CIA工作が唯一成功したのは、日本支配・・・「美味しんぼ」雁屋哲氏のブログより

昨春、大久保秘書逮捕のあったとき、たまたまサンデー・プロジェクトを見た
のですが、田中真紀子が、図書館から借りてきたらしい「CIA」と大書した本を、
どん、とテーブルに置いたのが、記憶に残っています。


たまたま、DVD「グッド・シェパード」を借りて見たところでした。
戦後創設されたCIAの草分けの一人についての映画です。
イェール大学のような伝統あるところは、上流階級の子弟たちの固い結束を
守る秘密組織のようなものがあって、そこに入ると、忠誠は、神より上位。
戦争中にその組織に入ってスパイ活動のようなことをしていた主人公は、素質
をみこまれて、イギリスに派遣され、イギリスの秘密情報機関で訓練を受け
ます。
やがて、CIAが設立されるにあたって、大いに力を尽くすのですが、映画では
キューバ紛争や、ケネディが登場。息子のフィアンセが、結婚式に向かう
途中、飛行機の上から放り出される場面、そんな脅しがあるとは話には聞い
ていましたが、ほんとうにやっていたのだ、、、と、半信半疑から確信に変
わりました。


さて、日本政治の背後にそのCIAがある、とは、もうほとんど常識になって
いますが、そのCIAはじつは無能なダメ機関だった、失敗ばかり、という本が
出ているのだそうです。成功したのは、唯一、日本支配だとか。


この本について、「美味しんぼ雁屋哲氏がブログで、英語と日本語訳との
違いの機微など指摘しながら、解説してくれています。
雁屋氏のブログアドレスは、検索してください。
ここでは、ブログ「杉並から情報発信です」から、採ります。
この冒頭に、全文のまとめをしてくれています。そのあと、雁屋氏の全文が
掲載されています。



ここでは、雁屋氏の後半を中心に適宜御紹介します。

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http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/59b5127d244f17b664bbd098c0dcce6a


(前半は、寺崎英成による「昭和天皇独白録」の読後感想と、紹介です。これ
は文庫で出ています。わたしも読んだときには、衝撃を受けました。雁屋氏
とは別の感想をもちました。それについては、今は書きません。ただ、以
下のような、天皇の戦争責任より、戦後責任の方が大きいという指摘はうな
づかされました。)


http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/8be3c8b4fe7f18b712e0a7cae30ff0f0
 アジア各国に与えた被害を別にして、日本人についてだけ言えば、300
万人の国民を殺した戦争責任より、1945年以来、今に至るまでアメリ
に隷属し続けているこの国の構造の根底を作った、昭和天皇戦後責任の方
が重い
と私は考える。


 ついでに、現憲法の第一条には、


天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であり、この地位は、
主権の存する日本国民の総意に基づく」


 とある。


 この「象徴」という言葉に、日本人はみんな頭を悩ました。
 当時の憲法担当大臣の金森徳治郎は「象徴」を「憧れの中心」と説明した。
 どうして、天皇に憧れなければいけないのか。これでは、混乱するだけである。


 何のことはない。


 1942年の「Japan Plan」で既にアメリカは、戦後の日本を統治するのに、
天皇を平和のシンボル(象徴)として利用する」と決めていたのである。
 アメリカは自分が勝手に決めたことを日本国憲法に翻訳したのであって、
その真意が日本人に分かる訳がない。


 それを、日本の憲法専門家という先生方が議論し続けたのだからご苦労
千万な話である。
(私は、以前に「マンガ 日本人と天皇」という本を書いた。「講談社のα
文庫」に収められているので、読んで下さい。


 その中で、象徴天皇制について、象徴と言う言葉の出所が分からなかった
ので、はっきり書けなかった。しかし、この「Japan Plan」が明らかになって、
象徴天皇制の意味が明らかになった。



 2007年にニューヨーク・タイムズの記者ティム・ワイナーが「Legacy
of Ashes. The History of the CIA」という本を出版した。

「Legacy」とは遺産のこと。「Legacy of Ashes」で「灰の遺産」と言うこと
になる。


 これは、もともと、アイゼンハウワー大統領の言葉だそうだが、どのよう
な状況で何をさしていったのか、この本からだけでは分からない。
 しかし、戦争直後に言った言葉であり、戦後のヨーロッパやアメリカの
各地のあの壊滅的状態を思い起こせば、そして、この本のあちこちの表現
を見 ればその意味は想像がつく。


 あの当時のドイツと言えば、遺産としては灰しか残っていなかったのだから。


「The History of the CIA」という副題から推察すると、CIAから次世代の
アメリカが(現代のアメリカのことである)受け継ぐのは戦後のヨーロッパ
のように「灰だけだ」と言 うことになる。


 ずいぶん、厳しい言葉だが、この本を読んでみると、この題名に納得がいく。


 私たちは、CIAというと、大変に優れた諜報機関で、全世界にスパイ網を
持ち、世界中の情報を収集し、と同時にアメリカにとって邪魔な国を倒す
ための陰謀を巧みに企んできた恐ろしくもあり強力な存在だと思ってきた。


 ところが、この 「Legacy of Ashes」では、如何にCIAが無能で、情報機関
としても陰謀機関としても、大きな失敗ばかり重ねてきたか暴いているのだ。


 例えば、


1. 自発的にCIAのスパイになってくれたソ連での人々を、CIAがわのソ連のス
パイが密告して全員殺された。


2. レーガン大統領の時に、イランに武器を売り付け其の代金を中東で使うと
いうイラン・コントラ事件が起こって、CIAも、中東での関係もめちゃくちゃ
にして しまった。


3. 恐ろしく情報能力が低下して、ソ連の軍事能力を過信し、アフガニスタン
武器を大量に提供してソ連のアフガン侵攻を阻止しソ連を崩壊させる一助と
なったの はいいが、其の大量の武器が今アメリカを困らせている。


4. 大統領がCIAを信じないし、CIAも大統領を喜ばせることしか伝えない。
CIAは大統領に嘘をつくのである。


5. イラク戦争の時も、CIAは大量破壊兵器があると強調して戦争を始めたが、
結局、全て偽の情報でイラク大量破壊兵器はなかった。


6. CIAの組織力はくずれ、世界中にいるCIAの人間は、ニューヨークのFBIの
職員の数より少ない。


7. 2004年にブッシュ大統領は、CIAのしていることは「just guessing」
だといった。
「guess」とは推量とか、あて推量で言い当てる、と言う意味だ。



 要するに、CIAは「事実に基づいた判断ではなく、勝手に思いこみで言って
いるんだろう」、とブッシュは言ったのだ。
 これは、「Political death sentence(政治的死刑宣告)」だとワイナーは
書いている。
 こんなことを今までに言った大統領はいない。



1. 2005年に中央情報長官の職が廃止されたことでCIAがアメリカの政治の中心
で果たしてきて役割は終わった。


2. アメリカは、情報機関を立て直さなければならないが、遺産として目の前
にあるは「Ashes」である。



 というのが、ワイナーのこの本に書いてあることだ。


(略)


 なお、ワイナーによれば、ここに書いたものは、CIA、ホワイト・ハウス、
連邦政府の55000以上の文書、 2000以上の、アメリカ情報機関
担当員、兵士たち、外交官たち、のオーラル・ヒストリー(自分の歴史的
体験を口述したもの)、そして、1987年以来行われた、300以上の、
CIAの職員、退役職員、(その中には10人の元長官も含まれている)に
対して行われたインタビューを元にしている。


 この文書は、全て実名の情報に基いている。出所を明らかにしない引用、
匿名の情報、噂話の類は一切用いていない。
 この本はCIAの真実の全てを書いたものとは言えないかも知れないが、
ここに書かれたことは全て真実である、とワイナーは述べている。



 幸いなことにこの本が2008年に文藝春秋社によって日本語訳が出版された
ので、日本人も容易に読めるようになった。
(なお、文藝春秋社版の日本訳と私の持っているアメリカのAnchor Books版
とでは、この第12章の内容が甚だしく違うところが多い。


 文藝春秋社の編集部の解説によれば、文藝春秋社版の第12章の前半と、
第46章は日本語版のために著者が追加執筆した物だという。

 他にも、Anchor Books版になくて、文藝春秋社版にある部分がある。


 結果として、本来は50章の本なのに、日本版にはおまけで1章付け加え
られた。
 私は、アメリカのAnchor Books版を元にしていたので、危うくこの付け加
えられた一章を見落とすところだったが、後で述べるように、1994年に
ワイナーによって書かれた New York Timesの記事には、もっと厳しい内容が
書かれているので、この付け加えられた章がなくとも、私には問題がなかった。
(英語版が手に入らない日本の読者には意味があるだろう)


 逆に、英語版で大事なところが、文藝春秋社版では欠けているところがある
ので、私は一応Anchor Books版を基本に、文藝春秋社版を参考にすること
にした。)


 さて、改めて言うが、この本を読んで、私はCIAがこれ程までに無能な機関
であり、ここまで数々失敗を重ねてきたひどい政府機関であることを 知って
驚いた。


 そして、一番驚いたのは、この駄目機関であるCIAがただ一つ成功した例が
あることである。
 それは、ああ、なんと、この日本という国の支配なのである。


 今回の眼目は、この本の第12章である。


 その章のタイトルは、「We ran it in a different way.」となっている。
「run」とは、動かす、管理する、指揮する、支配する、と言う意味である。



 ここでの、「it」は日本の政治のこと。すなわち日本のことである。
「we」はCIAのこと。
「in a different way」とは、当時日本を占領していた連合軍司令官である
マッカーサー元帥とは、違う方法で、と言う意味である。


 なぜ、わざわざこの部分を英語の原文のまま示したか、それは、この
「We ran it in a differnt way」という言葉の持つ、冷酷さ、非情さ、
おごり高ぶった情感をはっきり読者諸姉諸兄に味わって頂きたいからである。


 これを、文藝春秋社の日本語訳のように「別のやり方でやった」などと
してしまっては、このアメリカの非情さが分からない。
 英語と言う言語の持つ実に直裁的な冷酷な味わい、そして、それが、
アメリカ人の心理をそのまま反映した物なのだが、それが消えてしまう。
 我々日本人は、アメリカ人に、「run」されたのだ。「rape」と変わらない。
 其の屈辱感を、しっかり身にしみて貰いたいために、あえて英語の原文を
示したのだ。


 始まりは、1948年の末。
 ワイナーは次のように書いている。


2人の戦争犯罪人が、他の戦争犯罪人たちが絞首台に連れて行かれた前日に、
戦後三年間入れられていた巣鴨刑務所から釈放された」


その2人とは岸信介と、児玉誉士夫である。


岸信介は、1896年山口県生まれ。


 東京大学の法学部を卒業して農商務省に入り、東条内閣の対米宣戦時の
商工大臣であり、敗戦後A級戦犯に指定されたが、釈放され、その後総理
大臣 になって対米安全保障条約・新条約の締結を行った。


 児玉誉士夫は、1911福島県生まれ。


 戦前右翼の活動家として活躍し、戦中は海軍の庇護の元に中国で「児玉
機関」と言う組織を動かし、強奪的にタングステンモリブデン、などの
貴金 属、宝石類を大量に集め、それを海軍の力を利用して日本に送り届けた。
(それを自分の物としたのが凄い)
 敗戦後、A級戦犯とされるが釈放された後、中国から持ち帰った巨額の
資産を元に、政界に影響を及ぼし、やくざ・暴力団・右翼のまとめ役、
フィク サーとして力を振るった。


 Anchor Books版に書かれていて、文藝春秋社版に書かれていない文章は、以下の物である。


「Two of the most influential agents the United States ever recruited
helped carry out the CIA’s mission to controll the government.」
Anchor Books


 拙訳「かつてアメリカがリクルートした二人の一番影響力のあるエイジ
ェントがCIAの日本政府を支配する任務を遂行するのを助けた

 で、其の二人の男とは、岸信介児玉誉士夫である。


 リクルート、エイジェント、この二つの言葉の持つ意味は重い。
 会社にリクルートされて其の会社に勤めたら、貴方は其の会社の人間だ。
 エイジェントとなったら、貴方はその会社の人間だ。
 これが、会社でもなく、アメリカ政府なのだ。


 岸信介児玉誉士夫は、アメリカ政府に雇われて、アメリカ政府のために
働く人間になったのである。もっと正確に言えばアメリカ政府の人間になっ た
のである。


 岸信介児玉誉士夫は日本人のためではなく、アメリカ政府のために働く
人間になったのだ。
 文藝春秋社版では、この岸信介が「アメリカのエイジェント」だったことを、
明確に書かない。
 文藝春秋社が翻訳に使った底本が、そうなっていたのかも知れない。


 しかし、ワイナーの本は、まずアメリカで出版され、非常に高く評価され
たのだ。
 アメリカの恥部を暴いた其の著者が、国ごとによって違う内容の版を出す
とは思えない。
 この一文が無くては、自民党の本当の姿を理解出来ない。
 この一文を見のがしてはならないのだ。


 岸信介は、アメリカにリクルートされたエイジェントだった。
 エイジェントとは軽い言葉ではない。アメリカのエイジェントとなったら
日本のために働くのではなく、アメリカのために働くのだ。
 正確に言えば、岸信介アメリカに魂を売ったアメリカの手先、「売国奴」、
だったのだ。


 何度でも繰り返したい。この一文は非常に重い意味を持っているのだ。


 日本国民が、日本の首相だと思っていた人間が、実は日本人のためではなく
アメリカのために働いていたのだ。
我々日本人は「売国奴」を首相として 崇めていたのだ。


 こんな事があっていい物だろうか。


 ワイナーの記述は、まだまだ続く。


 分かりやすいようにまとめよう。

(念のために断っておくが、ワイナーが言明しているように、以下に書くこと
は真実である。すべて、文書や記録が残っている。


1. 岸信介児玉誉士夫は、CIAのエイジェントとなった。


2. CIAの助けによって、岸信介自民党の党首となり、首相となった。


3. 児玉誉士夫暴力団のナンバーワンとなり、CIAに協力した。


4. 岸信介と、児玉誉士夫が、戦後の日本の政治の形を作った。


5. 岸信介は、児玉誉士夫の金を使って選挙に勝った。
代議士になると、岸信介はその後50年に渡って日本を支配する自民党を作り
上げた。


6. 岸信介の作った「自由民主党」は自由主義的でもなければ民主主義的でも
なく、戦争で亡びたはずの日本帝国の灰の中から起き上がってきた右翼的で
封建的な指 導者たちのクラブだった。

7. CIAと自民党との相互の間で一番重要だったのは、金と情報の交換だった。
その金で党を支援し、内部情報提供者をリクルートした。


8. アメリカは、一世代後に、代議士になったり、大臣になったり、党の長老に
なったりすることが見込める若い人間たちとの間に金銭による関係を作り上げた。


9. 岸信介は党の指導者として、CIAが自分の配下の議員たち1人1人をリク
ルートして支配するのを許した。


 この部分、Anchor Books版では、次のように書かれている。
「As the party’s leader, he(岸信介)allowed the CIA to recruit
and run his political followers on a seat-by-seat basis in the Japanese
parliament.」


 文藝春秋社版では、そこのところが、


「岸は保守合同後、幹事長に就任する党の有力者だったが、議会のなかに、
岸に協力する議員を増やす工作をCIAが始めるのを黙認することになる」と
書かれ ている。


 この文藝春秋社版の文章では、「議員たちが岸に対する協力者となった」
と読めるが、Anchor Books版の文章とは、意味が違ってくる。


 Anchor Books版の文章では、「岸に協力する議員を増やす工作」とは読めず、
岸の配下の議員たちは、CIAにリクルートされて、CIAの支配下に入った」と
読める。


 文藝春秋社版とAnchor Books版とでは大分意味が違ってくる。
「recruit and run his political followers」は「岸信介に政治家として従う
者達をリクルートして支配する」と言うことではないのか。「rectuite and run」の目的語は 「his political followers」だろう。
これから、岸に協力しようという者たちではなく、すでに岸に従っている者達である。


 岸信介に政治的に従う人間が必ずしも、CIAと関係がある訳ではない。


 だから、岸信介は、自分の従属下に入った人間を、自分と同様CIAに仕える
ように、CIAが働きかけることを許したのだ。

 Anchor Books版に描かれた岸は、自分の配下をCIAに売る悪辣な男である。


1. 岸信介、トップに上り詰めるための策動をする間に、日本とアメリカの
間の安全保障条約を作り直す作業をCIAと一緒にすると約束した。

2. 岸信介、日本の外交政策アメリカの要求を満たすように変えると約束
した。

 それによると、アメリカは日本に軍事基地を保持し、核兵器を貯蔵しても
良いというのである。

 それに対して、岸信介アメリカの秘密の政治的な協力を要請した。

 もう充分だろう、と思うが、先ほど書いたように、実は、ワイナーは、
1994年10月9日付けのNew York Timesに「CIA Spent Millions to Support
Japanese Right in 50’s and 60’s. 」(CIAは日本の右翼を助けるために
1950年代から60年代に書けて何百万ドルもの金を使った
)と言う記事を書いて
いる。
 その記事の内容は、今回の本の内容に近いし、文藝春秋社版用に書き下ろ
したと言う部分も、実はこの中に含まれている。


 この本よりももっと具体的なことも書いてある。
そこから幾つか拾ってみよう。


1. 1970年頃に、日本とアメリカの貿易摩擦が起こっていたし、その頃には
自民党も経済的に自立出来ていたので、自民党に対する資金援助は終わった。


 しかし、CIAは長期間にわたって築き上げた関係を利用した。


 1970年代から1980年代初期に東京に駐在していたCIA職員は「我々は、
全ての政府機関に入り込んでいた」と語った。

CIAは首相の側近までリクルートしており、同時に農林省とも同じような関係
を結んでいたので、日米農産物貿易交渉で、日本がどのようなことを 言うか
事前に知っていた」とも語った。


1. 元警察庁長官で、1970年代に自民党の代議士になり、1969年には
法務大臣になった後藤田正晴は、自分が諜報活動に深く関わってきた1950
年代60 年代について「私はCIAと深いつながりを持っていた」
と言っている。


2. 1958年に、当時の自民党の大蔵大臣だった佐藤栄作が選挙資金の援助
をCIAに要求して、その資金で自民党は選挙に勝った。


3. 1976年にロッキード事件が起こって日本は騒然としたが、それは、同時に
CIAにとって、それまでの工作が暴露される恐れのある危険な事件だった。


 ハワイで隠退生活をしている元のCIAの職員は電話で、次のようなことを語った。


この事件は、ロッキードなんかよりもっともっと深いのだ。もし、日本と
いう国のことについて知りたかったら、自民党の結党時のことと、それに対
して CIAがどれだけ深く関わったか知らなければ駄目だ


 もう、本当に充分だろう。


 日本を半世紀にわたって支配してきた「自民党」はCIAのエイジェントに
よって作られたCIAのために働く党だったのだ。


 狡猾な旧日本帝国の官僚である岸信介、中国で強奪して来た資産で力を
持ったやくざ・暴力団の親玉である児玉誉士夫
 この2人の、魂をアメリカに売り渡した売国奴によって作られた党だった
のである。


 作られただけでなく、自民党は長い間、政治的・金銭的援助と引き替えに
日本をアメリカの代わりに支配を受け付け続けていたのだ。


 日本人は長い間、自民党を支持し続けて来たが、実はアメリカの政策に従って
いただけだったのだ。我々は、アメリカに支配されてきたのだ。

(それを考えれば、前回取り上げた、思いやり予算」や、「年次改善要望書」
などをなぜ日本政府が受け入れるのか、その秘密が解ける。我々日本人 は、
アメリカのために汗水垂らして働いてきたのだよ)


 CIAが、有望な若い者達にも金を与えていた、と言うことも忘れてはならない。
 官僚から自民党の政治家になった者は大勢いる。
 CIAの金は官僚にまで回っていたのだ
 事実、1970年代後期、80年代初めに東京に駐在したCIA局員はワイナーに
われわれは全ての政府機関に浸透した」と述べているではない か。


 CIAは首相側近さえも取り込み、農林水産省とも非常に有力なつてがあった
ので、日本が通商交渉でどんなことを言うか、事前に知ることが出来 た、とは
なんと情けないことだろう。
 日本の官僚たちもアメリカに逆らえない弱みを握られているのだ。


 これで、日本がアメリカに隷属し続けた原因が分かるだろう。


 自民党議員も政府官僚はみんなアメリカから金を貰って弱みを握られている
からアメリカに反することは出来ない。

 自民党の二世・三世議員も同じことだ。祖父と父が従ってきたボスにどう
して息子が反抗出来るか。
 だから民主党政権になって、辺野古問題でアメリカの意志に反することを
言い出したら、日本の官僚組織が一団となって、小沢一郎氏、鳩山由紀夫
を引きずり下ろすために全力を傾けたのだ。


 誰なのか正体の知れない「市民団体」に訴えさせて、一旦不起訴と決まった
小沢一郎氏を検察審議会に、「起訴相当」の判決を出させたりもした。


 どうして、あんな事をさせるのか。


 考えてみれば、日本の官僚は上下関係でがんじがらめになっている。
 自分たちの先輩の決めたことを、自分が覆したら、官僚世界から追放される。
 官僚は官僚の世界から追放されたら生きて行けない。東大法学部を卒業した
人間はその肩書きしか人間としての力はない。その肩書きが通用するのは
官僚に関係する社会だけであって、実社会に放り出されたら、全く無能力である。
 だから、日本では改革などと言葉で言っても、絶対に改革が実行されない。


 それと同じで、現在の官僚は、米軍の沖縄基地の自由使用、と言う過去の
先輩たちの決めた慣例をひっくり返したらえらいことになると怯えたのだろ う。
 で、人間としての価値もない無能な官僚全体がよってたかって民主党攻撃
に回っているという訳だ。


 さて、もう一つ言わなければならないことがある。

 それは、日本の新聞、テレビ、など、いわゆるマスコミの問題である。
 民主党をけなし続けているのは、大新聞、テレビ各局である。
 では、その報道機関、マスコミが、アメリカの魔手から逃れていたのか。
 これが、実はそうではない。
 民主党攻撃に必死になったマスコミも、実は、アメリカの手先なのだ。


 ちょっと長くなりすぎたし、「美味しんぼ」の原稿の締め切りが迫って
いるので、今回はここまで。


 マスコミなどについての続きは次回で。


 ま、とにかく、日本という国が、「出来るだけ長い間アメリカに占領して
いて貰いたい」と考えていることをアメリカに伝えた、元大元帥閣下の昭和
天皇と、 CIAのエイジェントである自民党のおかげで、実は1945年の敗戦の
時から今に至るまでアメリカの完全支配の元にあると言う認識だけは今回で
充分持って頂いたと思います。


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