従軍慰安婦問題と朝鮮併合の歴史・・・・IWJ インタビュー戸塚悦朗氏

従軍慰安婦問題については、たくさん本がありますし、断片的にいろいろ情報も得てきましたので
このインタビューブログもそのつもりで読んでいったのですが、これは、うなります。


要約は
「戸塚氏は元弁護士・龍谷大学元教授で、国際人権法政策研究所事務局長および日本融和会ジュネーブ国連代表を務めている。インタビュー前半の内容は主として慰安婦問題。そして後半は従来「倫理的に不当」ではあっても、「合法」とされてきた朝鮮の併合は、「不当」の上にかつ「無効」の疑いが極めて濃いという事実について。」


濃いインタビュー記事です。


ちなみにこんなすぐれたインタビューが、橋下の慰安婦発言問題のころだと思いますが六月になされて
いたのですが、IWJも有料になったので、拡散力に欠けるようです。
情報というものは、広がらないと力をもたないのですが、難しいですね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/90389
2013/06/24 【IWJブログ: 従軍慰安婦制度は「奴隷制度であり、 醜業条約違反であり、強制労働条約違反」〜戸塚悦朗氏インタビュー】


◇人権に対する意識が欠けている日本

戸塚氏「私は弁護士時代から『世界人権宣言』と、それを具体化した『国際人権条約』を何とか日本にとり入れたい、日本を人権先進国にしたいと思って努力してきたがうまくいかなかった。日本は人権先進国ではない。人権途上国です。人権というと『過激派』のように思う人もいますが、アメリカなどに行くと全然違う。人権と言うのは『保守』。人権先進国に行ったら、人権とは当たり前のこと。日本もそうなってほしいと思っています。

 憲法98条2項に非常にいい条文があります。これは『国際法を守りなさい』と規定。98条2項を通じて、国連が作った人権法を投入すれば、日本は人権先進国になれる。ところが、それをやろうとして結局うまくいっていない。



岩上「高校無償化等の政策は民主党が考えた政策だと思っていたが国際条約がある?」 

戸塚氏「あります。国際人権条約を守らないのは、日本とマダガスカルルワンダだけ。先進国で守らないと言ったのは日本だけ。鳩山総理(当時)は2010年1月に国会で子どもの命を守ると言って、この国際人権条約の留保を撤回すると言ったが、新聞はどこも報道せず。ある大臣は『情緒的だ』とさえ言いました。



戸塚氏「日本は国際的な違法行為をやった場合に国際勧告が出てきても、それに従うということが、戦前から慣行として存在していません。その時に止めていれば、第2次世界大戦を起こさなくて済んだのに。98条2項の条約遵守義務。戦前憲法にはなかった内容です。戦後憲法を作るときに、戦前は国際法違反をやりすぎた。だからそれを入れてほしいと、マッカーサーではなく外務省側が提案し、98条2項ができたんです。日本は戦前に国際法を守らなかったことを反省し、守らなければいけないと戦後憲法に書き、条約を全部守るんだと言っていたのに、学者も庶民も98条2項を読む人なんていない。9条も大事だが98条2項も大事。車の両輪」



戸塚氏「人権はフランス人権宣言でできたとみんな思っています。が、それは男の権利アメリカ独立宣言の当時の人権規定も男の権利と書いてあります。ヒューマンライツ、男と女の権利と初めて言ったのは1942年の1月1日の連合国宣言。日本やドイツ、イタリアなどに『人権を確立するために』という目的で連合国宣言ができ、新たに発足した国際連合が、連合国宣言をもとに1948年に世界人権宣言を作りました。人権確立のために条約も多数作りました。日本は人権に関する条約に批准をしても、それを守らない。守らせるためには98条2項だけでなく個人通報権条約の批准が必要です。民主党マニフェストに入っていたができなかった。官僚が抵抗するから」
(知りませんでした〜。日本だけが戦後に男女平等になったというわけではないんですね。世界人権宣言とその条約の意義、少なくとも女はしっかり認識すべきなのだ。)




慰安婦問題



戸塚氏「日本人は男性社会。普通の人権問題なら受け付けるが、慰安婦やセックスの問題で『日本がこんなこと』をしたと言われると、それ自体で受け付けられないのではないか。知人の弁護士も『考えるのも嫌だ』と言っていました。ある新聞記者からは『あんた、それでも法律家か』と非難された。『性の問題を国連で日本人が持ち出すのはけしからん』と思ったのだろう。私はカチンときた、法律家として国連で『勝訴判決』を勝ち取ろうと猛勉強した。国連で性奴隷(セックススレイブ)という言葉を使ったのは間違いではなかった。他に表現方法が思いつかない。国際法違反を言わなければいけないので。奴隷禁止は、国際慣習法として世界中が認めています。日本政府以外は」



岩上「奴隷制禁止を日本は認めていない?」 


戸塚氏「1920年代にできた奴隷禁止条約に日本は批准していない。しかも、憲法98条2項で、確立された国際法規は守らなければならないと書いてあります。国際慣習法は確立された国際法規。もし自分が女性で、1日に10人も20人も日本兵のセックスの相手をしなければならないという状態を考えたら、たまらないと思いました。とても生きていられないと。体験談を読んで、これは『奴隷だ』としか思えなかった」

岩上「自由もなく、意に反して、強要されて、だまされて連れてこられた人達がいる。それらをトータルで見ると、望まぬことを強要される奴隷状態に置かれた人という定義になるのでしょう」

戸塚氏「奴隷は『所有物』。だから、『所有者』が『所有物』に対して人権を認めていないということ。そういう関係について、他の言い回しがちょっと考えられないので『性奴隷』という言葉を使いました」





岩上「橋下氏の発言が国内外から叩かれると、自民党は態度を豹変させた。橋下氏と同じ歴史観を抱いているのに、『女性の人権を何だと思っているのか』と批判しつつ、稲田行革大臣などは会見で『当時、慰安婦制度は合法だった』と発言しました」


戸塚氏「当時は『合法だった』などとと言うが、国連では『奴隷だ』という報告書が出ました。ILOも強制労働条約違反だという報告を出しました。つまり犯罪です。この条約は日本も1932年に批准しています。違反者は処罰しなくてはいけない」


岩上「日本はなぜ奴隷禁止条約に入っていないのか」 


戸塚氏「入る入ると言って、結局入りませんでした。むしろ、強制労働条約に何で入ったのかということが不思議。(当時の日本の官僚にも)良心的な人たちがいたのでしょう。奴隷を禁止する条約に「醜業3条約」があります。奴隷条約より前にできました。日本は1927年に批准。違反者は処罰。1,21歳未満女性を醜業(売春)目的で使ってはダメ。2,青年の場合も暴力による醜業はダメ。3,騙して醜業させてはダメ。奴隷制度を禁止する条約にはいくつかあります。奴隷禁止条約はあらゆる奴隷制度をカバーするもの。強制労働条約は強制労働だけに絞った条約。醜業3条約は女性と性的サービス(売春)にターゲットを絞った条約。醜業3条約は、植民地除外規定がありますが、内地で許可して制度を作り、内地の軍が業者に依頼して女性を集め、日本の船で内地に寄り、外地に行きます。全部日本に関係があります。日本軍がやっている以上、植民地除外規定は適用されない。奴隷禁止に関して、日本が批准した条約の条文を探し出し、92年5月に国連の奴隷制部会で発表して認められ、『ファン・ボーベン国連最終報告書』が決議されました。日本が人権問題で公に国連から批判をされた最初の事例」




戸塚氏「国際法律家委員会(ICJ)が94年に日本を訪問しました。また、『コンフォート・ウーマン(慰安婦)』という本(報告書)を全世界に1万部ほど配布し、国連にも提出しました。発表前にICJが秘密裏に日本政府にも送っていました。ICJが日本政府に94年9月2日に送りました。当時、村山首相が民間基金での解決方針を8月末に打ち出しました。その直後、この原案が原稿の段階で、ジュネーブの代表部に送られました。村山首相は民間基金による解決方針を打ち出したが、ICJが日本政府に送付した原稿には『奴隷じゃないか。きちんと補償しなきゃいけない。処罰もしなきゃいけない』そういうことが書いてありました。ICJが送付した原稿は、通常2日で届くはずなのに、官邸に届かず。後で調べると、外務省の担当課長が引き出しにしまったのを忘れていたと弁明しました。その時に民間基金を作る相談を与党3党(自・社・さ)でやっていました。その人達は『なぜ俺たちに見せないんだ』と怒った。外務省は『この団体は物凄くいい加減で、外務省にも訪問しないで報告書を出しました。だから信用しないで』などと言うもんだから、騙されて、見なかった」
(これが、いわゆる官僚の抵抗というやつですね。)



岩上「ICJという団体はいい加減な団体なのですか?」 

戸塚氏「いえ、アムネスティインターナショナルと並んで、世界的に信頼されている著名な人権団体。ICJから外務省に抗議団が来ました。『以前に、きちんと訪問しているじゃないか』と。ICJが送付した原稿は、総理大臣も官房長官も見ていない、国会議員も誰も見ていないし、『見たい』と言っても見せない。結局、何も見ないで民間基金を決めてしまいました。民間基金設立にはそういうプロセスがあります」



岩上「戦後賠償は解決済みという理屈がありますが?」 

戸塚「戦後賠償ではなく、重大人権侵害の被害者にはきちんと補償しなさいという趣旨

岩上「日韓では国家賠償に関して『終わった』との意見がありますが?」 

戸塚氏「日本は(日韓基本)条約で『終わった』と国連で言いますが、その話とは違います。国家補償という話。阪神淡路大震災でも(国は)抵抗しました。原爆(の補償)は例外。仮に、(日韓基本)条約で全て『終わった』にしても、(賠償を)払っても全然問題ない。私達は日弁連で研究しました。ただ、条約を一つずつ全部検討していったら、『終わっていない』という結論になりました。クマラスワミ報告やマクドゥーガル報告など、国連から様々な報告書が出てくる。それで条約を一つずつ検討していったら、『やはり終わっていない』という結論になりました。日韓の場合、要するに65年の請求権協定で『全て終わった』と条文に書いてあるというが、それは経済協力の問題。犯罪の問題ではない。犯罪問題については何も終わっていません。犯罪問題に関しては不処罰が問題。処罰義務が今でもある。醜業条約もILO条約も、処罰義務があります。その処罰義務について、国際法の条約には時効がない。65年の日韓協定で処罰問題も解決したとも書いていません。実際、国際法上、それは許されないが、処罰問題が解決したと書いてもいません。ずっと処罰義務違反があります。実際に処罰しなければいけない。処罰が遅れても軽くても。被害者補償もしなければいけない。それが国際法上の原則」




戸塚氏「慰安所は『公娼制度』ではない。登録も指定もされていない。それに国内法だけの問題ではない。仮に国内法で合法であっても、国際法上は違法。さらに、慰安婦制度は奴隷制度であり、醜業条約違反であり、強制労働条約違反。慰安婦制度は日本の国内法では合法だったという意見があるので、違法だったという証拠を一生懸命探したら見つかりました。


 昭和11年2月14日宣告(判決)。第1審の長崎地裁刑事部。さらに、これの控訴審判決。これは長崎控訴院(高裁)の昭和11年9月28日宣告(判決)。この上の大審院最高裁)の判決も、判例集に出ていたが具体的な事実がわからない。しかし、こちら(地裁、控訴院)には全部、具体的な事実が書いてあります。発見の一つは、この証言(書籍「証言・強制連行された朝鮮人慰安婦たち」に記載)とそっくり。被害者は日本人。1932年の事件。普通の長崎の女性が騙されています。いい仕事がある、上海に行けばいい仕事がある、高給が稼げるといって連れて行かれている。いわゆる『醜業詐欺』。行ってみたら海軍の指定慰安所だった。さらに控訴院判決には海軍の『指定娯楽所』という言葉が。他の今までの歴史の研究にもなかった言葉。当初は指定娯楽所というのがありました。地裁では指定慰安所になっていますが。長崎の警察がこれを探知して一網打尽にしました。10人の業者等を逮捕して起訴しました。それは検察庁もしっかりやって、全員有罪になりました。


 大事なことは『海軍』ということがしっかり書いてあること。別に上海の『公娼』に連れて行ったとは書いていません。『軍の指定慰安所』というところに連れて行かれて性的サービスをさせられたと。どこで何日に何を言われて連れて行かれたと、一人ずつについて全部事実が書いてあります。これはすごく大事。どうしてかというと、指定慰安所に騙して連れて行くと、刑法上の誘拐罪なんだと認定。しかも国境を越えた誘拐罪。海外移送。これは当時の刑法に違反。奴隷狩りのように縛って船に連れて行くようなことをせずとも犯罪。略取あるいは拐去(かいきょ)、そういう暴行脅迫による連行と、騙して連れて行った誘拐による連行とは刑法では同じ条文。刑も同じ。条文も同じ、刑も同じ。方法が違うだけ。なぜなら本人の真意ではないからです。騙されてるか暴行脅迫か、手段は違うが真意じゃなく連れて行かれたわけ。安倍さんや橋下さんは強制の証拠がないと言うが、事実を認めた公文書があります」



戸塚氏「慰安婦制度が犯罪だったのは間違いない。日本は大審院最高裁)も認めたのだから、慰安婦制度をこの事件を機にやめればよかった。外務省や内務省は初めはやめると言いました。しかし、軍がどうしても必要だと言っている、だからやむを得ないと。内務省の文書を見ると『どうしても軍が必要だ』と言っていると。橋下さんの言い分とぴったり一致。『軍人が戦場で走り回っていたら必要』と。違法でも『必要なら』と認めちゃうわけ。本来は、軍が何と言おうと違法ならやめなければ。違法になるのでどうしたか。『21歳以上でなければいけない』『本人が希望しないといけない』『家族がOKしないといけない』そういう条件を満たした場合に、本人が警察署に出頭して調べて、中国行きを許可するとしました。

 ところが抜け穴がありました。事実上ルールを守っていない。日本人でも連れて行かれた子どもがいます。それに、満州などは許可がいらなかった。中国は必要だったようですが」

戸塚氏「なぜ慰安婦制度を隠したか。兵士の家族にばれたら『銃後の守り』がおかしくなってしまうので困ると。絶対に秘密にしなければならないと。口が腐っても『軍が許している』とか『軍がやる性的サービス』と言っちゃいけないと書いてあります。(募集により女性が)軍に行く際は『軍の売店』や『食堂』で働くと言えと。もしくは『軍』と言わないか。要するに『慰安所』も『そこで遊ぶだけ』と」

岩上「中曽根さんは慰安所を作ったと本で書き、問題になると『碁を打っていた』と。信用できる業者を選定し、性的サービスをするとは言ってはいけないと。言ったら厳罰にすると。ばれた時に困らないように憲兵や警察に連絡して逮捕されないようにせよと、内務省と軍が打ち合わせて通達を出しています。絶対に禁止しないといけないものを、どうやって法をかいくぐって行うか、結局、実際上、全部騙すしかなくなる。なぜなら兵士の家族にばれたら困るから」 





戸塚氏「慰安婦朝鮮人女性が多かった理由。朝鮮の総督は海軍と陸軍。軍人がトップをやり、憲兵も警察も日本が全部握っていたため、違法の黙認が容易。それと、朝鮮の女性が一番性病が少なかった。シベリア出兵の頃から軍は研究していました。慰安婦として連れて行かれた朝鮮女性に性病が少なかったのは、性道徳の厳しさと、『子ども』だったから。だが、子どもだったら仮に『同意』していても違法になります。日本の司法制度がもっとしっかりしていたらできなかったはず」





戸塚氏「橋下さんのは『合法じゃない。違法だけど、処罰はされない』という趣旨。慰安所も『違法だけど、処罰はされていない』というもの。同じこと。なぜ日本で処罰がされないのか。私は原因をたずねていった。なぜ日本が朝鮮で慰安婦を簡単に集めることができたのか。やはり『植民地だから』でしょう。そもそも植民地での法律は一体何なのかと考えると、最初にどうやって朝鮮を植民地化したかがすごく重要だと考えた」



◇韓国の併合は「不当」の上にかつ「無効」の疑い

戸塚氏「1910年の韓国併合。日本の常識では、韓国側が希望したので、韓国を日本の一部にしてあげようということで併合したと。条約によって韓国が日本の一部になったと」 

岩上「教科書にもそう書いてあります」

戸塚氏「韓国併合条約とはどんな条約だったのかを調べました。1992年、ロンドン大学の図書館で、国際法委員会(インターナショナル・ロー・コミッション)という、国連総会の下部組織の非常に権威のあるレポートを調べました。1963年の国連総会に提出されたレポートから、日本も批准している『条約法』という条約の起草段階のものが出てきました。その中では、どのように条約を締結するのか、締結した条約が無効になる場合などが決まっています。そのレポートでは、国家の代表に対する強制があった場合は、その締結した条約は絶対的無効だと。絶対的無効という意味は、あとで有効だと追認することができないというもの。国家に対する強制や、戦争の結果結ばれた条約の場合は有効。だが、条約を結ぶ際の代表個人に対する強制があった場合は無効だと。それは『意思』がないから。その現実の事例が四つ書いてありました。

 その一つが、1905年の韓国保護条約。韓国併合条約の5年前の保護条約。韓国が外交権を日本に譲るという内容。韓国には統監府を作りました。初代統監は伊藤博文公爵。保護条約が「無効」という理由は、韓国の閣僚や皇帝が、日本軍の強制を受けたからだと。韓国併合条約は統監が結びました。天皇に任命された日本の統監が韓国の政府との間で結んだと。1905年の保護条約が違法になると、統監の存在そのものも違法になります。違法な人が合法な行為はできないというわけ。外交については統監が全て指導しました。法律上、両方の代理をやることはできないが、韓国政府の代表者も全て統監によって命令され併合条約を結びました。保護条約が違法である以上、韓国併合は無効だと結論付けた。



 私は『韓国併合は無効』という論文を書き、本岡昭次先生に送りました。すると、『これを今すぐ発表すると、誰もそんなこと知らないから、あなた殺されるよ』と言われたんです。親しい某大新聞の記者にも同様のことを言われました。私は『韓国併合は無効』という論文を英語で書き、1993年の1月か2月に、国際融和会を通じて国連人権委員会に提出してもらいました。毎日新聞で報道され、韓国でも英字新聞が報道し、世界に知られることになりました。韓国の学者と交流を開始しました。ソウル大学で韓国史を研究する李泰鎭イ・テジン)教授が条約問題に一番詳しかった。『あなたの言ってることはまだ不足だ』と、李教授はびっくりすることを言いました。1905年の保護条約の原本がソウル大学にあります。李教授は『タイトルがない』と言いました。日本政府の英訳には『コンベンション』という英語のタイトルがついています。ところが韓国語の原本にはタイトルがない。実は、同じ物の日本語版が日本政府にあるので、日本の外務省の外交史料館に行って見てみました。そしたら、やはり日本語版にもタイトルがない。
結局、韓国版にも日本語版にもタイトルがない。条約の原本にタイトルがない。しかし、なぜ英語版にはついているのか。日本の外務省が出した条約集にはタイトルがついています。外に出すものには、原本にないはずのタイトルがついている。これは偽造・捏造ではないのか。原本は完成する条約の『原案』だった可能性もありますが、これに日本側も韓国側も外相が署名し印鑑を押している。ところが、実際は、日本の憲兵が印鑑を持ってきて、本来ではないものをここに押したんだという。無理やり署名をさせたと。この時は韓国総理大臣が卒倒するほど反対しています。これらの理由から、条約として成立せず、捏造と言われても仕方がない。さらに、一番問題なのは、皇帝が反対していること。高宗(コジョン)皇帝が最初から反対し続けました。韓国代表の外相が署名し、印鑑を押した後、もう1段階、批准の手続きがあります。批准は皇帝がサインし印鑑を押さねばならないと韓国憲法で規定。その批准書が見つからない。批准書が見つからない。韓国側だけでなく日本側の批准書も見つかっていません


岩上「日本側ということは天皇の?」 

戸塚氏「そうです。要するに批准書はないとみるべき。批准書がないというのは一体どういうことか。NHK韓国併合問題を放送した時に、李教授が『韓国の皇帝が批准していない』と言いました。これに対し『韓国併合』という本を書いた海野福寿先生が、『当時は「略式」があり、批准はいらなかった』と言っています。海野先生は、韓国併合は無効という主張に当初賛成していたと思います。そのため、『批准がいらない』という海野先生の意見は本当なのかと疑いました。一方、ソウル大学国際法の先生(ペク教授)は批准が必要と言っていました。批准が必要か不要かを調べてみました。 1905年当時、国際的に権威のあるホールというイギリスの学者の学術書に『批准が必要』と書いてありました。さらに、当時出版されていた、日本人が書いた国際法の本を全部調べました。結論から言うと、当時の、日本人学者が書いた非常に立派な国際法の本に全部、『批准が必要』と書いてあります。さらに、外務省の倉知鉄吉という高官が書いている本。この人が『批准は必要』と書いています。倉知鉄吉は、韓国『併合』という言葉を発明した人。総督府にいて、伊藤博文の統監時代に、事実上の秘書官でした。韓国の保護条約を作るときも関与。併合の当事者のこの人が『批准は必要』と書いています。倉知鉄吉は、批准が必要だと知っていたし、外務省は批准必要説でした。



 海野先生が言う『略式』を調べてみたら1930年代の資料。外務省が作った極秘資料。しかも日本側の手続き。1905年の当時の資料ではなかった。1905年当時の日本の学者の認識というのは、全てまともな人は『批准必要説』でした。不要説は一人もいなかった。国内外の国際法の権威者が全て「批准が必要」と言い、『批准がないと効力がない』と言っています。海野先生はこういうことを調べていません。国際法条約の専門家ではないから無理もないが。NHKは海野先生を唯一の権威だとして番組に出しました。僕はNHKが悪いと思う。日本の国際法の先生方も、この問題では黙っています





戸塚氏「皇帝の署名がどこにもない。日本側がそれを出せない。さらに、逆のものが出てきました。何かというと、伊藤博文の復命書。伊藤博文が日本に帰ってきてから、天皇に復命書(報告書)を出しました。その中には『皇帝がぐずっていたが、最後は理解し同意した』などと書いてあります。ところがその復命書の原案を作った人、枢密院事務局長の都筑馨六が。都筑馨六が筆で書いた復命書の原案を、朝鮮大学の先生が国会図書館の憲政資料室で見つけました。『高宗皇帝が同意しなかった』と書いて、消した跡がちゃんと読めます。『同意した』と書き換えて復命書になっているんです。都筑馨六は伊藤博文にくっついて行っており、高宗皇帝が同意しなかったのを知っています。だからそう書いてあったのです」 

岩上「天皇への報告すらも偽造するとは…」

戸塚氏「天皇が嘘を聞かされていたのが真相だと思います」

岩上「先生のお書きになったブックレットに純宗(スンジョン・最後の皇帝)の遺言が載っています」 

戸塚氏「併合条約に批准しなかったと言っています。高宗もしなかったし、純宗もしなかった。せめてもの抵抗だったのでしょう。日本の外交は、最初の段階から嘘で固められてきました。一番大事な、『同意したか・しないか』のところでさえも嘘。しかも『批准がなかったら無効』とわかっていたはずなのに、立派な国際法の先生方が沈黙していたんです。

 日本は百年間、日韓の併合条約が無効だったということを隠し続けてきたということ。これを一般の人々が知らない。日本がこれを認めるようになるには、百年かかるかもしれません。これは氷山の一角。日本は、不当性を認めなければいけません。旧条約(韓国併合・保護条約)は不法・無効だったと認めなければならない。不法な占領下で起こした慰安婦問題も国際条約や国内法において犯罪だったと認めなければならない。かつて私達の国は、命を物凄く膨大に奪った。それを認め、これからは命を大事にする、被害者にしっかりと謝る、国際条約を全部守る、個人通報権条約も批准する、これが、日本が『病気』から立ち直るプロセスです」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



つくづく読みながら、つらい思いをします。
顔があげられない。