目撃されたダボス会議における記者クラブ

鳩山元首相が、英語で演説したニュースが流れたことがありました。25%の二酸化炭素だか
なんだかの削減を世界で率先して行うと宣言した、と大々的に報じられたことは、まだ記憶に
残っています。


先日の上杉隆氏の筑波大学での講演では、記者クラブのタコツボ報道のおかげで、こんなことも
まったく世界には報じられなかったのだそうです。


聞いたとき驚きましたが、ダボス会議での記者クラブの現実が、ツィートされています。
ツィート主は、堀義人氏。


プロフィールは、http://blog.globis.co.jp/hori/profile/index.html
京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。
住友商事株式会社を経て、1992年株式会社グロービス設立。1996年グロービス・キャピタル、1999年 エイパックス
グロービス・パートナーズ(現グロービス・キャピタル・パートナーズ(G C P))設立。2006年4月、グロービス
経営大学院を開学。学長に就任し、自ら「企業家リーダーシップ」科目の講師として教鞭をとる。
(略)
著書に、『創造と変革の志士たちへ』(PHP研究所)、『吾人(ごじん)の任務』 (東洋経済新報社)、『人生の座
標軸』(講談社)、『ケースで学ぶ起業戦略』(日経BP社)、『ベンチャー経営革命』(日経BP社)等がある。



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ダボス会議に関する日経の見出しを読んでビックリした。
今回良くわかったことは、「マスコミ」を信じては、いけない」と言うことだ。
もうマスコミ批判に無駄エネルギーを注ぐのを通り越して、マスコミを無視する時代に入ってきているのだろう。


今回の日経の記事を書いた記者は、同行記者だという。
つまり、ダボスには、首相と一緒に来て、一緒に帰っていった。

恐らくダボスの様な会議には参加したことも無いだろうし、世界のリーダーの話を聞いたがあるかどうかも、不明だ。
ここが無記名記事の問題点だ。


本来、「上滑り」、とか 「抽象論に終始」と言う主観的表現は、どうどうと記名して述べるべきだ。 また
国債格下げ言及せず」とあるが、なぜ言及しなければ、ならないのだろうか。トップが集まる場では、そんなことは
関心事ではない。質問されたら、見解を述べればいいのだ。


トップが集まる場では、「姿勢」や「考え方」を示すことが一番重要だ。一番良いのは、最も抽象度が高い、思想、
理念や哲学を伝えることだ。先ずは、トップの人間性が評価されるのだ。その「理念」に必要な具体的なアクション
は、必要に応じて言及すれば良い。


この記事を見て、竹中さんが言っていた「批判の3原則」を思い出した。それは、①逆の事を言えばいい。つまり、
具体的過ぎると、「細部を見て全体を見ていない」と言えば良く、「思想・哲学を伝えていると、「抽象論に終始」
と批判すればいいのだ。つまり、何でも批判はできてしまうのだ。


批判は、自由だ。だけど、自由には責任を伴う。主観や印象を述べるならば。記名でどうどうと書くべきだ。ツイッ
ターは、その点誰が書いているかが、明確になる。的外れなことを書けば、叩かれる。「海江田大臣を評価しない」、
と書けばリスクがあるであろう。僕は、承知で自分に率直に書いているのだ。


マスコミも同様だ。僕は、日経を批判するよりも、書いた記者そして、その記事を出すことを決めたデスクを批判したい。
でも、残念ながら、それが誰だかはわからないのだ。
ま、いずれにせよ、ツイッター・ブログ、UST等の直接メディアが、これから栄えるであろう。


僕の結論は、あまり無駄なエネルギーをマスコミ批判に注ぐよりも、マスコミの記事に懐疑心を持ち、可能な限り別
の情報ルートを持ち、自分の頭で判断することが、重要だという点だ。さ、シャワーを浴び、仮眠をとり、サウジでの
仕事に備えよう。ホテルに着くなり、先ずは、ツイッター、でした。


そうですね。鋭い指摘だと思います。RT @nextbaron その前に、地域の小さな取組みに光を当てる記者さんと官邸等
にたむろする記者を区別すべきですね。


僕が、観た「ぶら下がり」の異常さについて、皆さんと共有しよう。
世界のトップが集うだ某会議のメインフロアの、大会議室とカフェカウンター間の最も目立つところに、
若い日本人記者がたむろしている

そこに、福山副館長長官が現れ、紙を読みながら、日本語で先のプライベート会合の報告をする。


それを、その若い記者達が、立ったまま小さい白いメモ用紙に書き写していくのだ
僕も近づいたが、よく聞こえないのだが、皆一生懸命に書き写している。
単純に思う事だが、こんなことをするならば、官邸側でプライベート会合の様子をウェブで配信すれば手間も省けるとし、
スピードも上がる。


そして何よりも、皆の知る権利が担保できるであろう。実は、このプライベート会合が重要なのだ。
参加者は、前国連事務総長のコフィ・アナン氏等錚々たる面々で、そのモデレーター役を、緒方貞子さんが務めていた。
参加者の、長谷川さん、田坂さん、加治さん等に反応を聞くと、一様に良かったと聞く。


④この内容を、福山さんが日本人記者に伝えていたのだが、その内容は紙面には結局掲載されていない。
ごく一部のメディアしか知らされずに、終わっている。
「これを変えればいいじゃない」と普通に思うのだが、変えようとすると、メディアからの強烈な抵抗があるのだと、言う。


⑤「抵抗」とは、スキャンダルの暴露とか、批判的な記事のオンパレードとかも含まれると言う。
そこで、まだこの状況が続いているのだ。
この閉鎖的な記者クラブ体質を変えない限りは、一部メディアの情報操作によって、世論が左右される状況が続くであろう。


⑥そして、その古い体質が、ダボス会議にも持ち込まれて、「日本セッションを日本人記者のみに解放せよ」、
と言う理不尽な要求に繋がっていくのである
(セッションの質疑応答の時間に川口順子さんが、フロアから堂々と質問したところ、ダボス側は、その理不尽な要求を蹴った、
ということを確認した
)。


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なんか、恥ずかしくなるような記者クラブの現実。
「変えようとすると、メディアからの強烈な抵抗」があり、それは「スキャンダルの暴露とか、批判的な記事のオ
ンパレードとかも含まれる」なんて、信じられない世界ですね。


小沢一郎がなぜあんなに大新聞から嫌悪されるのか、記者クラブ制をいちはやくオープンにしたせいだとか
よく言われるけれど、まさか、としか思えませんでした。しかし、これじゃあ、やっぱり・・・・・。



ついでに、株のNEVADAブログから。
菅首相と個別に会談できたお相手が米国投資家のジョージ・ソロス氏ひとりだけだったと。

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http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/3407017.html
2011年01月31日ダボス会議での会談相手(日本)


今回のダボス会議では世界中の主導者が集まり、今のユーロ危機、北アフリカ危機等につき、忌憚ない
議論をしたようですが、では菅総理は誰と会談したのでしょうか?


ドイツ  :メルケル首相
イギリス :キャメロン首相
フランス :サルコジ大統領
ユーロ  :トリシェ中央銀行総裁
アメリカ :ガイトナー財務大臣


その他、各国の首脳、元首脳が参加していましたが、日本の総理が個別で会談出来たのは、
ジョージソロス氏だけです。


それ以外では懇談会を開いていますが、集まった中で目がつくのはアナン元国連事務総長
サマーズ前国家経済会議議長といった「元・前」がつく、一線を退いた人物で、現地のスイス
日本大使館が東奔西走して「寄せ集めた」印象が強いと言えます。


政府専用機を使ってまで行く意味があったのかどうか、国会で議論するべきかも知れませんが、
日本の総理がダボスに乗り込んでいきましても、誰も積極的に会談したがらない今の現状を、
我々日本人はもっと真剣に考える必要があります。




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