、東京地検特捜部が十月に群馬県内の関係先を家宅捜索した際、ハードディスクが破壊されたパソコンが見つかっていた(東京)http://bit.ly/1sNmnKR

小渕議員は衆院選の候補者だったが、十月に判明した事実は有権者が投票を終えるまで伏せられた。
・・・・・・・・・・・・・・



これについては、きっこさんのツィート。
・・・・・・・・・・・
きっこ @kikko_no_blog · 12月14日
小沢一郎はちゃんと政治資金報告書に記載していたのに日付けがズレていたというだけで2年間も執拗に捜査されて政治活動を制限された。小渕優子は億単位の金額を政治資金報告書に記載せずに有権者にバラ撒いていたことが発覚しているのに、なぜ平然と選挙に出馬して平然と当選できるのか理解できない。
・・・・・・・・・・・・



小渕優子に限らず、「政治とカネ」を言うならあちこちに見逃しが転がっている。それなのになぜ小沢一郎だけが問題ないような事を
つかまえてあそこまでやられたか。そこに動いていた意図。そういうことをわたしたちは「読む」必要があるのに、「小沢一郎」と言った
とたんに顔をしかめてしまう人々。自分になにか不都合されたわけでもないのに。
もっとメディア報道を「読む」必要があります。


さて、上記の記事は、最後にこう記しています。
・・・・・・・・・・
北欧、西欧、北米などの民主主義が発達した国では、大手メディアのトップや論説委員が政府トップと頻繁に会食し、何を話したかを国民に説明しないという事例は見られない。

一方、軍部独裁や開発独裁など民主主義が発達していない発展途上国では、政府トップと新聞や放送局が癒着する腐敗は珍しくない。



今の日本社会を見渡すと、大手メディア業界をはじめ、様々な分野でこの言葉(赤信号、みんなで渡ればこわくない)にピッタリ一致する状況が生まれていると思う。

言っていいことと悪いこと、やっていいことといけないことの境界が、すぐ身近にいる同業者や同質の集団内の仲間など「みんな」の動向によって波のように変動している。

個人としての価値判断を放棄し、民主主義が発達した国なら「ルール違反」とされることでも、周りがそれをしていれば自分もそうする。

20年ほど前の新聞やテレビなら、政府から選挙前に恫喝的な文書を送りつけられれば、わざと相手の意向に逆らうような番組や記事を作ろうとする「気骨のある報道人」がいたように思う。

会社の看板は同じでも、昔と今とでは幹部の意識も記者の意識も、昔とはだいぶ違っているように見える。

反抗しない。
・・・・・・・・・・・・・



今の日本は、民主主義の発展途上国ならぬ下落国です。