自主独立の気概・・・台湾立法院占拠の学生たち

日本メディアは、これを「学生たちの暴動」と報じているそうです。
あるいは、飛び火をおそれて報道しないとも。
台湾に滞在中の日本人大学の先生より、現地報告。
とてもすっきりと状況がわかります。


行政院に突入すると逮捕できるのだそうで、それは学生を分裂させる
ための陽動作戦だろうと見ていましたが、やはり。
何より、台湾が、中国資本にのっとられる、経済植民地化されることに
対する反発があるようで、この自主独立精神、うらやましい。



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http://sun.ap.teacup.com/souun/13749.html


台北佐藤学先生から続報が入りましたので、お知らせします:内田樹氏」  TPP/WTO/グローバリズム
https://twitter.com/levinassien



台北佐藤学先生から続報が入りましたので、お知らせします。



「22日土曜日から台北教育大学大学院の集中講義、淡江大学と台北教育大学と台北市教育局の招待講演で台北に来ています。

到着直後、学生が占拠している立法院に出かけ、その後3日間情報の収集をつとめました。



まず報告したいのは日本の報道はこの事件に無関心ですし、「学生の暴動」として誤った報道を行っています。



この事件は、もともと馬英九大統領が独裁的に中国との自由貿易協定(TFA)を結ぶことを強行採決したことに怒った学生たちが立法院を包囲し、かつ100人の学生が立法院内に入って占拠したことです。



中国との貿易協定が締結されれば、中国資本が台湾を乗っ取るのは必至で、この闘いは文字通りの「売国奴」(馬英九・国民党)と「愛国者」(学生・市民)の対決になっています。



 22日に立法院を訪問して感銘を受けたのは、学生たちの冷静で誠実で思慮深い闘い方でした。

彼らの中心は台湾大学と精華大学の学生たちで台湾のトップエリートたちです。



立法院の内部には学生が100人、そして学生の統制下で機動隊が40人が入り、一定時間で交代しています。

機動隊も学生たちの行動には非公式ですが賛同を表明していて、お互い交代時には拍手で相手をねぎらう関係でした。


この立法院の周囲には、日によって異なりますが、数千人から5万人の学生と市民が座り込んでおり、立法院の学生たちを守っています。



この状態で、月曜日から立法院の占拠が開始され、国会は機能停止になり、すでに1週間になります。

 静かな緊張状態が続いていましたが、一昨日の日曜日に馬英九が国際記者会見を行い、学生たちを違法者と批判し、まったく対話に応じないと宣言したことから、その夕刻、学生の一部が行政院への突入を呼びかけ始め、立法院の学生たちは制したのですが、馬の対応に憤った過激な学生たちが強行突破于して行政院を占拠しました。



その夜11時から機動隊の実力行使によって行政院の学生たちの逮捕と排除が7派にわたって暴力的に行われ、朝には、行政院の占拠は解かれました。

その間に学生の160人以上が負傷しています。



この行政院の占拠には、私の見たところ、明らかに暴力団の一部が紛れ込んでいたと思います。

その一部の暴力団が行政院の内部の破壊行為を行い、それがテレビや新聞で報道されました。

内部の破壊は断じて学生の行動ではありません。

そのことは行政院と立法院の内部の学生たちから情報をえています。



この行政院の制圧からこちらでもメディアの報道は「学生の暴動」というニュアンスを強めています昨日、テレビ局が世論調査を行って報告したのですが、貿易協定には台湾国民の63%が反対。


行政院の学生の途中には58%が反対し31%が支持、行政院の学生たちの機動隊による実力行使による排除は58%が反対し31%が支持です。


重要なのは、この世論調査で学生たちの立法院の占拠に対しては51%が支持し反対は38%であり、さらに立法院の学生の要求に応じて馬英九大統領は学生との対話に応じるべきだという意見は835に達していることです。



すなわち、過激な学生たちの行政院の占拠について国民は支持していないが、それに対する機動隊の実力行使に対しては反対しており、立法院の学生の占拠は国民の多数が支持し、学生の対話の要求は国民の大多数が賛同していることです。



さらに、台湾大学と精華大学は学長が学生支援を表明し、すべての授業を一週間休講にして学生たちに国会(立法院)の集会とデモに参加するよう呼びかけましたし、国内23大学の学長が学生支持を表明し、著名大学の多くが大学を休講措置にして学生の行動を支援しています。



「台湾を愛する」という旗が集会では無数に掲げられています。

休講措置を学長がとっていない大学では、教授たちが立法院で授業を行って学生を支援しています。

私のいる台北教育大学も月曜日から水曜日は学生が校内にほとんどいなかったようです。

ほとんどの学生たちが、立法院の集会とデモに参加していたのです。



おもしろいのは、集会の周りに台北の風物の夜市の屋台が並んでいることですが、これらの屋台も夜市の業者の学生支援の行動で、無料で食べ物を提供しています。

立法院の学生たちは、実に思慮深く誠実に行動していて、誰もが「学生たちを尊敬する」と語っています。

こうして7日目を迎えました。



日本の報道そして一昨日から台湾のテレビ報道も行政院の機動隊の実力行使の場面を中心に報道していますが、行政院の占拠は一部学生の突発的行動であり、政治的には意味がありません。



政治的に意味があるのは行政院ではなく立法院であり、大多数の学生と市民は立法院の学生たちの賢明な行動を見守り支援しています。

今後の推移は予測がつきません。



立法院を占拠している学生たちに実力行使が行われると、国民に潜在している歴史的な怒りに火がついて台湾は内乱状態と革命状態になるでしょう。

そのことを馬も国民党も知っているので、このままの膠着状態が続くでしょう。

最後に、学生たちの賢明で勇気ある行為を讃えたいと思います。」(以上)



連投で読みにくくて済みません。

でも、ツイートの方がニュースの拡がり方が速いようですので、利用させていただきました。

佐藤先生個人の視点から見たことの速報ですので、「自分はそう思わない」というご意見の方もあろうと思いますが、現場からの第一次資料としてお読みください。


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