「新防衛計画の大綱」づくりが急速に(天木直人氏)+孫崎亨×岩上安見DP2

孫崎亨×岩上安見のDeep Night2 から帰宅、一寝入りして、twitterを見ると
読売新聞の安保懇報告書についてのスクープが飛び交っています。
知ったばかりのことが、ここに次々と・・・。
すなわち、今日のレクチャーでは


迎撃ミサイル防衛(BMD)は、幻想なんだということ。
 なぜなら、ミサイルは秒速2〜3km。一秒間に、2キロも進むようなものを
 つかまえられるか。当然、無理。
 北朝鮮のノドンは、数分で日本に来る。迎撃は無理。


 驚くことは、太平洋を真ん中の地図で、北朝鮮からアメリカへミサイルが
 発射された場合の想定図、「日本上空を北朝鮮の核ミサイルは通過し、
 その上空で迎撃するというシナリオ」があるらしいのですが、地球は丸い
 ので、北極を真ん中においた地図から見れば、ミサイルの弾道はなんと
 日本上空を通過しない!!!
 MDは役に立たない!!!


結局、迎撃ミサイルは、敵基地を発射前に先制攻撃しなければ役に立たない
ものらしいのです。


アメリカの命令で、日本から北朝鮮ないしは中国が、何か発射するらしいから
先制攻撃しろ、と命令されて、日本から撃てば、当然敵は日本を攻撃します。


アメリカは、冷戦時代、欧州(主としてドイツ)に中距離核ミサイルを配備し、
欧州とソ連との核相討ちをもくろんだ
ことがあるといいます。
「米国の意図を見抜いたドイツは、必死に東方外交を展開し、ペレストロイカ
東欧革命、ソ連崩壊と、冷戦終焉に貢献した」
のだそうです。


いま、日本が、欧州のような立場に立たされつつある。
チェイニーや、マケインら、ウルトラ鷹派が、つぎつぎに「日本の核保有容認」
の発言
をしてきている。


アメリカと中国は、やがて核戦略で均衡し、互いに先制攻撃はしない。
しかし、アメリカは日本に核武装させて、日本と中国で核の相討ちをさせる。
米国は無傷。

だから、日本と中国の間の仲が悪いほうが、アメリカとしては好ましいのです。
日中の政治的・軍事的対立の方が、日中友好・接近より、米国の戦略には好ましい。


孫崎さんによれば、今の政治家や官僚では、こういう戦略を見抜けないと。
見抜けても、欧州のような、冷戦時代を終結させるような外交努力はとうてい
望めない。今の政治家・官僚では、、、




こんな話を聞いたばかりのところに、安保懇報告書のリークです。
以下、元外交官・天木直人氏のメルマガ転載。
(これは有料・転載先をリンクしておく)
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http://www2.realint.com/cgi-bin/tarticles.cgi?jouhou+2158

   「新防衛計画の大綱」づくりがここまで進んでいたとは驚きだ                                        
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 きょう7月26日の報道で注目されるのは、何と言っても読売新聞のスクープだ。

 「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長=佐藤茂雄・京阪電鉄
最高経営責任者)は来月(8月)上旬にも菅首相に報告書を提出するという。

 その全容が25日判明したと言うのだ。


 私は7月23日のメルマガ30号で、月刊「世界」8月号の「軍事大国化に
目を瞑るメディア」という記事に注目して、新防衛計画の大綱づくりはどう
なっているのか、と書いた。


 そうしたら25日の産経新聞が、政府は中国海軍を意識したミサイル迎撃
システム艦の増強や武器輸出三原則の見直しを進めているという
スクープを掲載した。



 それを読んだ私は25日のメルマガ33号で、新防衛計画は危うい、と
すかさず警鐘を鳴らした。


 今度は今日26日の読売新聞のスクープだ。


 ホップ、ステップ、ジャンプ。まるで私のメルマガを読み、私の懸念をあざ
笑うかのように、いたちごっこの先を行くようなメディアのスクープ報道の連続
である。


 それにしてもこの読売新聞が入手したという安保懇報告書全文の要旨は驚く
べきものだ。

 

 防衛力強化、軍事装備共同開発の解禁、日米同盟の世界規模への展開、
集団的自衛権に向けた憲法解釈拡大、テロとの戦い北朝鮮、中国の脅威に対
するニ正面作戦、などなど。


 これまで自民党政権が狙ってきた事の集大成である。米国の思い通りである


 なんの事はない。メディアは、軍事大国化に目を瞑るどころか、政府から
情報をもらって軍事大国化作りに加担しているのだ。国民への情報操作である。



 ご丁寧にも26日の読売新聞はその社説の中で、東アジアの平和と繁栄のため
に日米連携して中国と対抗せよとダメ押ししている。


 さすがにその社主(正力松太郎)がCIAの手先だった新聞社だけの事はある。


 そもそもこの安保懇は鳩山政権下で平野官房長官が懇意にしている大阪の
財界人を座長に据え、そのメンバーを対米従属者ばかりで固めたものだ。


 鳩山首相、平野官房長官が迷走の末に去り、菅政権がそれを引き継いだ。


 しかし考えても見るがいい。

 鳩山政権は普天間基地問題に忙殺され、それを引き継いだ菅政権は参院選
その敗北によりマヒ状態が続いている。


 要するに安保懇と言う名の対米従属一派(外務・防衛・財界・御用学者)
に日本の将来の防衛計画を丸投げして出来た報告書
なのである。



 民主党政権は誰が見ても統治能力がなくなっているのに、メディアの報じる世論
調査では大多数の国民が菅首相の続投を望んでいるという。


 出来すぎだ。対米従属者たちにとってはこれほど都合のいい首相はいないという
ことだ。


 それにしても護憲政党は何をしているのだろう。



 安保懇報告書が提出されるのは8月はじめだというからもうすぐだ。

 無気力政局と猛暑の上に、お盆休みである。

 国民が気づかない間にこの国の将来が決まってしまう。



 今こそ「さらば日米同盟」をめぐって賛否両論が起きるべきなのに、
すっかり 封印されたままである。


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無能な政治家たちが、政権にしがみついているあいだに、やりたいことをやりたい
ようにどんどん運んでいるらしい。


まったく、暗澹とします。
以下は、朝日ネット・ニュースから当該記事。
わたしのつぶやきを挿入してます。
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http://www.asahi.com/politics/update/0727/TKY201007260561.html
「核持ち込ませず」見直しを提言 新安保懇の報告書案
2010年7月27日3時1分



 菅直人首相の私的諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」
(座長=佐藤茂雄・京阪電鉄最高経営責任者)が首相に提出する報告書案の全容が
26日、明らかになった。日米同盟の深化のため、日本の役割強化を強調。
(こういう言い回し要注意ですね)
非核三原則の見直しにも踏み込んだ。必要最小限の防衛力を持つとする「基盤的
防衛力」構想を否定し、離島付近への重点配備を強調した。
(今日の孫崎氏の話。島嶼防衛は、米国は関知しない。
2005年の日米同盟では「島の防衛は日本側の責任」と明記してある。たとえば、
中国が島嶼を攻撃してきたとする。自衛隊が敗退すると中国に管轄が移行するので、
安保の対象外となる。米国は何もしなくて安保条約を守ったことになる。
ほとんどサギです。。。)



 報告書は8月上旬にも首相に提出され、今年末に民主党政権として初めて策定
する新しい「防衛計画の大綱」のたたき台となる。自公政権時代の主要な論点を
おおむね引き継いだ上に、長く「国是」とされてきた非核三原則に疑問を投げか
けた内容

(核持込、日本の核武装、来ましたね)が議論を呼ぶことは必至で、
菅政権がどこまで大綱に取り入れるかが焦点になる。


 報告書案は、米国による日本への「核の傘」(孫崎氏によれば、これは幻想。
たとえば中国と米国との間で核均衡し、お互いの間で核の先制攻撃しない関係
になれば、中国が日本を脅し、日本が米国に助けを求めても、米国は中国に対
して何もしない!!!)
について、「地域全体の安定を維持するためにも重要」
「究極的な目標である核廃絶の理念と必ずしも矛盾しない」と評価。
非核三原則について「一方的に米国の手を縛ることだけを事前に原則と
して決めておくことは、必ずしも賢明ではない」と指摘し、事実上、三原則のう
ちの「持ち込ませず」を見直すよう求めている。


 日本周辺の安全保障環境について、中国の海洋進出や北朝鮮の核・弾道ミサイル
開発などに触れ、「米国の力の優越は絶対なものではない」と位置づけた。
そのうえで「日本を含めた地域諸国が、地域の安定を維持する意思と能力を持つ
かが、これまで以上に重要」とした。


 こうした認識を背景に、報告書案は、米国に向かうミサイルを日本が撃ち落とす
(ほら、こんなの無理って、言ったでしょ。第一、日本上空を弾道は通らない。)

といった形での集団的自衛権行使に言及した。


 武器禁輸政策で国内防衛産業が「国際的な技術革新の流れから取り残される」
とも指摘。先端技術に接触できることや開発経費削減などのため、米国以外の
国々との間でも装備品の共同開発・生産をできるようにするため、武器輸出三原則
を見直すよう求めた。


 冷戦時代に採用された「基盤的防衛力」という考え方について、「もはや有効
ではない」と明言。この考え方に基づく自衛隊の全国への均衡配備を見直し、
中国海軍が頻繁に行き来する南西諸島周辺を念頭に置いた部隊の配備
(中国との対抗を煽られて、相討ちに導かれてどうする)や日米共同運用の強化などの必要性に言及。
潜水艦の増強も「合理的な選択」とした。
(核配備に必要らしい)。
ミサイル防衛に関して「打撃力による抑止をさらに向上させるための機能の検討
が必要」として、「敵基地攻撃能力」の必要性
(出てきました。核の相討ちさせられる準備・・・)にも言及した。


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