恥ずかしいアベ、しかし・・・ニヒリズムに陥るな

国連での演説で、会場ガラガラだったという写真つきのツィートが回ってきましたが、それが恥ずかしい
のではなく、記者会見でぼろっと出たこの言葉。タイムラインでヒンシュクかってましたが、ひどいもん
です。ロイターの記事から。
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http://mobile.reuters.com/article/worldNews/idUSKCN0RT2WK20150929?il=0


Tue Sep 29, 2015 | 7:01 PM EDT
Abe says Japan must solve its own problems before accepting any Syria refugees


NEW YORK (Reuters) - Japanese Prime Minister Shinzo Abe said on Tuesday that Japan needed to improve conditions for its own people, including women and the elderly, before accepting any refugees from Syria.


Asked at a news conference after announcing at the U.N. General Assembly that Japan would provide $1.56 billion of assistance for those affected by conflict in Syria and Iraq whether Japan would join other countries in accepting refugees, Abe replied: "It is an issue of demography. I would say that before accepting immigrants or refugees, we need to have more activities by women, elderly people and we must raise our birth rate. There are many things that we should do before accepting immigrants."
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完全に記者に嘲弄されてるでしょ。
この短い記事のなかに、三回書かれています。
シリア難民を受け入れるまえに、女性問題とか高齢者問題をふくめた自国の問題を解決する
必要があると、アベは言ったって。
他のマスコミがとりあげないなか、報道ステーションがとりあげて、コメンテーター
が、難民を受け入れたくない本音を・・・なんて言ったらしいけど、
なんで、次元の違うものをもってきて理由づけする???
アホトチガウカ。


あれだけ強引な国会運営をして日米同盟を強化したはずが、そんなものアメリカにとってみたら蚊が
とまったほどの問題でもないことを、現地にいる中田安彦さんが報じています。
日本が勝手に崩壊している図。
ああ、情けない。
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http://www.snsi.jp/tops/kouhou
「1557」 安倍晋三は国民がどれだけ「鈍感」かを試して喜んでいる。気付いている敏感な国民とそうではない国民に二極化している。2015年9月25日
 

ワシントンから日本を見ると、この大きな島国からみて、やはり日本は米太平洋艦隊の寄港地に過ぎないということを実感させられます。ものを見ていく視点の置き場所が違ってくると自然に見えてくるものがあるとわかりました。私は今、ワシントンの中心部から少し外れた「やや田舎」とも言える地区にあるジョージタウン大学というところで英語の勉強をしています。ここでは、日本の存在感は「ない」に等しいと思いました。



紙で売っている新聞も似たようなもので、安保法制について報道しているのはせいぜいニューヨーク・タイムズとFTくらいでした。私は安保法制の参議院の委員会採決とかその後の内閣不信任の討論の様子は断片的にですがネットの動画と生中継で見ていましたが、こういう日本にとっては大きな問題もアメリカではほとんど報じられません。誰も日本のことなど興味が無いようです。日本はアメリカと関係を持っている多数の国の中の1つに過ぎません。

 安保法制は、結局、わけのわからないままに強行採決されてしまいました。海外の通信社の記事は「日本の自衛隊が海外で戦闘に参加できる法律」と説明している。おそらくアメリカの政府当局者も細かい日本の中の「歯止め」の話には興味が無いでしょう。日本の官僚や自衛隊の制服組がどの程度アメリカに「これは限定的な集団的自衛権の行使です」と説明しているのかも怪しいものだ。

 官僚は国内と海外で二枚舌を使います。おそらくアメリカは「そうかそうか、政府としては公式には圧力をかけたつもりはない。お前たちが勝手にCSISのシンクタンクの奴らの口車にのって、自ら法律を作ったんだろ」というふうに考えながら、法案の成立を歓迎していたでしょう。他の国も批判するわけがありません。特に東南アジアは「日本が俺たちの肩代わりをして中国封じをやってくれる」と思っていますからありがたいに決まっています。

 あとから日本政府が「これは限定的な集団的自衛権行使容認だ」と説明しても、「何を行っているんだお前たちは。俺たちに説明したのと違うだろう。いいか、これはお前たちが決めたことなんだからな」と言われるでしょう。


以下略

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この記事の下には、参議院で枝野さんのやった二時間の大演説文字起こしが掲載されています。


これほどわかりきった安倍政権と自公のひどさなのに、周囲の人と話していると、けっこう
安倍しかいないじゃないかとか、SEALDsなどの国会前の抗議に冷淡な人がいるんですよ。
二度と戦前の轍を踏んではいけない、そのためにはどうあったらいいのか、ということを、
わたしたちは暗黙のうちにテーマとして持って生い立ってきました。
いまになってわかることは、ほんとうにちょっと情報の文脈のことなる場所にいると、何にも
気がつかない、どころか、あいつらデモなんかして何してる、くらいの無関心になるのだという
こと。
SEALDsの若者たちを自分の目で確かめもしないで、批判しているいい大人もたくさんいますワ。


奥田愛基さんの生い立ち、これなんかも見れば、嘘じゃないと感じる。佐高信さんです。
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http://diamond.jp/articles/-/78953
学校教育に洗脳されなかった シールズ奥田愛基の野生


どうして、こういう若者が育ったのか? その秘密を尋ねて1冊の本に行き当たった。高橋源一郎×SEALDs著『民主主義ってなんだ?』(河出書房新社)である。

 作家の高橋は明治学院大学国際学部の教授でもあるが、奥田と牛田はそのゼミ生らしい。



奥田の父親の知志は北九州で貧困者やホームレスの支援をしている有名な牧師である。でなければ、愛を基になどという名前を息子につけないだろう。しかし、奥田にとって、このことはけっこう重かった。

 たとえば放火で服役していて出所して、また放火した人を親は引き受けるという。緊急家族会議が開かれ、「うちが火つけられない?大丈夫?」といった話になる。

 結局、引き受けたのだが、朝起きると、知らないおじさんがいるのも日常茶飯事だった。

「この人は新しい家族だから」と父親は平気な顔で言う。

 とまどいながらも奥田は、「パン、何枚食べますか? あ、2枚っすか」といった応対をしていた。

「すごい教育受けてるね」と高橋も合いの手を入れているが、奥田は小学校まではそれが普通だと思っていた。他の家とは違うことがわかっていなかったのである。

 酔っぱらった勢いで、一度、父親に「なんでそんなことやってんの?」と尋ねた。返ってきた答は、「僕な、人間が好きなんよな」だった。自分の父親は「ヤバいぞ」と奥田は思ったという。

「いいお父さんだね」と言われて、奥田は胸の中で呟く。「よく想像してみてくださいよ。家にマザー・テレサがいたらウザくないですか?」



飼いならされていない野性が大人を惹きつける


 奥田は語る。

「そういう親父のもとに育って、中学で家を出ました。北九州にいたときは不登校とかいろいろあって、というか家と世俗の価値観があまりにも合わなすぎて(笑)。だから九州を出て、八重山諸島鳩間島っていう、ディズニーランドよりも小さい周囲4キロくらいの島に行って、そこで中学生生活をおくりました。卒業して、島根県の浅利町という人口が千人くらいしかいない所の高校に行って、そして今に至るという感じですね」



バカな発言をまともに取り上げるメディアにうんざりしたのだろう。

 しかし、そんな大人ばかりではなかった。自発的に慶大名誉教授の小林節がやって来たのである。マイクを渡すと小林は口を開いた。

「こんなひどい雨の中で集団的自衛権に反対していると聞いて多少なりとも応援にと来ました」

 神奈川新聞「時代の正体」取材班『時代の正体』(現代思潮新社)によれば、奥田はこの時のことをツイッターでこう振り返っている。

小林節さん片手が少し不自由だから、マイク持ったら傘持てないんだよね。それ初め分からなくて、マイク持ってもらったらめっちゃ濡れちゃって。けど全く動じず話し出して、スピーチして。超堂々としてた。動画見たら分かるけど、メガネに水滴が垂れるぐらい雨降ってた中でだよ」

生まれつき左手の指がない小林は、いじめられ、したたかに孤独を味わってきた。その小林の言葉を引きながら、奥田はさらにつぶやく。

「疲れてるのもあるけど、もうこれ電車の中でボロ泣き。『君たちはひとりじゃない。エネルギーは正しい方向に向かっているよ、と励ましたかった。僕がひとりで闘ってきたから、余計にそう思うのかな』先生、俺マジで頑張ります」
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国会前抗議行動をSEALDsが始めた日、雨でした。こりゃあ集まらないな、とわたしなども思ってた。
そこに小林節さんが、現れた。雨の中、国会前に行ったのは、今日行かないとあの子たち潰れてしまうと
思ったからだと、別のインタビューで言ってましたね。


小林節さんは、権力の中枢に出入りする学者というふうにしか見ていませんでしたが、この間、認識を
改めました。元特攻兵の通信を傍受していたあの兵士だった人の話、あれも心の熱くなるようなエピソード
でしたが、このくだりもそう。世の中、そう捨てたものじゃないってことを思わされます。


次は、保坂正康さんの記事です。こういう記事を、読んでほしいな。
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http://sp.mainichi.jp/shimen/news/20150930dde012010006000c.html
特集ワイド:この国はどこへ行こうとしているのか 「平和」の名の下に ノンフィクション作家・保阪正康さん


◇孤立、ニヒリズム避けよ


昭和史を研究している保阪正康さんに会ったら尋ねたいことがあった。「なぜ長年の禁をとうとう破ったのですか」と。

 長い間、「自分の役目は歴史の検証。政治的主義主張はあえて掲げない」と自らに課してきた人だ。「右」や「左」のいずれの言説にも単純になびくような書き手になるものか、という志を曲げたことはなかった。

 それなのになぜ今、安倍晋三政権が成立させた安全保障関連法に対し、旗幟(きし)を鮮明にするのだろうか。

 東京都内の喫茶ルームで、あいさつもそこそこに質問した私に、保阪さんの答えは明快だった。「安保関連法案を黙って見過ごしたら、僕はこれまで何のために昭和史を検証してきたのか、と思いましてね」

 静かな語り口とは裏腹に、黒縁の眼鏡の奥で両眼が鋭く光る。「安倍政権は歴史をねじ曲げ、時の内閣の一存で憲法を骨抜きにし、戦後70年かけて先達が築き上げてきたものをむちゃくちゃにしようとしている。これだけは許してはいけない」

 保阪さんは2006年、安倍氏が首相に就任する前に記した「美しい国へ」を読み、「美しい」という形容詞にぞっとしたという。「形容詞を使う政治家に強い嫌悪と恐怖を感じるんです。形容詞は人を動かし、ある種の暴力へと人を追い立てるから。形容詞や美辞麗句を多用するのは、ヒトラーらが用いたファシストの手法です」。安倍首相もそうなのではと、思わずにいられなかった。

 安保関連法を巡る国会論戦が、保阪さんの予感を確信に変えた。「安倍首相が、野党議員に向かって『早く質問しろよ!』とヤジを飛ばしたのを見て、1938年の国家総動員法の審議中、陸軍幕僚が議員の抗議を『黙れ!』と一喝したのを思い出しました。安倍内閣は、元最高裁長官が法案の違憲性を指摘しても歯牙にもかけない。安倍首相は内閣、つまり行政に、司法や立法を従属させようとしている。これをファシズムと言わずして、何と言うのですか」



だが、希望は失っていない。保阪さんは、安保関連法に反対する国会前の「デモ」を見て、組織動員ではない自発的な参加者の姿に心を打たれた。「民主主義が終わったのなら、また始めればいい」とスピーチした若者がいたと聞いて、深く共感した。「今回の安保関連法の議論を経て、国民はかえってシビリアン(市民)として強くなった。その点では、安倍首相に感謝しないといけない」とすら言う。

 「元々、私たちの民主主義は、制度化した中での安穏としたものだった。今回の安保関連法でその『日常』が壊される、と感じたから、民主主義を始めよう、という声が生まれた。これは民主主義の『再生』ではなく−−」。ここで身を乗り出し、言葉に力を込めた。「新生です、民主主義を新しく生み出すのです



 安保関連法が成立した時代を生きる処方箋について聞いた。歴史から学ぶという言葉を予想していたが、答えは意外なものだった。「できるだけ共同体に属そう」というのである。

 「家族や共同生活者を持つこと。組織に属すること。愛着を感じる共同体を持つこと。つまり孤立するな、ということです。孤立すると人は自分を安易に国家と結びつけ、国がちょっと批判されるだけで自分が攻撃されたかのようにムキになる。孤立すると人は世界が見えなくなる。歴史修正主義の台頭の背景には人々の孤立があるのではないか



 2年前、保阪さんは最愛の妻を病で亡くした。「でも僕には娘がいて、昭和史の勉強会の仲間ら共同体がある。そこで主観と客観を照らし合わすことができ、考えに安定感が生まれる。しかし非正規雇用の増加を背景に孤立する人が増えれば、時代は危うくなっていくだろう」

 処方箋はもう一つある。それは「ニヒリズムに陥らないこと」。永井荷風の「断腸亭日乗」を例に挙げ、「理知派、理性派といわれた永井は太平洋戦争が始まった朝にも、好きにやれ、俺は知らん、という姿勢で日記をつづった。最初読んだ時は『インテリの姿だな』と受け止めたのだけど……」。

 しかし、安保関連法の議論の中で「断腸亭日乗」を読み直すと、違う見え方がしたという。「結局、永井はニヒリズムに陥っていたのではないか。国が戦争に向かおうと俺の知ったことじゃない、と。昭和史に学ぶことのできる私たちは気づくべきです。もうニヒリズムが許される時代ではない。僕らはニヒリズムに陥ってはいけない。それが最低限の志です

 孤立するな、ニヒリズムに陥るな−−。昭和史の教訓を知る歴史家からの、安保関連法時代を生きる者へのメッセージだ。
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ちょっと賢い人はかんたんにニヒリズムに陥ります。
ここを耐えきらなくては。
鶴見俊輔の大きな反省は、自分が戦中にニヒリズム・無気力に陥っていたことでした。


紅旗征戎わが事にあらず、という遺伝子がわたしたちにはあって、かつてはわたしもそんなふうなところがありましたが、
いま、それを自分の歩む道とは思いません。


もう一つ、これは動画です。「作家山崎豊子 戦争と人間を見つめて」
こんな作家だったのかと改めて再認識。NHKスペシャルです。
削除されるかもしれないから、お早めにどうぞ。
http://www.dailymotion.com/video/x386ptz_作家-山崎豊子-戦争と人間をみつめて_news