「日本会議の研究」と「日本はなぜ、戦争ができる国になったのか」

菅野完著「日本会議の研究」読みました。一冊だけでは偏るかも、と思って、週刊金曜日の特集も。
週刊金曜日の特集は、よくまとめてありました。
日本会議の研究」はブログでも読みましたが、やはり本で読むほうが読みやすい。
一水会の鈴木さんと生長の家との絡みなども、知りませんでしたので、全共闘時代と右翼学生との
関連がよくわかった。それに、三島の「盾の会」との関連も。


生長の家原理主義ネットワーク」の改憲の第一目標は


緊急事態条項
家族規定の憲法第二十四条


憲法第九条がまっさきではないんですよ。「緊急事態条項」ですよ。
熊本地震が起きたときにも、菅官房長官が口走っていましたね。


日本会議の研究」では、その日本会議日本青年協議会の中心的人物たちをとりまとめるものが
いるはずという推論で、安東巌というカリスマ的存在を割り出します。ある時期に生長の家原理主義
者たちは、政治路線を廃止した生長の家本部とたもとを分つのですが、ただひとり本部が切れなかった人物
がいてそれが安東巌という人物だったというのです。つまりこの人物は、まだ生長の家に所属している。
出版差し止め訴訟が、日本会議の事務総長である椛島有三から出ていて、さて、生長の家はどんな
対応をするのだろうと思っていましたら、出ました。


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http://www.jp.seicho-no-ie.org/news/sni_news_20160609.html
今夏の参議院選挙に対する生長の家の方針


「与党とその候補者を支持しない」


来る7月の参議院選挙を目前に控え、当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な「反対」の意思を表明するために、「与党とその候補者を支持しない」ことを6月8日、本部の方針として決定し、全国の会員・信徒に周知することにしました。その理由は、安倍政権は民主政治の根幹をなす立憲主義を軽視し、福島第一原発事故の惨禍を省みずに原発再稼働を強行し、海外に向かっては緊張を高め、原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです。


戦後の一時期、東西冷戦下で国内が政治的に左右に分裂して社会的混乱に陥っている時、当教団の創始者谷口雅春先生は、その混乱の根源には日本国憲法があると考えられ、大日本帝国憲法の復元改正を繰り返し主張されました。そして、その実現のために、当教団は生長の家政治連合(生政連)を結成(1964年)して、全組織をあげて選挙活動に取り組んだ時代がありました。しかし、やがて純粋な信仰にもとづく宗教運動が政治運動に従属する弊害が現れ、選挙制度の変更(比例代表制の導入)によって、政党と支持団体との力関係が逆転したことを契機に、1983年に生政連の活動を停止しました。それ以降、当教団は組織としては政治から離れ、宗教本来の信仰の純粋性を護るために、教勢の拡大に力を注いできました。



中略


ところが安倍政権は、旧態依然たる経済発展至上主義を掲げるだけでなく、一内閣による憲法解釈の変更で「集団的自衛権」を行使できるとする”解釈改憲〟を強行し、国会での優勢を利用して11本の安全保障関連法案を一気に可決しました。これは、同政権の古い歴史認識に鑑みて、中国や韓国などの周辺諸国との軋轢を増し、平和共存の道から遠ざかる可能性を生んでいます。また、同政権は、民主政治が機能不全に陥った時代の日本社会を美化するような主張を行い、真実の報道によって政治をチェックすべき報道機関に対しては、政権に有利な方向に圧力を加える一方で、教科書の選定に深く介入するなど、国民の世論形成や青少年の思想形成にじわじわと影響力を及ぼしつつあります。


最近、安倍政権を陰で支える右翼組織の実態を追求する『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社刊)という書籍が出版され、大きな反響を呼んでいます。同書によると、安倍政権の背後には「日本会議」という元生長の家信者たちが深く関与する政治組織があり、現在の閣僚の8割が日本会議国会議員懇談会に所属しているといいます。これが真実であれば、創価学会を母体とする公明党以上に、同会議は安倍首相の政権運営に強大な影響を及ぼしている可能性があります。事実、同会議の主張と目的は、憲法改正をはじめとする安倍政権の右傾路線とほとんど変わらないことが、同書では浮き彫りにされています。当教団では、元生長の家信者たちが、冷戦後の現代でも、冷戦時代に創始者によって説かれ、すでに歴史的役割を終わった主張に固執して、同書にあるような隠密的活動をおこなっていることに対し、誠に慚愧に耐えない思いを抱くものです。先に述べたとおり、日本会議の主張する政治路線は、生長の家の現在の信念と方法とはまったく異質のものであり、はっきり言えば時代錯誤的です。彼らの主張は、「宗教運動は時代の制約下にある」という事実を頑強に認めず、古い政治論を金科玉条とした狭隘なイデオロギーに陥っています。宗教的な観点から言えば“原理主義”と呼ぶべきものです。私たちは、この“原理主義”が世界の宗教の中でテロや戦争を引き起こしてきたという事実を重く捉え、彼らの主張が現政権に強い影響を与えているとの同書の訴えを知り、遺憾の想いと強い危惧を感じるものです。


当教団は、生政連の活動停止以来、選挙を組織的に行うなどの政治活動を一切行ってきませんでした。しかし、政治に触れる問題に関して何も主張してこなかったのではなく、谷口雅宣現総裁は、ブログや月刊誌を通して“脱原発”や“自然エネルギー立国”を訴え、また日米の外交政策を分析して、それに異を唱えたり、注文をつけたりしてきました。また、昨年は憲法を軽視する安保法案に反対する立場を明確に表明されました。


私たちは今回、わが国の総理大臣が、本教団の元信者の誤った政治理念と時代認識に強く影響されていることを知り、彼らを説得できなかった責任を感じるとともに、日本を再び間違った道へ進ませないために、安倍政権の政治姿勢に対して明確に「反対」の意思を表明します。この目的のため、本教団は今夏の参院選においては「与党とその候補者を支持しない」との決定を行い、ここに会員・信徒への指針として周知を訴えるものです。合掌。



2016年6月9日

宗教法人「生長の家
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これくらいの断言を、民進党もできないものか。
粘りに粘った生活の党がついに比例のオリーブの木を断念。民進党が諾わないからできない。
日本会議の研究」、一度はお読みください。ブログでもいいですから。


つぎは、矢部宏治さんの「日本はなぜ戦争ができる国になったのか」。
読んでませんけど、以下の天木さんとの対談でおおよそはわかります。
ぜひ、この対談も視聴してください。



以下は、その肝の部分を要約してくれてます。
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http://sun.ap.teacup.com/souun/20140.html
矢部宏治x天木直人対談 



矢部「日米地位協定によって、自衛隊の指揮権は米軍が持っている。米軍は日本全国どこでも基地にしていい」


天木「日本は米国に占領されているのではなく米軍に占領されている


矢部「米国の頭越しに軍が日本政府に指示してる」


天木直人氏、日米行政協定とそれを引き継いだ日米地位協定について「米外交官が『これはひどい、こんな協定を結んでいいのか』と言ったら軍のほうで『日本が文句言ってないからいいのだ』と。日本はこの件についてまったく主張していない。密約だから日本国民も政治家も外務官僚も知らされていない。」


矢部宏治「日本は今でも朝鮮戦争の体制の中にいる。占領下の戦時体制を維持しているのが今の日米関係。朝鮮戦争時に海上保安庁が米軍の要請で機雷掃海をしている。それは戦闘行為。つまりすでに参戦している。」



現在に至る米軍の日本占領に朝鮮戦争は抜きがたい意味を持っているらしい。

朝鮮戦争は現在も休戦中であり戦争状態は継続している。


それが米軍が日本の政府高級官僚に直接指示ができる根拠。


朝鮮半島問題を解決しないことが米軍と日本政府の利権維持。


自衛隊の指揮権を米軍が持っているという状態は、密約によっている。

国民は知らされてこなかった。

この対談のキモの部分。

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ジャパンハンドラーと言われてる連中が、そうだったんですね。
日本はまだ米国ではなく、米軍に占領されている状態。実質的には。
北朝鮮と韓国が分裂している間は、日本の占領状態はつづく。