尖閣諸島に関する孫崎享ツィート集

twitterの中では、まだ前田検事逮捕の問題でもちきりですが、「世に倦む
日日」氏が見抜いたように、これは尖閣諸島の緊張をかくすためか。


NEVADAブログでは、

温家宝首相の焦りと解任
尖閣諸島問題で、温家宝首相が対日批判に登場してきていますが、記者会見の
内容からしますとかなり追い込まれており、このまま事態解決ができない場合
温家宝首相が責任を取らされて失脚する事もあり得ます。

また、人民解放軍が活発に動いているとも言われており、あえて軍事衝突を引
き起こす、破れかぶれの捨て身作戦をとる事も有り得、自衛隊、米軍とも警戒
をしています。
経済力世界第二位、三位の国が領土問題で軍事衝突すれば、世界秩序はガタガ
タになります。
何故なら本当の勝者が居ないからです。

極東アジア情勢は緊迫化してきています。」


とも報じており、今日はもうネットニュースにも日中関係の緊張があがってい
ました。


twitterで、NEVADAブログを紹介したところ、煽るなと言われましたが、ぼーっと
していてよい問題ではないように思われます。


孫崎氏の、尖閣諸島関係のツィートをここにまとめます。

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尖閣列島で米国の立場。「日中は領土をめぐり係争中。米国はいずれのたちばに
もつかず」。さらに2プラス2「役割」で島ショウ防衛は日本と明記。


1969年珍宝島めぐり中ソ軍事紛争。紛争激化は航行中船舶への攻撃など。
係争地での公権発動はしばしば武力衝突へ。この深刻さを政府・マスコミは理
解しているの?


尖閣:戦略の基礎は外的環境の把握。「中国がどうすべきか」でなく、「中国
はどうするか」。中国の対応予測、日本側未熟。


歴史的に日本外的環境把握が弱い。日中戦争、ノモハン、三国同盟真珠湾
相手の反応過小評価。今のまたその愚を継続が。国際政治は「あるべき」で行
動すべきでない。相手の過激な行動をどう押さえるか、それをまず考えるべし。
道徳の競争でない。」


尖閣:「モンデール(駐日)大使は島の領有につき米国立場をとらない。
米軍は条約によって紛争への介入を義務ずけられるものでないと発言」と
報道(1996年9月15日)。この発言のもつ意味を日本は真剣に考察す
べし。米国が常に後で支える訳でない。それを踏まえて我々の行動を考える
べし。


もし管政権が初閣議で「領有問題は存在しない」と決定〈産経ニュース)した
政策を続けるなら危険。
1996年以降米国は係争地としている。繰り返すが
政府は係争地での公権力の行使は武力衝突につながる性格を持っているとの危
機感を持っているのか。
自らの主張をするのと危険認識は別。



国務省報道官はここ二週間尖閣にほとんど言及せず。在ワシントン記者は
国務省に「尖閣列島に対する米国の立場」を何故今質問しないのか。
「新外相に対する見解は?}と答えの分かりきっている問よりはるかに重要。
従来の米国姿勢を勉強し論戦挑めば米国の評価も変わるでしょう


尖閣:戦略とは?紛争当事者が『勝利を追求し合うからといって、戦略の理論
は当事者の利益が常に対立しているとみなすわけでない。「勝利」という概念
は敵対する者との関係でなく,自分自身が持つ価値体系との関係で意味を持つ
シェリング、小生著「日本人のための戦略的思考入門p24


1969年一平方キロに満たない珍宝島をめぐり六五万のソ連兵と八〇万の
中国兵睨み合い。イラン・イラク戦争は川のどこに国境線を引くかで戦争二〇
万人以上の死者。外から何と馬鹿と思える事態。領土問題は魔物。
それだけに双方が英知を集め常に沈静を保つ努力が必要。


@kharaguchi:1996年11月外務報道官談話「尖閣の領有問題につき、米国は
日本政府に公式にいずれの国の立場を支持しないと通報したと述べる。
2004年3月米国エアリ副報道官「尖閣の主権は係争中である。
米国は主権問題に立場をとらない


尖閣:9月20日米国務省プレスブリーフ。「これは日中の二国間問題。外交的
手段での解決望む」。米国は同盟国日本の立場を支持すると言っていないことに
要留意。尖閣問題で中立という立場はここでも示されている


9月7日付英テレグラフ紙:世界政策エリートのコモ会議、論議の一つが先鋭化
しつつある中国若手将校を中国中央が統治できるか。シンガポールの教授は19
30年代の日本と類似と指摘。ハーバード大ファーガソン教授は南シナ海での中
国海軍動向に警戒。


尖閣ナイ教授は国際政治を国家主体、安全保障、軍主体の『リアリスト」の
世界と『複合的相互依存」に分類。前者戦争の危険あり。後者なし。

後者は今日の仏・独関係。しかし第一次第二次大戦時は前者。第二次大戦後意図
的に『複合的相互依存」を構築。今日日中関係に欠けているのは後者への動き



@minorucchu 安保条約「日本の管轄下」への攻撃の際、「自国憲法に基づき行動」。
米国では戦争は議会の権限。従って米国の条約上の義務は議会で検討するまで。
さらに05年2プラス2で島ショウ防衛は日本の役割。中国攻撃時米軍即でず。
中国占拠なら管轄地は中国に移り安保対象外。


@IppanDokusha @minorucchu 日本は米国姿勢を容認。1996年11月日本外務報
道官談話(尖閣列島に関して米国政府が公式に通報し米国はいずれの国の立場
も支持しないと報道された。これに対する見解を問われたのに対して)我々は米
国の立場を承知し理解している。


@AcefaceDX これが最大の問題。対象は事実。しかしそれと米軍出動とは違う。
2005年2+2、「役割」で「日本は島ショウ等自ら防衛」。
米国即時出動にコミットせず。それを1996年モンデール駐日大使が発言。
中国が占拠し管轄すれば安保対象外になる。米条約守りかつ軍事介入避ける


magosaki_ukeru 私がもし米国の陰謀家なら何故今日本に中国漁船拿捕をさせる
か。(1)東アジア共同体など日本に日中緊密化の動き、阻止、(2)防衛大
綱見直し検討(3)普天間など米軍存在意義抑止論。中国脅威+(4)自衛隊
を米戦略一体化。中国は10月党中央委員会。次期指導体制検討。弱腰出来ず
。緊張不可避


magosaki_ukeru 6月8日初閣議尖閣列島で「解決すべき領有権の問題は存
在しない」の答弁書決定。係争地なら武力衝突につながる国家権力使用は抑制。
鳩山前総理は国際的協議慎主張。領有問題なしなら日本領への侵入。断固たる
措置可能。「初閣議」で準備ない者に誰が主導権をとってこの決定をしたか。
要チェック


9月16日アーミテージ官房長官訪問。「中国日本を試している」と発言。
多分緊張回避でなく日本の毅然とした態度進言。
15日記者クラブで講演。
防衛費を増強、比沖での海兵隊訓練に自衛隊の参加を提言。私のツイッター
「私がもし米国の陰謀家だったら」と全く偶然に方向が一致。
不思議なことである。



尖閣、歴史の教訓(米国の謀で領土問題で踊らされる日本)、マイケル・シャラー:
千島列島へのソ連の主張に(日本が)異議を唱えることで、米国政府は日本とソ連
対立をかき立てようとした。うまくいけば、北方領土についての争いが何年間も日ソ
関係を険悪なものにするかもしれないと彼等は考えた。


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尖閣関係、以上。

尖閣諸島は「領土問題」であると、アメリカが認識している。
アメリカは、そこで問題がおきても介入しない。日中二国間の問題。
そういっているのを知っていて、日本は、領土だと決定。

それを決定したのは、誰か。要チェック。そう孫崎氏は言っています。

また、「領土問題」あるところで公権力の行使は、血を見る。
戦争一歩手前。
それがわかっていて、船長を拘留。さらにアーミテージが、「毅然とした」
態度をとるよう進言。

日中関係が緊張して、漁夫の利をしめるのは誰か。
そう孫崎氏は言っています。