冷酷な政治にno!の90歳シェフ

米国での話です。
90歳シェフが、ホームレスに食事を供する活動をしてきた。
それを市の条例違反だと、逮捕したというのです。
アメリカでは、公共の場所でホームレスに食事を供することを禁ずる法律があちこちで生まれて
いるらしい。
このシェフは、逮捕されても、活動を続けているという。


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http://www.huffingtonpost.jp/2014/11/13/jail-time-and-fine-for-feeding-homeless_n_6156040.html?&ncid=tweetlnkushpmg00000067
90歳のシェフ、ホームレスに食事を提供して逮捕 それでも「息をしている限り活動を続ける」



フロリダ州フォートローダーデール市は11月2日、「公共の場でホームレスの人々に食べ物を与えた」のは条例違反だとして、90歳のアーノルド・アボット氏を逮捕した。

地元ニュースサイト「Local 10」の記事によると、海岸でホームレスに食事を配ろうとしていたアボット氏と2人の牧師に、警察は出頭を命じた。地元紙「Sun Sentinel」が報じたところでは、アボット氏らが用意した300人分の食事のうち、ほんの数人分を提供した段階で、警察が介入したという。


逮捕の根拠となったのは、慈善団体が屋外の公共の場所でホームレスの人々に食事を与える活動を制限する、同市の新しい条例だ。激しい抗議活動が行われたにもかかわらず、10月22日に成立した。


この新しい条例は、「公衆の保健と安全のため」に、屋外で食事を提供するプログラムを1街区につき1つのみに制限し、かつ住宅地から少なくとも500フィート(約150メートル)離れた場所で行わなければならないと定めている。また、「Sun Sentinel」によれば、条例はそうした活動を行うグループに対し、移動式トイレの設置も要求している。


市の条例に違反した2人の牧師とアボット氏は、60日間の禁錮と500ドルの罰金を課される可能性がある。しかし、アボット氏は、逮捕から4日後の11月6日にはフォートローダーデールの海岸で活動を再開し、その場で再び警察への出頭を求められたと、AP通信は報じている。


Local 10が11月9日に開いた、ジャック・セイラー市長との公開討論で、アボット氏は市長の意見に真っ向から反対し、「自身の信念に従って活動を続ける」と明言した。


セイラー市長は、アボット氏の信念は尊敬に値すると述べたが、そうした活動は「適切な場所」で行ってほしいと求めた。これに対し、アボット氏は、屋内の活動場所を確保しようと「何度も何度も」試みたが、使わせてくれるところはなかったと反論した。さらにアボット氏は、屋内でホームレスたちに食事を与えられるような場所を探すという市長の「約束」が果たされるのを待つが、それまでは屋外での活動を続けると話している。



なお、ホームレスに食事を与える活動を制限する条例は、同市だけのものではなく、その数は増えている。「全米ホームレス支援会」(NCH)が最近行った調査によると、2013年の1年間だけでアメリカの21都市が、ホームレスの人々に食事を与える活動を制限する規則や条例を成立させた。その多くは、公共施設の利用を認めなかったり、厳しい食品安全規則を適用したりするものだ。


また、NCHによれば、フロリダ州は、2013年にホームレスが被害者となった傷害事件の発生件数が、全国で2番目に多かったという。フロリダ州は2010年に、ホームレスの人々に危害を加えることはヘイトクライム憎悪犯罪)であると宣言している。


なお、アメリカでは、「過去1年間に、家族のために食べ物を買うお金がなかったことがある」と答えた人の数が全体の24%に上るという調査結果(日本語版記事)もあり、先進国では特異な国になっている。文末スライドショーの1つ目では、「過去12カ月で少なくとも1回お金がなくて食べ物を入手できなかったことがある」と答えた人の率が最も多いアメリカの州のランキングを紹介しているが、2013年の調査結果によると1位はミシシッピ州で、その率は25.1%。10位のアリゾナ州で21%だ。


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野良猫排除を思い出させます。
ホームレスが近隣に集まってくるのをいやがる住民がいるのです。
そのホームレスを「生産」しているのは、政治です。
驚くではありませんか。四、五人に一人が、家族のために食べ物を買うお金がない人がいるアメリカ!


その政治の穴埋めのように善意の活動をする人々を、冷酷な政治になれきった住民が攻撃する。
ホームレス傷害事件が多いのも、冷酷な政治がもたらす現象です。
日本がそういう格差社会をおっかけていると思うと、ぞっとします。


それにしても、街に野良猫やホームレスをあまり見なくなった。
世情も経済もよくなっていないのに、どうなっているんだろう。


以下は、文中にあるアメリ貧困層増大に関するリンク先。
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http://www.huffingtonpost.jp/2013/05/29/americas_hungry_n_3356367.html
国民の4分の1が「食べ物に困る」米国。日本は?



米国は世界で最も裕福な国のひとつだが、米国住民の4分の1近くが過去1年間に食べ物の調達で困ったことがあると答えていることが、Pew Research Centerの最近の調査で明らかになった(文末にグラフ)。

このような状況は裕福な国の中では特異であり、失業の蔓延と戦うギリシアインドネシアのような国に近い。

同調査によると、カナダやドイツなどの国では、過去12カ月で食べ物の調達に困ったことがあると答えた人は10%にすぎない。(翻訳注:リンク先の双方向グラフによると、日本は2%で、それより低いのはレバノン(1%)のみ)

米国国勢調査局によると、生活が貧困線(収入が生活に必要な最低限の物を購入することができる最低限の収入水準にあることを表す指標)を下回った米国人は、2012年に4620万人にのぼり、記録が開始されて以来の50年間で最も多くなったという(総人口の16%強)


米国における貧困は、ますます拡大する所得格差と同時に存在する。「GlobalPost」が今年1月に発表した報告によると、先進国の中で所得格差の程度が米国よりも大きいのは、チリ、メキシコ、トルコの3つだけだ。


ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリストのデビッド・ケイ・ジョンストンの分析によると、米国人の上位10%を除いた残りの90%にとって、1966年から2011年までの所得の増加はわずか59ドルだった。この同じ期間のうちに、米国人の上位10%の平均所得は、平均で11万6071ドル増加している。


いっぽう、米国下院委員会は5月15日(米国時間)、農家補助金関連議案の一部として、フードスタンプ制度(低所得者向けに行われている食料費補助対策)の減額を可決した。これによって、さらに多くの米国人が飢えの危険にさらされる可能性がある。



以下略

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これに対して、アメリカは特異な国なのだ、裕福なのはごく一部でそれが政治を動かしているのだという
書き込みがありました。そのとおりでしょうけれど、そうなったのは、近年では?
わたしたちが子どもの頃のアメリカは、総体的に裕福でしたよね。
中間層の崩壊が進んだ結果が、現在です。


日本も1980年代は豊かだった。一億層中流時代と言われた。
衣食足りて、文化が足りないと思っていた。
いまは、衣食窮して、文化はさらに劣悪化貧困化していっている。


日本では毎日五人の餓死者がいるんだそうです。
もうそんなこと聞かされても驚かなくなった。
昔は驚愕したものです。
生活保護費を減額する日本です。こういう政治の冷酷は、ひとびとの心を荒ませます。


みんなで分け合うという気持ちを復活させなければいけない。