鈴木邦男の本

いま、午前七時五十分。熊日新聞書評欄に「阿木津英が読む」というコラムを、三ヶ月に一回くらい書いているのですが、今回は鈴木邦男著『愛国者の座標軸』作品社をとりあげて、たったいま、なんとか終わったところです。


鈴木邦男と言えば、右翼団体一水会」の元代表、現顧問です。
そのうち、わたしの書いた書評もupしようと思いますが、「知っておきたい」のつづきとして、この本からの孫引きで、ちょっと引用しておきます。



 2003年10月、都教委が、入学式や卒業式などでの国旗掲揚・国歌斉唱の詳細な実施指針を、都立学校長に通達。
国旗掲揚・国歌斉唱にあたり、校長の職務命令に従わない場合は、服務上の責任を問われることを、教職員に周知すること〉
〈国旗は壇上正面に向かって左、都旗は右に掲揚する。式次第に「国歌斉唱」と記載する。司会者が「国歌斉唱」と発声し、起立を促す。教職員は国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する。斉唱はピアノ伴奏者により行う・・・〉
                                    (254ページ)



起立しない人は処分、起立しても歌わない人は処分、口をあいているふりをしてるが声を出さない人も処分、処分というわけらしい。


ところで、また、本書によると、2006.5.29付けの産経新聞一面トップは〈「君が代」替え歌流布/ネット上「慰安婦」主題〉という見出しで、次のように報道されたそうです。


〈卒業式、入学式での国歌斉唱が浸透するなか、「君が代」の替え歌がインターネット上などで流布されている。「従軍慰安婦」や「戦後補償裁判」などをモチーフにした内容だが、本来の歌詞とそっくり同じ発声に聞こえる英語の歌詞になっているのが特徴で、はた目には正しく歌っているかどうか見分けがつきにくい。既に国旗掲揚や国歌斉唱に反対するグループの間で、新手のサボタージュの手段として広がっているようだ〉


替え歌の歌詞と訳、たしかに「文句なしに傑作」(鈴木)です。
わたしも覚えたい。頭が悪くて、なかなか覚えられないので、ここに再録しておきます。


Kiss me,girl,your old one.
Till you're near,it is years till you're near.
Sounds of the dead will she know?
She wants all told,now retained.
for,cold caves know the moon's seeing the mad and dead.


私にキスしておくれ、少女よ、このおばあちゃんに。
おまえがそばに来てくれるまで、何年もかかったよ、そばに来てくれるまで。
死者たちの声を知ってくれるのかい。
すべてが語られ、今、心にとどめておくことを望んでくれるんだね。
だって、そうだよね。冷たい洞窟は知っているんだからね。お月さまは、気がふれて死んでいった者たちのことをずっと見てるってことを。