報道抑制気味の過酷な福島第一原発作業現場状況

こんなツィートが流れてきました。
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@dadajiji: もう、何があっても驚かなくなっていたじーじですが、きょうは、福島大熊から茨城に避難している方から、娘さんがお子様が授かったと喜んでいたのに、医者から堕胎するよう言われた。まわりにもそんな方がいっぱいいるという。週末お見舞いに行くつもりです。
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dadajiji39 ‏@dadajiji 8月30日
千葉県柏市で家を建てようとした人から。「銀行がローンを組んでくれない。理由を聞いたら、線量が高いから建てた家は担保にならない。」外資系の銀行が特に厳しいとのことです。これも東電に責任を取っていただくしかない。
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KiyoShiho* ‏@swater0913 10月4日
関東の子供たちの内部被爆http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=281789 …危険というレベルを超えて、実害の域に。ホットスポット松戸・柏・つくば・取手など千葉と茨城の15市町に住む0歳〜18歳の子を対象に尿検査実施。85人中、実に58人(約7割相当)の尿から1ベクレル以下のセシウム検出。
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‏@hyodo_masatoshi 9月22日
9月9日、「米国の放射性物質に係る輸入規制」が拡大された。例によって御用メディアは報道しない。これまでの8県から14県に拡大された。輸入禁止県は、青森、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、山梨、長野、静岡の14県。これでどうやってオリンピックを開くのか。
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カネボウ化粧品の白斑 医師は甲状腺炎による尋常性白斑と診断し、化粧品がトリガーになった可能性を指摘:Behind the Days http://s.webry.info/sp/behind-the-days.at.webry.info/201310/article_4.html
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ひどい話でしょ?
さらに、福島原発事故現場の作業員が汚染水を浴びたという事故。
歪んでます。
三鷹のストーカー殺人は、ネットニュースでも事細かにほうじているようですが、こちらの方がたいへんなことでは
ありませんか。以下は朝日新聞デジタルの記事です。
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http://www.asahi.com/national/update/1009/TKY201310090157.html?ref=com_top6_2nd
配管外すミス、汚染水7トン漏れ6人被曝 福島第一原発
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 【川田俊男】東京電力は9日、福島第一原発にある淡水化装置のホースから高濃度の汚染水が漏れた問題で、作業員ら6人の体に放射性物質が付着して被曝(ひばく)したと発表した。汚染水にはストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットルあたり3400万ベクレル含まれ、建物内に約7トン広がった。6人はいずれも同日中に除染を終え、不調は訴えていないという。


トピックス「汚染水」
 東電によると、9日午前9時35分ごろ、協力会社の作業員3人が、原子炉を冷却した汚染水から塩分を取り除く淡水化装置でホースの付け替えをしていたところ、予定していたのとは別の接続部を外してしまった。汚染水は広さ約700平方メートルある建物の床全体に数センチたまった。作業員らがホースをつなぎ直し、10時50分ごろに漏れが止まった。建物の外への漏れはないという。汚染水はセシウムは除去されているが、ストロンチウムなどの放射性物質が残っている。今後、タンクに回収する。
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この何でもないよ、てな具合の記事の書き方。ホース外してしまって、どどどどと汚染水が七トンも漏れたんですよ。
水道工事を想像すればわかるけど、少なくともホースを外した作業員は汚染水を体の相当部分に浴びているよね。
直径五センチくらいの管だって、どどどどと溢れ出るとその水圧を抑えてつなぎなおすのはたいへんでしょう。
何人がかりかでつなぎなおすとき、その人たちも体の相当部分浴びてますよね。
700平方メートルの床全体に数センチたまるほどの水って、もうほとんど全身に浴びていませんか。三人の作業員は。
一時間以上、そこにいたわけですね。


それでね、「6人はいずれも同日中に除染を終え、不調は訴えていないという。」というような言葉を付け加える記者の
神経が信じられない。何ですか、これ。
次は毎日新聞デジタルの記事。



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http://www.asahi.com/national/update/1009/TKY201310090157.html?ref=com_top6_2nd
福島第1原発:作業ミスで6人被ばく 漏出汚染水は7トン
毎日新聞 2013年10月09日 20時05分(最終更新 10月09日 23時26分)


作業員が誤って外し、汚染水が漏れたホースの接続部=東京電力提供
拡大写真
 東京電力は9日、福島第1原発で、放射性汚染水から塩分を取り除く淡水化装置の配管から汚染水約7トンが漏れ、汚染水に触れた作業員6人が被ばくしたと発表した。それぞれの被ばく量はガンマ線が0.42〜0.11ミリシーベルトベータ線が1.2〜0.2ミリシーベルトだった。体内に放射性物質を取り込んでおらず、東電は健康への影響はないとみている。配管の取り換え作業中のミスが原因だった。漏れた汚染水は装置のある敷地外には流れ出ていないという。相次ぐ作業ミスで、福島第1原発における東電の管理体制が改めて問われそうだ。

 東電は、建屋内にたまっている高濃度汚染水については、まず放射性セシウムを吸着させる装置で処理。さらに塩分を取り除く淡水化装置で淡水にした後、溶けた燃料の冷却などに使っている。セシウムや塩分を除去するこれらの処理を経ても、汚染水には放射性ストロンチウムなどの放射性物質は残っている。


発表によると、今回の汚染水漏れは3台ある淡水化装置のうちの1台で起きた。9日午前9時35分ごろ、協力企業作業員10人が装置の空の配管を取り換える作業をしていた時、うち3人が誤って取り換え予定ではない通水中の配管の接続部を外してしまった。このため、配管から塩分を取り除く処理前の汚染水が漏れ出した。漏れた汚染水の濃度は、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり3400万ベクレルと高濃度だった。

 その後、作業員1人が加わり計11人で配管の弁を閉めるなどの対策をとり、汚染水漏れは約1時間15分後に収まった。

 各作業員は汚染を防ぐ防護服の上に雨がっぱを着用していた。しかし、防護服は防水性ではないため、11人のうち6人は、胸や腹、尻、足裏など体の表面から放射性物質を検出した。6人とも9日中に除染が済み、治療の必要もなかったため帰宅した。
 東電は「なぜ予定外の配管を外そうとしたのか、原因を確認している。このようなトラブルが続いており、何とかこの連鎖を断ち切れるよう、現場の支援をしていきたい」としている。【鳥井真平、奥山智己】
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毎日は、トップがこの記事で、内容も詳しくやや良心的。
朝日は、あの記事のあとは有料なんです。ばかばかしくて・・・・。
しかし、作業員が「体内に放射性物質を取り込んでおらず」なんて、東電の発表だけ書いてていいんでしょうか。
だれがそんな高濃度のものを「体内」に取り込みますか。ばかげた言葉。
小出裕章さんの話ですと、あのタンクがちゃんとした鋼鉄で溶接したものでないのは、その現場でゆっくりと
作業することができない環境にあるからなのだそうです。それくらいひどい汚染環境だと。
そういう環境だから、白い「防護服」を着てカウンターもって作業に入っているのでしょうが、それがずっぷり
直接汚染水に濡れて、そこに一時間以上もいて、無事ということがあるでしょうか。
「治療の必要もなかった」なんて、いかにも軽そうに言うことは、むごい話ではありませんか。
今後を心配するくらいの想像力を働かせて、一言添えるべきではないでしょうか。



放射性物質による汚染がどんなものか。
直後にはなんともない、ということがどういう意味か、こういうものを見て学んでおく必要があります。
以下は、東海原発で事故のあったときのもの。
大内さんという名をご記憶の方もあると思います。
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NHKスペシャル 被曝治療83日間の記録 〜東海村臨界事故〜 (00:48:59)
配信期間:2013/10/1〜2013/10/31
http://streaming.yahoo.co.jp/p/y/01094/v00005/

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これ、是非見てください。無料です。
昔は、NHKもすこしはまともな番組を作ったんですね。


さらに、元作業員でガンにかかった、こういう人の話。北海道新聞のような地方新聞しか掲載しないのです。
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http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4548975.html

報じられない報道(福島第一)
大手マスコミやTVではまず報じられない「報道」が以下のように地方でされています。

北海道新聞
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「まずいな」線量計外す合図 原発労災申請の男性「命懸け、結局使い捨て」



男性が福島第1原発で作業したことを示す(手前から)登録証、管理手帳、記録手帳。抗がん剤の影響で男性の指は黒ずんでいた。


線量計はピーピー鳴き続けた」「赤いバツのついたがれきを手作業で運んだ」。


東京電力福島第1原発の事故処理の最前線で4カ月働き、放射線被ばくが原因でがんになったとして労災申請した札幌市内の男性(55)は、北海道新聞の取材に、2年前の現場の現実を生々しく語った。

56・41ミリシーベルト

厚生労働省の「特定緊急作業従事者等被ばく線量等記録手帳」に記された2011年7月から10月までの4カ月間の男性の被ばく線量だ。

「本当はこんなもんじゃない」と男性は言う。

放射線量の高い現場に到着すると5分もたたずに胸の個人線量計の警告音が鳴る。

「まずいな」。

現場責任者のつぶやきを合図に作業員が線量計を外す。
マニュアルでは線量が高ければ現場から退避することになっているが、実際は放射線を遮る鉛を張った車中に線量計を隠すなどして作業を続けたという。


男性は重機オペレーターとして道内外の工事現場を渡り歩いたが、原発は初めてだった。
大手ゼネコンの下請けで、月30万円近い基本給に1日1万円の危険手当が付いた。

主に担当したのは重機の遠隔操作だが、重機に乗り込むことやコンクリートの破片を手作業で取り除く作業も多かった。線量の高い現場では遠隔操作のロボットも使う。だがロボットが通る道を確保するには、どうしても人の手が必要だった。

水素爆発で建屋が吹き飛んだ3号機の周辺には、1時間いただけで20〜30ミリシーベルト被ばくしてしまう場所があちこちにある。
特に線量の高いがれきには赤いスプレーで「×」と印が付けてある。
前線基地の免震重要棟での朝礼で「赤い×には近づくな」と注意した現場責任者その人自身が、最前線に行くとがれきを手作業で運ぶ。
作業員も黙って手伝う。
「言っていることとやってることが、まるで違った」

防護マスクのあごの部分にびっちりと汗がたまり、放射線対策の鉛が入った重さ15キロの防護服を着て原子炉近くで作業したこともある。

「命懸けで作業した。そして、使い捨てにされた」。
男性は今、そう思っている。

膀胱(ぼうこう)と胃、大腸。転移したわけでもなく3カ所でがんが見つかったのは被ばくと関係あるはずだと考え、今年8月に労災を申請した。
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同じ作業員のハッピーさんのツィート。
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ハッピー ‏@Happy11311 10月4日
東電会見で記者さんが「なぜ、ここ最近になってこんなにトラブルが続いてるんですか?」って質問したけど、理由は簡単で今までも沢山の汚染水漏れ含めてトラブルはあったけど公表してないだけでし。この二年半、現場でトラブルの無い日の方が圧倒的に少ないでし(>_<)
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で、四号機のプールから燃料棒取り出しが十一月から始まるが、一本取り損なって事故が起きたら、作業現場はもちろん、東京まで危ない
という、これも作業員の人の話。
必読です。よく読んで状況を把握しておく必要があります。
以下、二つは同じ記事。下のが元で、上のがその紹介。読みやすいほうで読んでください。
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http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/916639037b72276cdd941d1585f75b14
「クレーン操作に日本の運命がかかっている。子供だけでもいったん逃げてほしい!」草野氏・原発作業員
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http://fukushima20110311.blog.fc2.com
汚染水より深刻  使用済み核燃料の取り出し ――収束作業の現場からⅡ
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以下は、上記記事の、適宜引用です。
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草野さんは、汚染水問題などに関する、国や東電の公式発表と、現場で作業する者の、意識のかい離を指摘する。
とくに、4号機プールで、11月中旬から始まる使用済み核燃料の取り出し作業について、その危険性を訴え、
「クレーン操作に、日本の運命がかかっている」と話す。
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国としては、全体が、オリンピックにシフトしていきますね。
だから、福島はなかったものにしたい、と思っているでしょう。
放射能汚染はないし、もう福島も終わったということにして、後は、住民を帰してしまえば、それで終わりということでしょう。
オリンピックが7年後、その前に、全部帰すことが目標ですね。
そうしたら、安全宣言ができるわけだし、その先、健康被害とか出てくるかも知れないけれど、そういうことは全部、隠蔽ということになるのでしょう。
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1Fの危なさは、作業員には、何のアナウンスもされてないですね。
だから、一見、平穏無事。 
作業現場まで、バスに乗って行くんですが、そのバスの中に、1号機から4号機まで、それぞれどういう状況か、ということを書いたものが貼ってあります。
そこには、「全部大丈夫です」「4号機のプールは、コンクリートで固めているから、倒れる心配はありません」とありますね。
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まあ、本当は、最初から漏れているんですけどね。
だって、コンクリートなんか、ガタガタに亀裂が入っているわけですから。 
だけど、今、いちばんの優先事項は、オリンピックのため、アベノミックスのために、安全神話で情報をコントロールすることなんです。
人間の命なんか、どうでもいい、という考え方があるとしか思えません。
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はっきり言って、今、主役はゼネコンなんです、事故後は。 
私たちみたいに、事故前から作業に入っていて、ある程度、原子力の知識のある人間は、あまり入れたくないようなんです。
それでなのか、重要な部署には行っていません。
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もともと原子力に関わってきた者は、蚊帳の外に置かれていますね。
全国の原発に入っていて、ノウハウを持っているアトックス〔原発保守管理が専門の会社。本社・東京〕なんかも、
入退管理とか、そういう小っちゃい仕事しか任せられていません。
やっていることは、雑用です。
アトックスは、自前のホールボディカウンターも持ってるくらい、いろいろ技術力はあります。
だから、活躍していると思われるけど、でも雑用です。
今なんか、仕事なくて、下請けにまで仕事が回らない状態ですよ。
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もともと東京電力には、何の技術もありません。
東京電力は、ただの管理会社なんです。
書類を見てハンコを押すだけ。
だから、管理監督なら、誰でもできます。
東京電力の服さえ着ていれば。
これまで、現場を何とか支えてきたのは、各メーカーの技術屋さんと、現場の下請けでなんです。
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電力さんでも、心ある人はいますよ。
でも、そういう人はみんな、変な場所に回されてしまいます。
私も知っている、東京電力の担当者の人も、作業員にも良くしてくれたし、一所懸命だったし。
でも、今は雑用をやっています。
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毎月、ホールボディカウンターを受けていますが、マックスでだいたい6000cpm〔※〕です。
事故前だったら、6000なんて大変な騒ぎですね。
事故前は800cpmぐらいでした。 
でも、今、6000という数字が出ているからと言って、何にも問題にはなりません。
東電さんがやっているのは、「自分らは、ちゃんとやっていますよ」という、いわばパフォーマンスです。
作業員の健康を守るため、ではなくてね。
企業を守るため、ただそれだけでしょう。
現場作業員は、使い捨てですから。
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個人的な感想ですけど、ある程度、線量を浴びた日は、つらい。
だるいし、倦怠感が出ます。 
それから、この間、内臓をやられています。
医者は、酒だと言いますがね。
因果関係を、証明はできないですから。
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あれは工程表ではなくて、全くの希望ですから。
工程表と呼べる代物ではありません。
 
収束作業は、実質的には、まだ、始まってないという状況でしょう。
 
燃料が溶けたり、再臨界したりしないように、冷やすしかないわけです。
それ以外は何もできない状態です。
だから、周りを片づけたり、環境を整える作業をしているしかないのです。 
 
ところが、そうしていたら、汚染水が管理できなくなって、水で冷やすというやり方自体が、限界にきていしまったわけです。
 
それから、溶けた核燃料を取り出すという話ですが、それ自体、ほとんど無理ではないでしょうか。
鉛で固めてしまう方がまだいいのではないか、と私は思っています。
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そう、例えば、タンク一個をばらすのに、一週間かかっていますね、急いでも。
組み立てるときより、はるかに時間がかかっています。
それは、ものすごく汚染しているからです。
作業そのものが難しいのではなく、線量の問題があるわけです。 
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今度の事故では、こういう汚染水をもろに浴びたんですよ。
大丈夫なわけがない。
つづきです。
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――4号機のプールにある、使用済み核燃料の取り出しを、11月中旬から開始するとしていますが。


〔4号機プールには、使用済み核燃料1331体と未使用の核燃料202体が保管されている。
そこに、広島型原爆で、約1万4000発分の放射性物質セシウム137換算)が含まれているという。
東京電力は、2014年末まで、作業は続くとしている。
その後、2015年9月頃から、隣りの3号機プールの、使用済み核燃料の取り出しを目指すとしている〕


草野:
これは、リスクのある作業です。
汚染水のレベルではないですよ。
汚染水はまだ、流れているだけですから。
それ自身が、すぐに何かを起こすわけではない。
海に溜まっていくだけです。
それはそれで、のちのち深刻な問題なのですが。

 
だけど、4号機プールの使用済み核燃料は、そもそも事故のとき、アメリカをはじめ、全世界が震撼していた問題です。
福島だけじゃなくて、東京が飛ぶかもしれないと、本気で危惧されたものです。
 
だから、失敗が許されないのです。
 

――汚染水タンクの問題が明るみに出るまでは、やはり安全神話があって、そういう、基本的なレベルでの、破綻や失敗はないだろうと思われていましたが。


草野:
4号機の作業で、タンクのときと同じレベルの人為的なミスや、技術上の問題が起こったとき、
汚染水のように、「漏れてました」という具合では済まされませんね。
起こることは、そういう比ではないですから。
 

水の中でキャスク〔特殊な容器〕に入れて、密閉して釣り出すというのですが、果たしてうまく行くでしょうか。
プールはガレキで埋まっているし、燃料集合体だって、壊れているかもしれません。
 

水の中にあるうちは、まだいいのです。
遮蔽効果があるからですね。
釣り上げて、外に出したときが危険です。
例えば、この間のように、クレーンが倒れたりするわけですよ〔※〕。
そういうことが起こって、核燃料が露出してしまったら……もう、近くにいる人間は、即死するぐらいの線量です。
一気に、命の危険にさらされます。
〔※9月5日に発生。3号機のクレーンのアームが、中央付近から折れ曲がった事故〕



――さらに、地震津波の再来や、竜巻の襲来、ということも考えられますね。

草野:
そう。
地震や何かで、冷却システムが故障したり、プールにヒビが入って水がなくなるということだって、可能性としてはあります。
もし、水がなくなったら、核燃料がむき出しになって、温度がどんどん上がり、大量の放射性物質が、まき散らされてしまいます。そうなったら、作業員も、もう、現場から退避せざるを得なくなります。
あるいは、決死隊になってしまいます。
それが、チェルノブイリで起こったことでしょう。
東京まで避難になります。



――使用済み核燃料の取り出し作業が、1〜4号機全部で、10年ぐらい続くとしていますが。


草野:
気の遠くなる作業です。
その間、一回の失敗もないなんて、この間起こっていることを見ていたら、難しいでしょう。
また、10年の間、地震津波も竜巻もない、という保証もありません。



――作業員の確保の問題もあります。

草野:
そうですね。
個人的には、これだけのクレーン作業を扱える技術者が、集まるだろうかと思っています。
 
遠隔操作はできないでしょう。
この間のプールのガレキ撤去作業で、1日の被ばくが、2ミリシーベルトとかいっていますね。
すごい被ばくです。
線量の高いところに、クレーンで行かなければなりません。
作業時間が限られます。
そうすると、ものすごい人数がかかるわけです。
しかも、技術がないといけません。
 

だから、作業員の確保というところで、限界にぶつかるかも知れない、と私は思っています。



――深刻な危機と、隣り合わせで進むわけですね。

草野:
そうですよ。
だから、オリンピックだとかと言って、浮かれている場合ではないわけです。
4号機で、釣り上げて一本ダメにしたら、もうそれで終わりになってしまう。
クレーンの操作に、日本の運命がかかっている。
そう言っても過言ではありません。
その間に、地震が来ないことを、神に祈るしかないのです。非科学的ですけど。
 

でも、皆さん、祈りませんね。
アベノミックスで、景気がよくなるかどうか、なんてことしか話題にしていないですね。



――何が必要でしょうか?

草野:
不発弾を処理するとき、半径何メートルって、住民を避難させてからやるでしょう。
せめて、子どもを避難させるとか。
そこから行けば、すべての答えが出ると思うんですが。
でも、そんなことは、誰も言わないですね。
 
とにかく、子どもはいったん逃げてほしいです。
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ひどい話ばかりです。
こんなおばかな政治家と、そんなおばかな政治家を選んでしまった国民と、そのようにしむけたメディア。
メディアさえ、まともになれば、すべてが良い方に循環するのに・・・・。