普天間問題・・・ジョージ・パッカード氏 講演要旨

岩上安身氏昨夜のツィートより(まとめは一夢庵http://www.twitlonger.com/show/19ebn2


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岩上安身氏 @iwakamiyasumi つぶやき編集



 何が何でも辺野古の現行案しか認めないという、カート・キャンベル
のようなごり押しのジャパン・ハンドラーだけが、米国の「国家意思」
なのではない。今日、来日したジョージ・パッカードは、そうしたハン
ドラーズに懸念を表明する米国の代表的な戦略問題の専門家の一人である。


 パッカードは、ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題大学院前学長。
米日財団会長。権威ある外交問題専門誌「フォーリン・アフェアーズ
3・4月号に、「日米安全保障条約50周年」という論文を書き、波紋を広
げた。「日本国内の米軍基地縮小の交渉に、米国は応じるべき」という
もの。


 彼は、ジョセフ・ナイやアイケンベリーら、米国の対日政策に大きな
影響をもたらすエスタブリッシュメントの一角をなす。3週間ほど前にも、
米議会の外交政策委員会に招かれて意見を述べている。彼の主張の最も
重要なポイントは、日米関係のこじれの原因は主に米国の軍部にある、
というもの。


 「米国の軍部は、沖縄を封建時代の領土のように思っている」とパッ
カードは批判する。「『自分たちの血で勝ち取った』という思い入れが、
日米関係に現在のような混乱を招いた」と。「米国は日本の新しい政権を、
まず祝福すべきだった。なのに普天間の基地を守れと。それがこじれの
一番の原因」。


 今日のパッカードの講演は、衆議院の院内で行われた。
第一に「普天間問題は、日米関係の中ではきわめて小さな問題で、これで
日米関係がおかしくなるのは、そもそも問題であること」。
第二に、「海兵隊がなぜ必要か、考える必要がある」。


 第3に「海兵隊の移動に当たっては、抑止力を低下させるものだという
印象を与えないようにすること。つまり、米軍が出て行ったという印象を
与えないようにし、マイナスになることを避けるべきである」。
第4に、「日米関係は、双方に利益があること」。
第5に「在日米軍は基地を縮小するべき」


 第6に、「在日米軍が撤退していく代わりに、日本は集団的自衛権の問題
に前向きになるべき。ただし、国連憲章の即した形で」。
第7に「オバマと鳩山、両首脳は、本来ならうまが合うはず。ともに高学歴
で、軍縮に前向き。本来ならうまくいくべきものが、そうなっていないのは
残念なこと」。


 粗野なキャンベルの恫喝に恐れをなして、いいなりになってきたのは、
外務省と防衛省、追随するマスコミだが、パッカードの主張には、民主党
だけでなく、防衛省も耳を傾ける。パッカードの「沖縄を封建領土のように
みなすべきではない」という言葉には、古き良き米国の理性を感じさせる。


 内閣では、前原、岡田、平野、北澤の「四人組」によって、鳩山首相
包囲され、県外移転断念の形になっているが、それに抗するような動きが
加速。社民党国民新党が、5月末解決を焦る必要なしと先送りを申し入れ、
民主党内部でも政局にしようとする枝野、仙谷らの動きが鈍ってきている。


 あとは小沢幹事長への事情聴取の後、東京地検がどう出るか。起訴するの
かしないのか。米国からわざわざ来日してまで、「撃ち方やめ」という警告
を発しに来たとも思える知性に、日米の安保マフィアと治安マフィアがどう
応答するか。