地デジ化の不思議

ときどき話題にのぼりますが、全国のテレビ総入れ替えなんて、アホらしすぎて
話にもならないようなことを、これまた不思議にも誰も異議をとなえない。


民主党の原口大臣になったとき、何か言うかと思ったら、やっぱり言わないんですね。
わたしは、こんな理不尽にはついていけません。テレビは見ないに限る。少しも見たい
番組ないです。


子どもの頃、てなもんや三度笠のようなお笑い番組を見ていると、父親がバチバチッと
チャンネルをNHK教育テレビに回すんです。これが嫌で嫌でたまらなかった。それが、
1990年代くらいかなあ、まともなのはNHK教育テレビだけだと思うようになった。
いまは、もう、テレビはやめました。ネットの方がうんと面白い。


ところで、以下の池田信夫氏ブログによりますと、デジタルテレビ買わなくても、BSで
見られるようですよ?? もっとよく調べないとよくわからないんですけど。
この記事によりますと、BS技術で充分対応できていたのを、わざわざ大事に仕立て上げた
もののようで? ご関心の向きは、お調べください。


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http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51495498.html
地デジという壮大な無駄づかい


読売新聞によれば、総務省は来年7月のアナログ停波のとき、アンテナ工事が間に合わない
世帯がBS経由で地デジ番組を視聴できるようにする「緊急対策」を講じるという
。これは私
が以前の記事で紹介したBS291〜8チャンネルのスクランブルを外すということだ。
この対策にはまったく予算はかからない。なぜ総務省は、今までこういう対策をとらなかった
のだろうか?



それは団藤保晴氏も指摘するように、「デジタル化は最初からこのBS方式にしていれば現在
のような大騒ぎはなかった」と認める結果になるからだ。今のBSチャンネルはSDTVだが、
チャンネルは余っているので3チャンネル取ってHDTVにすれば、地デジとまったく同じ放送が
全国100%にできる。というか、10年前にできていたのだ。



これについては郵政省(当時)でも議論があり、省内にも「衛星でやれば200億円ですむデジ
タル化を1兆円以上かけて地上波でやるのはリスクが大きい」という反対論
があった。
しかし衛星によって「炭焼き小屋」になることを恐れる地方民放の反対で、1万局以上の中継
局をすべて建て直す壮大な浪費プロジェクトが決まったのだ。



くわしい経緯は『新・電波利権』に書いたので繰り返さないが、このような無意味なプロジェクトに
3000億円以上の国費を投入した地デジ
は、戦艦大和青函トンネルにも比すべき大蔵省
の「バカ査定」として歴史に残るだろう。



そして10年前から林紘一郎氏や私などが提唱してきた「水平分離」に反対して、氏家会長
(当時)が首相官邸に「直訴」までした民放連も、今度の放送法改正に際しては水平分離を強
く要望した。経営危機に直面して初めて彼らの目も覚めたのだろうが、残念ながらもう遅い。
デジタル化を水平分離で行なえば、インフラは衛星でも光ファイバーでもよかった。
無駄な中継局への投資は必要なかったのだ。



この無駄づかいで地方民放がつぶれるのは自業自得だが、これによる電波の浪費は国民全体の
損失だ。BSデジタルを2000年に始めたとき、地上波の放送をすべて衛星に移行しておけば、
UHFとVHFの400MHz以上を空けることができ、日本は世界トップの無線ブロードバンド先進国に
なれたはずだ。これから地方民放が全滅すれば、10年ぐらいかけてそうなるだろう。
日本の電波行政の「失われた20年」の代償は大きい。


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